前橋で働き、暮らす人が、どう資産を築いていけるのか。所得、支出、そして制度の使い方を、公的統計から検討します。
このページで扱うこと
賃金の記事で見たとおり、20〜24歳の群馬と東京の年収差は月2.4万円にとどまります。しかし年齢が上がるにつれて差は開き、50〜54歳では月14.6万円になります。賃金の伸びは群馬1.29倍に対し東京1.53倍でした(2025年)。
そこに、もうひとつの差が重なります。金融庁が2025年に初めて公表した都道府県別データによると、群馬県のNISA口座開設率は20.8%で、47都道府県中34位。全国平均25.2%を4.4ポイント下回り、東京都の32.8%とは12ポイントの開きがあります。
稼ぐ額の差は小さい。しかし伸びの差と、資産を増やす制度の使用率の差がある。時間が経つほど開いていく構造です。このページでは、その構造を数字で押さえ、前橋で暮らしながら何ができるのかを検討します。
扱うテーマ
群馬県はNISAをどれだけ使っているか
開設率の全国順位、年齢層別の構成比、北関東各県との比較。群馬の口座は全国平均より高齢層に偏っており、20代と30代の合計は27.4%(東京34.9%、全国29.5%)にとどまります。誰がまだ使っていないのかを特定します。
iDeCoと企業型確定拠出年金
群馬県の加入状況と、制度の設計上どちらを優先すべきかの整理。中小企業が多い地域では、企業年金の有無が老後の受取額に直結します。
貯蓄と有価証券保有の実態
群馬県の世帯あたり貯蓄額、その内訳、全国との比較。預貯金に偏っているのか、それとも額そのものが少ないのか。
前橋で暮らす場合の収支
住居費、自動車の保有コスト、通勤時間。手取りの額ではなく、そこから何が残るかで東京と比べます。地価と家賃の実額を用います。
群馬県内の上場企業
県内に本社を置く上場企業の一覧と、業種の分布。地元企業に投資するという選択肢が、実際にどれだけあるのかを確認します。この記事は前橋のいまで公開しています。
今後扱いたいテーマ
群馬で稼ぎ外に投資するという発想、移住してくる人を金融の視点で見ること。いずれも既存の記事で示した数字を組み合わせて整理するテーマで、まだ着手していません。まとまりしだい扱います。
使用する統計
すでに使っている統計
公開済みの記事で実際に使用した統計です。調査の周期がばらばらなので、更新のタイミングも記事ごとに異なります。
| 統計 | 作成機関 | 周期 | 使っている記事 |
|---|---|---|---|
| NISA口座の利用状況調査 | 金融庁 | 半年 | NISA |
| iDeCoの制度の概況 | 国民年金基金連合会 | 毎月 | iDeCo |
| 市町村税課税状況等の調 | 総務省 | 毎年 | 課税対象所得 |
| 住民基本台帳に基づく人口 | 総務省 | 毎年 | NISA (開設率の分母) |
| 全国家計構造調査 | 総務省統計局 | 5年 | 貯蓄・負債 貯蓄の分布 前橋市の貯蓄 |
| 前橋市の各種支援制度 (公式サイト) | 前橋市 | 随時 確認日を明記 | 支援制度一覧 |
全国家計構造調査は2026年8月28日に家計資産・負債に関する結果が公表されました。5年に一度の調査で、次回は令和11年(2029年)調査になります。それまでこの数値が最新のまま使われます。
各記事の「対象範囲」に、どの調査のどの統計表を使ったかを明記しています。次回の更新時期も記事ごとに書いています。
市の数字が取れるもの、県までのもの
この分野は統計によって集計の単位が違います。前橋市の数字が取れるものと、群馬県までしか取れないものがあります。
| 指標 | 取れる単位 | 備考 |
|---|---|---|
| 課税対象所得 | 市区町村 | 納税義務者1人当たり。全国1,742市区町村の順位まで出せる |
| 貯蓄・負債の現在高 | 15万人以上の市 | 群馬県からは前橋・高崎・伊勢崎・太田の4市。資産の種類は15区分で、都道府県別の42区分より粗い |
| 貯蓄・負債の保有率 | 都道府県 | 市レベルでは公表されていない。負債保有率46.2%は群馬県の数値 |
| 貯蓄現在高階級別の分布 | 都道府県 | 市レベルでは公表されていないため、前橋市の中央値や分布は算出できない |
| NISA口座開設率 iDeCo加入状況 | 都道府県 | 市区町村別の集計はない |
県の数値を前橋の数値として書くことはしません。単位が違えば、結論も変わることがあります。実際、群馬県の貯蓄は全国を10.5%下回りますが、前橋市に絞ると全国平均を上回りました。
今後使う予定の統計
- 総務省「家計調査」(品目別の支出、貯蓄・負債の四半期公表)
- 総務省統計局「住宅・土地統計調査」(持ち家率、住宅の規模)
- 国土交通省「地価公示」(住宅地の価格推移)
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(金融資産の保有状況、金融リテラシー)
- 厚生労働省「企業年金制度の現況」(企業型確定拠出年金の普及)
いずれも地域別の内訳が取れるかを確認したうえで使います。取れない場合は、その旨を記事に明記します。
