前橋市の納税義務者1人当たり課税対象所得は375万9,500円。
群馬県35市町村で2位、全国1,742市区町村では234位でした。
結論
前橋市の課税対象所得は納税義務者1人当たり3,759.5千円。県内2位、全国234位で、上位14%に入る。
県内1位は高崎市の3,891.6千円。ただし2019年度の差は19.6千円だったのに対し、2024年度には132.1千円に開いた。
前橋の所得は6年間で13.5%伸びている。高崎の16.8%には及ばない。
対象範囲
総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」の指標D02206、課税対象所得(納税義務者1人当たり)を使用しました。
原資料は総務省「市町村税課税状況等の調」です。
課税対象所得は、市町村民税の所得割の算定対象となる前年の所得です。
給与所得だけでなく、営業等所得や農業所得なども含みます。
納税義務者1人当たりの数値であり、市民1人当たりではありません。
所得割を納めていない人は分母に含まれないため、市民全体の平均所得とは異なります。
県内での位置

県内35市町村をすべて並べると、次のようになります。
| 順位 | 市町村 | 課税対象所得(千円) |
|---|---|---|
| 1 | 高崎市 | 3,891.6 |
| 2 | 前橋市 | 3,759.5 |
| 3 | 太田市 | 3,558.4 |
| 4 | 吉岡町 | 3,417.3 |
| 5 | 安中市 | 3,386.1 |
| 6 | 館林市 | 3,383.9 |
| 7 | 伊勢崎市 | 3,332.5 |
| 8 | 桐生市 | 3,285.0 |
| 9 | 富岡市 | 3,249.0 |
| 10 | 昭和村 | 3,234.5 |
| 11 | 千代田町 | 3,224.9 |
| 12 | 明和町 | 3,224.5 |
| 13 | みどり市 | 3,220.0 |
| 14 | 沼田市 | 3,201.1 |
| 15 | 藤岡市 | 3,192.5 |
| 16 | 邑楽町 | 3,185.4 |
| 17 | 玉村町 | 3,183.5 |
| 18 | 渋川市 | 3,180.2 |
| 19 | 板倉町 | 3,174.2 |
| 20 | 嬬恋村 | 3,167.4 |
| 21 | 榛東村 | 3,166.5 |
| 22 | 甘楽町 | 3,094.0 |
| 23 | 大泉町 | 3,083.2 |
| 24 | 長野原町 | 3,021.5 |
| 25 | 中之条町 | 2,949.3 |
| 26 | 川場村 | 2,886.5 |
| 27 | 東吾妻町 | 2,864.4 |
| 28 | 草津町 | 2,851.8 |
| 29 | 下仁田町 | 2,838.8 |
| 30 | 高山村 | 2,827.3 |
| 31 | みなかみ町 | 2,807.6 |
| 32 | 片品村 | 2,793.2 |
| 33 | 神流町 | 2,692.2 |
| 34 | 南牧村 | 2,573.1 |
| 35 | 上野村 | 2,536.0 |
前橋市は3,759.5千円で県内2位でした。
1位の高崎市とは132.1千円の差があります。
全国1,742市区町村では234位で、上位14%に入ります。
高崎市は166位でした。
4位に吉岡町が入っています。
県内で唯一、2050年に人口が増える推計が出ている町です。
6年間の推移

| 年度 | 前橋市 | 高崎市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 2019 | 3,311.5 | 3,331.1 | 19.6 |
| 2020 | 3,296.8 | 3,392.9 | 96.1 |
| 2021 | 3,381.8 | 3,487.1 | 105.3 |
| 2022 | 3,452.8 | 3,529.5 | 76.7 |
| 2023 | 3,479.0 | 3,588.5 | 109.5 |
| 2024 | 3,759.5 | 3,891.6 | 132.1 |
2019年度、前橋と高崎の差は19.6千円でほぼ並んでいました。
2024年度には132.1千円に開いています。
6年間の伸びは、前橋13.5%、高崎16.8%。
前橋も所得は伸びていますが、伸び方に差があります。
2020年度は前橋だけが前年を下回りました。3,311.5から3,296.8へ、14.7千円の減少です。
同じ年、高崎は61.8千円増えています。
この数字をどう読むか
ここからは解釈です。
当サイトのこれまでの記事では、前橋にとって厳しい数字が続きました。有効求人倍率は12か月すべてで県平均以下、将来人口は主要4市で最も速く減り、高齢化率も最も高い。
