群馬のNISA口座開設率20.8%は全国34位【2025年版】

群馬県のNISA口座開設率は20.8%で、47都道府県中34位である。全国平均25.2%を4.4ポイント下回り、20歳代から80歳代以上まで、すべての年齢層で全国平均を下回る。年齢層別の構成比と開設率を、全国・東京都と表で比べた。

金融庁が2025年に初めて公表した都道府県別データから、群馬県のNISA利用状況を整理しました。
開設率は全国平均を下回りますが、より特徴的だったのは年齢層による差の大きさです。

結論

群馬県のNISA口座開設率は20.8%で、47都道府県中34位。全国平均25.2%を4.4ポイント下回る。

年齢層別に見ると、群馬県は20歳代から80歳代以上まで、すべての層で全国平均を下回っている。

東京都との差が最も大きいのは30歳代で、群馬28.0%に対し東京44.6%。その差は16.6ポイントにのぼる。

対象範囲

本記事が扱うのは群馬県単位のデータです。
NISAの利用状況は都道府県別までしか公表されておらず、前橋市単位の数値は存在しません。
当サイトは前橋市を対象としていますが、この項目については県の値で代替します。

口座数の基準日は2025年6月末、人口の基準日は2025年1月1日です。
両者に半年の差があります。

全国順位

都道府県別NISA口座開設率(2025年6月末)
NISA口座開設率の全国比較(2025年)
群馬の口座開設率 20.8% 全国25.2%。47都道府県中34位
全国平均を上回る年齢層 0 20歳代から80歳代以上まですべて下回る
東京との差が最大の層 16.6pt 30歳代。群馬28.0%/東京44.6%

群馬県の20歳以上人口1,613,871人に対し、20歳以上のNISA口座は335,028口座。
開設率は20.8%で、47都道府県中34位でした。

最も高いのは東京都の32.8%、次いで神奈川県29.9%、奈良県28.3%。
最も低いのは青森県の14.9%です。
上位は三大都市圏に集中しています。

北関東で並べると、埼玉県25.0%(16位)、栃木県23.3%(20位)、茨城県21.8%(29位)、群馬県20.8%(34位)。
4県の中で群馬が最も低くなっています。

年齢層別の構成比

NISA口座の年齢層別構成比(2025年6月末)

群馬県の口座337,023件が、どの年齢層に分布しているかを見ます。

年齢層群馬県全国東京都群馬-東京
10歳代0.6%0.6%0.5%+0.1
20歳代11.3%11.8%13.5%-2.2
30歳代16.1%17.7%21.4%-5.3
40歳代18.3%19.2%20.9%-2.6
50歳代19.6%19.3%19.0%+0.6
60歳代16.0%14.5%11.9%+4.0
70歳代12.7%11.0%7.8%+4.9
80歳代以上5.5%5.9%5.1%+0.5

群馬県は30歳代が東京都より5.3ポイント低く、70歳代が4.9ポイント高い。
この形だけを見ると、群馬のNISAは高齢層に偏っているように読めます。

ただし構成比は、その県の口座数を100とした場合の内訳です。
群馬県は東京都より高齢化が進んでいるため、高齢層の割合が高くなる要因が人口側にもあります。
この表だけでは、両者を分離できません。

年齢層別の開設率

そこで、各年齢層の口座数を、同じ年齢層の人口で割ります。
人口構成の影響を取り除いた値です。

年齢層別NISA口座開設率(2025年6月末)
年齢層群馬県全国東京都群馬-東京
20歳代20.0%24.2%28.8%-8.7
30歳代28.0%35.0%44.6%-16.6
40歳代25.0%30.9%40.1%-15.1
50歳代23.3%27.8%34.3%-10.9
60歳代23.0%26.1%32.1%-9.1
70歳代16.0%18.2%22.6%-6.5
80歳代以上9.3%12.4%17.4%-8.1

結果は構成比とは異なります。
群馬県は20歳代から80歳代以上まで、すべての年齢層で全国平均と東京都を下回っていました。
構成比で厚く見えた70歳代も、実際の開設率は群馬16.0%に対し東京22.6%です。

東京都との差が最も大きいのは30歳代で16.6ポイント。
次いで40歳代が15.1ポイント。
最も小さいのは70歳代の6.5ポイントでした。

30歳代だけを取り出した全国順位は39位で、全年齢の順位34位より下位になります。

なお10歳代を除いているのは、NISAの対象が18歳以上である一方、人口統計の区分が15〜19歳であり、対応させられないためです。

この数字をどう読むか

ここからは解釈です。

開設率が全国平均を下回ること自体は、地方県として珍しくありません。
上位が三大都市圏に集中している以上、群馬が中位以下になるのは構造的な結果ともいえます。

注目したいのは、差の大きさが年齢層によって一様でないことです。
差が最大なのは30歳代と40歳代で、いずれも15ポイントを超えています。
一方、70歳代の差は6.5ポイントにとどまります。

30歳代と40歳代は、収入が安定し、積立の期間をまだ長く取れる時期にあたります。
資産形成の効果が最も大きく現れる層で、群馬と東京の差が最も開いていることになります。

