前橋・群馬の賃金|東京との年収差は183.5万円、50代前半で最大【2025年版】

群馬県の一般労働者の年収は494.5万円で、東京都678.0万円との差は年183.5万円(2025年)。20〜24歳では群馬359.6万円、東京388.2万円で差は年28.6万円にとどまり、月額の差は50〜54歳の14.6万円が最も大きい。年齢階級別の月額給与と年収を、群馬・埼玉・東京で表で比べた。

前橋市から20代前半が出ていく。前回のデータでそれが分かりました。では、賃金はどうなのか。

答えは、少し意外なものでした。20〜24歳の年収は、群馬県359.6万円に対して東京都388.2万円。その差は年間28.6万円、月にすれば2.4万円です。19歳以下は2023年まで群馬のほうが高かったのですが、2025年は東京が上回りました。

差がはっきり開くのは、その後です。50〜54歳では月14.6万円の差がつきます。

本ページでは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」をもとに、群馬県の賃金水準を東京都・埼玉県と比較して定点観測します。

最終更新日:2026年9月24日
次回更新予定:最新年の統計公表後
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2020年〜2025年)
対象:一般労働者、男女計、企業規模計(10人以上)、産業計

結論:3行でわかる群馬の賃金

20〜24歳の年収差は東京都と年28.6万円。月あたり2.4万円にとどまる。19歳以下は2023年まで群馬のほうが高かったが、2025年は東京が10.3千円上回った。

差は年齢とともに開き、50〜54歳の月14.6万円が最大。55〜59歳は13.4万円に縮む。年齢計では年183.5万円になる。

賃金の伸び幅は群馬1.29倍に対し東京1.53倍。入口の額ではなく、その後の傾きが違っている。

20〜24歳の年収差は、東京都との比較で年28.6万円。月あたり2.4万円にとどまります。

19歳以下では、2023年までは群馬県のほうが東京都より高かった。2025年は群馬県232.1千円、東京都242.4千円で、東京が上回っています。それでも入口の差は小さいままです。

年齢が上がるにつれて差は開き、50〜54歳で月14.6万円に達します。55〜59歳は13.4万円とやや縮みます。賃金の伸び幅は群馬1.29倍に対し、東京1.53倍です。

本ページの対象範囲について

はじめに、扱う数字の範囲を明確にしておきます。

賃金構造基本統計調査は都道府県単位までの集計であり、前橋市単独の賃金は公表されていません。本ページの「群馬県」の数値は、前橋市の実態と完全に一致するものではありません。市町村単位の所得水準については、別途「市町村税課税状況等の調」を用いた分析を予定しています。

また、本調査の対象は一般労働者(短時間労働者を除く)で、企業規模10人以上の事業所です。「きまって支給する現金給与額」は残業代等を含み、税・社会保険料を差し引く前の額です。

賃金の差は、入口ではなく その後に開く

群馬県と東京都の年齢階級別賃金カーブ(2025年)。19歳以下から東京が上回り、50〜54歳で月14.6万円の差が最大、55〜59歳は13.4万円
年齢階級別のきまって支給する現金給与額(群馬県と東京都、2025年)
20〜24歳の年収差 28.6万円 東京都との差。月2.4万円
50〜54歳の月額差 14.6万円 最大。55〜59歳は13.4万円に縮む
賃金の伸び幅 1.29倍 東京は1.53倍。傾きが違う

2025年の年齢階級別に、月額の「きまって支給する現金給与額」を並べると、はっきりした形が現れます。

年齢階級群馬県埼玉県東京都
〜19歳232.1227.3242.4
20〜24歳262.0263.0292.9
25〜29歳301.4307.5348.6
30〜34歳319.2337.1408.9
35〜39歳331.1361.0454.7
40〜44歳355.6379.2496.4
45〜49歳376.5391.8517.2
50〜54歳371.7389.1517.7
55〜59歳391.7402.6526.1
60〜64歳303.7343.2440.0

単位:千円/月

19歳以下では、群馬県が232.1千円、東京都が242.4千円。東京のほうが10.3千円高くなっています。2023年は群馬のほうが10.9千円高く、順序が入れ替わりました。

20〜24歳では東京が30.9千円上回ります。そこから差は年齢とともに広がり、50〜54歳で146.0千円に達します。55〜59歳は134.4千円で、やや縮みます。

差の広がり方

群馬県と東京都の月額賃金差(2025年)。19歳以下の月1.0万円から開き、50〜54歳の月14.6万円が最大、55〜59歳は13.4万円
東京都との月額賃金差(年齢階級別、2025年)

東京都と群馬県の差を年齢階級ごとに取り出すと、10代から東京が上回り、40代前半まで開いていきます。40代は140千円前後で並び、50〜54歳の146.0千円が最大。55〜59歳で134.4千円に縮みます。2023年は一度も縮まることなく開いていましたが、2025年はそうなっていません。