所得は違いました。県内2位、全国では上位14%です。
働く人1人あたりで見れば、前橋の所得水準は低くありません。
この差は何を意味するか。求人の少なさは働く場所の量の問題であり、所得は働いている人の質の問題です。前橋には相応の所得を得ている人がいる。ただし、そこに入る間口が狭いということかもしれません。
なお課税対象所得には農業所得も含まれます。農業の記事では、前橋の農業産出額が577.1億円で全国1,709市町村中8位、中身は畜産が73.0%であることを示しました(2024年)。
ただし、これは推測です。本記事のデータからは確かめられません。
高崎との差が開いた点は、別の見方もできます。
通勤流動の記事で確認したとおり、高崎は他県への通勤が前橋の約2倍でした。東京方面へ通う人が多ければ、その所得は高崎市の課税対象所得に計上されます。差の一部は、住む場所と働く場所の関係から生じている可能性があります。
吉岡町が県内4位である点も、同じ文脈で読めます。
前橋と高崎に挟まれ、昼夜間人口比率は県内最下位の77.2。住む人の多くが市外で働いています。それでも所得は県内4位。通勤先で得た所得が、住んでいる町の統計に表れます。
また、生活コストの記事で確認したとおり、群馬県の物価は全国最低でした。
所得が全国上位14%で、物価が全国最低。この2つを合わせると、前橋で働く人の実質的な購買力は、額面が示すより高い可能性があります。
このデータの限界
- 納税義務者1人当たりの数値です。市民1人当たりではありません。所得割を納めていない人は分母から外れるため、市民全体の平均所得より高く出ます。
- 課税対象所得は、各種控除を差し引く前の所得です。手取り額とは異なります。
- 居住地ベースの統計です。市外で働いて得た所得も、住んでいる市の数値に含まれます。
- 平均値のため、分布は分かりません。高所得者が少数いる場合と、中間層が厚い場合とを区別できません。
- 課税対象所得は前年の所得です。年度の表記と、所得が発生した年はずれます。
- 給与所得だけでなく、営業等所得や農業所得なども含みます。給与の水準そのものを示す数値ではありません。
- 市町村民税の所得割の算定対象となる所得が対象で、他の税目は含みません。
よくある誤解
「課税対象所得=平均年収」
ではありません。納税義務者に限った数値であり、控除前の金額です。
「所得が高い=その市に良い仕事がある」
とも限りません。居住地ベースの統計なので、市外で働く人の所得も含まれます。
「順位が高いなら前橋の給料は高い」
納税義務者1人当たりの数値で、市民全体の平均ではありません。所得割を納めていない人は分母に含まれません。
Q&A
2024年度はいつの所得ですか
市町村民税は前年の所得に対して課税されるため、2023年の所得が対象です。市民税・県民税の仕組みは、前橋市の市民税・県民税(個人住民税)のページで確認できます。
賃金の記事とどう違いますか
賃金の記事は厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、都道府県単位の給与額です。
本記事は市町村単位の課税対象所得で、給与以外の所得も含みます。
調査も対象も異なるため、直接の比較はできません。
2020年度に前橋だけ下がったのはなぜですか
本記事のデータからは分かりません。
2020年度の課税対象は2019年の所得で、新型コロナウイルスの影響が出る前の年にあたります。
前橋市の所得は群馬県で何位ですか
2024年度の納税義務者1人当たり課税対象所得は3,759.5千円で、県内35市町村の2位です。1位は高崎市の3,891.6千円、3位は太田市の3,558.4千円です。全国1,742市区町村では234位です。
前橋市と高崎市の所得の差はどれくらいですか
2024年度は132.1千円の差があります。2019年度の差は19.6千円で、ほぼ並んでいました。6年間の伸びは前橋13.5%、高崎16.8%です。
出典
- 総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」指標D02206 課税対象所得(納税義務者1人当たり)(原資料:総務省「市町村税課税状況等の調」)
データダウンロード
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| ⑱ | 県内35市町村の課税対象所得 (2024年度)と主要市の推移(2019〜2024年度) | 総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」D02206 | CSVを保存 |
更新履歴
2026年9月24日 Q&Aと内部リンクを追加
2026年9月21日 県内35市町村の一覧表を追加、配布データを35市町村に拡充
2026年9月21日 限界と誤解を整理
2026年8月31日 公開