データの限界について
本ページで扱う金融関連の統計は、多くが都道府県単位までの公表です。前橋市単位のNISA・iDeCo利用状況は公表されていません。市単位の数値が必要な箇所では、群馬県または北関東の値を用い、その旨を明記します。
また、性別・配偶関係・子どもの人数といった属性を都道府県別にクロスさせた集計は、標本数の制約から公表されていない場合があります。全国値でのみ示せる項目は、その範囲を明示したうえで扱います。
本ページの立場
本ページは、公的統計にもとづく事実の整理と、その解釈の提示を行うものです。特定の金融商品、金融機関、保険商品を推奨することはありません。個別の投資判断や資産運用の助言でもありません。
上場企業の紹介は、県内経済の構造を把握するための情報提供であり、投資勧誘を目的とするものではありません。制度の詳細や税務上の取り扱いについては、必ず一次情報および専門家にご確認ください。
公開済みの記事
Savings
貯蓄と負債4本
貯めている額と、借りている額
2024年
群馬の負債保有率46.2%は全国1位|純貯蓄は8割
借りている先は主に家。純貯蓄では全国の8割にとどまる。
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2024年
群馬の貯蓄の中央値は767万円|平均1,542万円の半分
平均は上位3割の側にある数字だった。
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2024年
群馬の年代別の貯蓄|60代2,433万円がピーク
貯蓄だけを見ていると、この構図を見誤る。
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2024年
前橋市の貯蓄は1,781万円で県内最多|負債888万円も最多
県で見た結論が、市に絞ると逆転する。
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Income
収入と支出5本
入ってくる額と、出ていく額
2024年度
前橋市の所得は1人375万円|県内2位・全国234位
県内2位、全国では上位14%にあたる。
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2024年
前橋市の消費支出は月32.6万円|物価は最低なのに
安く買えることと、支出が少ないことは別の話だった。
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2024年
前橋と東京の交通費は月14,553円差|98.7%が車の維持費
買う費用ではなく、持ち続ける費用。
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2025年
東京との年収差183.5万円|手取りは月3,633円差
個人と世帯で、答えが違う。
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2024年度
前橋の実質所得は34年前と同じ|地価は半分以下に
34年で、元に戻っただけ。
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Retirement
老後の備え3本
年金と、自分で積む手段
2024年
前橋市の無職世帯は収入の79.8%が年金
割合の高さは、分子ではなく分母で決まっていた。
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2025年版
群馬のNISA口座開設率20.8%は全国34位
稼ぎが小さくても、増やす手段の使用率で差がつく。
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2025年3月末
群馬のiDeCo加入は1,000人当たり48人|全国23位
自助努力の側から老後の資産形成を見る。
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Housing
住まい2本
持ち家と借家、広さと設備
2023年
前橋市の持ち家は借家の2.54倍の広さ|設備は30pt差
広さも設備も、2倍以上の差。
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2023年
前橋市の持ち家率は68.6%|15年で5.9pt上昇
世帯の区分を変えると、順序が入れ替わる。
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Education
教育費1本
育てて、進学させるまで
Support
使える制度1本
移住・子育て・住宅の支援
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- ヒト(雇用・福利厚生)
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更新履歴
2026年8月24日 ページ公開