40代で月14万円台、50代前半で月14.6万円。20代前半の3.1万円と比べると、4倍以上の開きです。

賃金の伸び幅を数字にすると、次のようになります。

群馬県:年齢計 ÷ 20〜24歳 = 1.29倍
埼玉県:同 = 1.36倍
東京都:同 = 1.53倍

2023年は群馬と埼玉がともに1.36倍でしたが、2025年は群馬が1.29倍に下がりました。20〜24歳の月額が239.9千円から262.0千円に上がったためです。東京だけが大きく伸びている点は変わりません。

年収で見ると、どうなるか

群馬県と東京都の年収比較(2025年)。20〜24歳は年28.6万円差、年齢計では183.5万円の差になる
年収に換算した比較(群馬県と東京都、2025年)

月額に賞与を加えて年収換算すると、次のとおりです。

年齢階級群馬県埼玉県東京都東京−群馬
20〜24歳359.6356.1388.2+28.6
25〜29歳432.8439.1500.2+67.4
35〜39歳485.3525.0684.2+198.9
年齢計494.5513.6678.0+183.5

単位:万円(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)

20〜24歳の差は年28.6万円。年齢計では183.5万円で、およそ6倍の開きになります。

なお、20〜24歳の年間賞与に限れば、群馬県が451.9千円、東京都が367.7千円で、群馬のほうが84.2千円多くなっています(2025年)。若年層の賞与水準では、いまも群馬が上回っています。

20〜24歳の賃金差は、縮まっているのか

年群馬県東京都差
2020年219.7244.3+24.6
2021年239.5250.4+10.9
2022年233.6265.9+32.3
2023年239.9266.2+26.3
2024年245.1276.1+31.0
2025年262.0292.9+30.9

単位:千円/月

2024年は31.0千円、2025年は30.9千円でした。6年間では10.9千円から32.3千円まで振れており、明確な方向性は読み取れません。

この数字をどう読むか

以下は運営者による解釈です。前節までの事実と区別してお読みください。

若者は「いまの額」ではなく「傾き」を見ているのではないか

前回のデータでは、前橋市の20〜24歳が年間486人の転出超過でした。首都圏への流出がその大半を占めています。

しかし本ページで見たとおり、20代前半の賃金差は月2〜3万円台です。生活コストの記事で確認したとおり、前橋市の物価は52都市で最も低く、住居に限れば群馬89.5に対し東京129.8で1.45倍の開きがあります(2025年)。可処分所得では前橋のほうが有利になる可能性すらあります。それでも人は出ていく。

東京との比較の記事では、個人の年収差183.5万円に対し、世帯の可処分所得の差が月3,633円にとどまることを示しました。消費支出を引くと、前橋のほうが年14.5万円多く残ります。

とすれば、若者が見ているのは足元の給与額ではないのではないか。10年後、20年後にどこまで伸びるかという傾きのほうを見ているのではないか。この解釈が、データとは整合します。

ただし本データは賃金のみを扱っており、実際の転職・移住の動機を測ったものではありません。断定はできません。

採用の現場に対する含意

この解釈が正しいとすれば、企業の打ち手は変わります。

初任給を数万円引き上げても、20代前半の差はもともと小さいため、決め手になりにくい。むしろ効くのは、入社後10年、20年で給与がどう変わるのかを、具体的に示せるかどうかです。

昇給モデル、等級制度、退職金や企業年金を含めた生涯の見通し。これらを提示できる企業は、賃金の絶対額で劣っていても選ばれる余地があります。

この論点は、本サイトの「ヒト(雇用・福利厚生)」および「カネ(資産形成)」で扱います。なお求人の記事では、前橋の有効求人倍率が2025年の12か月すべてで県平均を下回り、その差は業種構成ではなく求人の総量から生じていることを確認しました。

前橋で働くのページで、求人・賃金・働き方の数字をまとめました。20〜24歳の年収差は年28.6万円、非正規比率は全国より11.1ポイント低い。それでもその年代だけが486人の転出超過です。

女性の就業の記事で、前橋市の男女の労働力率の差が20〜24歳では1.56ポイントしかなく、30〜34歳で17.20ポイントに開くことを示した。

中高年層の差が意味すること

50代前半で月14.6万円、50代後半で月13.4万円の差があるということは、Uターンを検討する中高年にとって、前橋への移住は年間100万円以上の収入減を意味する可能性があります。