当サイトの賃金の記事では、20〜24歳の群馬と東京の年収差は月2.4万円にとどまる一方、年齢が上がるにつれて差が開き、50〜54歳では月14.6万円になることを確認しました。
賃金の伸びは群馬1.29倍に対し、東京1.53倍でした(2025年)。

賃金の差は30代以降に開いていきます。
そして資産形成の手段の使用率も、同じ30代で最も差が大きい。
2つの差が同じ時期に重なる構造です。

賃金の水準は、個人の努力では動かしにくい条件です。
一方、制度を使うかどうかは、居住地に関係なく選べます。
この2つを分けて考えることに、意味があるように思います。

付け加えれば、支出の水準も条件の一つです。
生活コストの記事で確認したとおり、群馬県の物価は全国最低で、前橋市の物価は52都市で最も低い水準でした(2025年)。
賃金が低い一方で支出も低いのであれば、積立に回せる余力が東京より小さいとは限りません。

このデータの限界

  • NISAの利用状況は都道府県別までしか公表されておらず、前橋市単位の数値は存在しない。この記事の数値は群馬県のものである。
  • 開設率は、NISA口座数を対応する人口で割って当サイトが算出した。公表値ではない。
  • 口座数の基準日は2025年6月末、人口の基準日は2025年1月1日で、両者に半年の差がある。
  • 口座数は開設された数であり、実際に利用されているかは分からない。残高がゼロの口座も含まれる。
  • 1人が複数の金融機関で口座を持つことはできないが、過去に開設して使っていない口座も数に入る。
  • NISAは2024年に制度が変わっている。新旧の制度をまたぐ数値の比較には注意が必要である。
  • 投資の実績や運用成果は、この統計では分からない。

よくある誤解

「群馬は高齢者ばかりがNISAを使っている」

構成比だけを見た場合に生じる読み方です。人口で割ると高齢層の開設率も全国を下回っています。構成比の高さは、県の人口構成が高齢寄りであることの反映です。

年代別の貯蓄の記事で、群馬県の貯蓄が30歳未満264万円から60代2,433万円まで9.2倍に増え、70代以降は減ることを示した。

「地方は所得が低いからNISAを使えない」

本データからは、所得との関係を直接確認できません。本調査に所得の項目はなく、県別の所得水準との相関を検証するには別の統計が必要です。

持ち家の記事で、前橋市の住宅ローンの返済額が月37,805円で全国の1.16倍、可処分所得に占める割合は6.9%で全国6.8%とほぼ同じであることを示した。

「開設率が高い=投資している」

開設率は口座を持っている人の割合であり、実際に投資しているかどうかは示しません。口座を開設したまま買付していない例も含まれます。

Q&A

前橋市だけの数字は分かりますか

公表されていません。
金融庁の調査は都道府県別までです。市区町村別の集計は行われていません。

他で見た開設率と数字が違います

分母の取り方が異なるためです。
本記事の全体の開設率は、20歳以上人口を分母としています。
18歳以上を分母とする集計では、東京都の開設率は31.9%程度となり、本記事の32.8%より低く出ます。

20歳以上を採用したのは、住民基本台帳の年齢区分が5歳階級で、18〜19歳を切り出せないためです。
推定値を用いるより、分子と分母を同じ基準でそろえるほうが検証しやすいと判断しました。
分子からも10歳代の口座を除いています。

構成比と開設率は何が違うのですか

構成比は、その県の口座数を100としたときの年齢層別の内訳です。
開設率は、その年齢層の人口のうち何割が口座を持っているかを示します。

構成比は人口構成の影響を受けるため、高齢化が進んだ県では高齢層の割合が高く出ます。
県をまたいで比較する場合は、開設率のほうが適切です。

NISAの制度の内容は、金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できます。

都道府県の合計は全国の値と一致しますか

一致しません。
金融庁の資料によると、基準日時点で都道府県別に集計できなかった金融機関があるためです。
本記事はこの点を補正していません。

群馬県のNISA口座開設率は全国で何位ですか

20.8%で、47都道府県中34位です。全国平均25.2%を4.4ポイント下回ります。北関東では埼玉県25.0%、栃木県23.3%、茨城県21.8%を下回り、4県の中で最も低くなっています。

30代のNISA口座開設率はどれくらいですか

群馬県の30歳代は28.0%で、全国35.0%、東京都44.6%を下回ります。東京都との差は16.6ポイントで、年齢層のなかで最も大きくなっています。30歳代だけの全国順位は39位です。

出典

  • 金融庁「NISA口座の利用状況調査」都道府県別・年齢別NISA口座数(2025年6月末時点)
  • 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和7年住民基本台帳年齢階級別人口(都道府県別・総計、2025年1月1日現在)
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」統計表ID 0003426933(2020〜2023年)

開設率は、NISA口座数を対応する人口で除して当サイトが算出しました。

データダウンロード

本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。

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関連ページ

更新履歴

2026年9月24日 冒頭の段落を追加
2026年9月24日 Q&Aと内部リンクを追加
2026年9月22日 公式窓口へのリンクを追加
2026年9月21日 限界と誤解を整理
2026年8月25日 年齢層別の開設率を追加。構成比のみでは人口構成の影響を分離できないため、年齢層別の人口で除した開設率を算出し、「この数字をどう読むか」の解釈を修正
2026年8月24日 公開