前回のデータで、前橋市は65歳以上の転入超過が大きい一方、40〜50代の転入超過は小幅にとどまっていました。この賃金構造は、その説明の一部になり得ます。

高齢者の就業の記事で、前橋市の65〜69歳の男性の労働力率が62.73%で、65歳以上の男性の非正規比率が69.7%であることを示した。

このデータの限界

  • 賃金構造基本統計調査は都道府県単位までの集計で、前橋市単独の賃金は公表されていない。本ページの「群馬県」の数値は、前橋市の実態と完全に一致するものではない。
  • 対象は一般労働者(短時間労働者を除く)、男女計、企業規模計(10人以上)、産業計である。パートやアルバイトは含まない。
  • 「きまって支給する現金給与額」は超過労働給与額を含み、税・社会保険料等を控除する前の額である。手取りではない。
  • 年収換算は、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えた当サイトの算出値である。実際の年収とは異なる場合がある。
  • 産業計の平均であり、産業によって水準は大きく異なる。
  • 同じ年齢階級のなかでも、勤続年数や役職によって差がある。この統計に、その内訳はない。
  • 市町村単位の所得水準は課税対象所得の記事で扱っている。

よくある誤解

「地方は給料が安いから若者が出ていく」

20代前半に限れば、年収の差は年28.6万円、月2.4万円です(2025年)。この額だけで説明するのは無理があります。19歳以下は2023年まで群馬のほうが高く、20〜24歳の年間賞与はいまも群馬が上回っています。「入口の給料が安いから出ていく」という説明は、少なくとも群馬県のデータには当てはまりません。

「東京は物価が高いから実質は同じ」

20代前半についてはその可能性があります。年28.6万円の差は、家賃差で相殺され得る水準です。ただし年齢計では183.5万円の差があり、この規模になると物価差だけで説明するのは難しくなります。

「賃金の差は年齢に関係なく一定だ」

違います。20代前半は年28.6万円(月2.4万円)ですが、年齢計では183.5万円の差があります。

Q&A

Q. 群馬県の平均賃金はいくらですか。

2025年の「きまって支給する現金給与額」は月338.6千円です。年間賞与を加えた年収換算では494.5万円になります。一般労働者、男女計、企業規模10人以上、産業計の数値です。

Q. 東京都との賃金差はどのくらいですか。

年齢計で年間183.5万円です(2025年)。ただし年齢によって大きく異なり、20〜24歳では28.6万円、50〜54歳では月14.6万円(年換算で約175万円)の差があります。

Q. 前橋市の賃金はいくらですか。

賃金構造基本統計調査は都道府県単位までの集計のため、前橋市単独の数値は公表されていません。市町村単位の所得水準については、別途分析を予定しています。

Q. 20代の賃金は東京とどのくらい違いますか。

20〜24歳で年28.6万円、25〜29歳で年67.4万円です(2025年)。19歳以下は2023年まで群馬県のほうが高かったものの、2025年は東京都が月10.3千円上回っています。

Q. なぜ年齢が上がると差が開くのですか。

本データからは理由を特定できません。産業構成、企業規模、職種の違いなど複数の要因が考えられます。要因分解は稿を改めて検証します。

Q. このデータはいつ更新されますか。調査の概要と公表の予定は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査のページで確認できます。

賃金構造基本統計調査の結果公表後に更新します。本ページは2025年時点のデータです。

Q. 群馬の年収は年齢別にいくらですか。

2025年の年収換算で、20〜24歳が359.6万円、25〜29歳が432.8万円、35〜39歳が485.3万円、年齢計が494.5万円です。きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与を加えた当サイトの算出値です。

Q. 群馬で賞与が東京より多い年代はありますか。

20〜24歳の年間賞与は群馬県451.9千円、東京都367.7千円で、群馬のほうが84.2千円多くなっています(2025年)。

出典・データの取り扱い

出典

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2年以降 一般都道府県別年齢階級別(統計表ID 0003426933)2020年〜2023年、令和6年・令和7年 一般労働者 都道府県別第1表(2024年・2025年)

注記

対象は一般労働者(短時間労働者を除く)、男女計、企業規模計(10人以上)、産業計です。

「きまって支給する現金給与額」は、超過労働給与額を含み、税・社会保険料等を控除する前の額です。

年収換算は、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えたものです。実際の年収とは異なる場合があります。

本調査は都道府県単位の集計であり、前橋市単独の数値ではありません。

グラフはすべて、公表数値をもとに当サイトが作成したものです。

二次利用について

本サイトが作成した図表および整理済みデータは、出典を明記いただければ自由にご利用いただけます(CC BY 4.0)。

データダウンロード

本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。

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①年齢階級別 月額給与 群馬・埼玉・東京(2025年)CSVを保存
②年収換算 群馬・埼玉・東京(2025年)CSVを保存
③20〜24歳の月額給与の推移 群馬・東京(2020〜2025年)CSVを保存

その他のデータはデータベースにまとめています。

関連ページ

更新履歴

2026年9月24日 2025年の賃金構造基本統計調査に更新(結論を見直し)
2026年9月24日 冒頭の段落を追加
2026年9月24日 Q&Aと内部リンクを追加
2026年9月22日 公式窓口へのリンクを追加
2026年9月21日 限界と誤解を整理
2026年8月7日 初版公開(2020〜2023年データ)