群馬の負債保有率46.2%は全国1位|純貯蓄は8割【2024年】

群馬県の負債保有率は46.2%で、47都道府県で最も高い。全国は41.4%。貯蓄現在高は1世帯当たり1,542万円で26位、貯蓄から負債を引いた純貯蓄は852万円で、全国1,052万円の8割にとどまる。47都道府県の負債保有率を表で示した。

NISAの記事で群馬県の口座開設率が20.8%で全国34位、iDeCoの記事で加入が1,000人当たり48人で全国23位であることを示した。どちらも制度の使用率の話である。

その手前が抜けていた。群馬の家計は、そもそもいくら持っていて、いくら借りているのか。

2026年8月28日に公表された令和6年全国家計構造調査で、都道府県別の数字が出た。5年ごとの調査で、これが最新である。見てみると、群馬には47都道府県で1位の項目があった。貯蓄ではない。

群馬県の負債保有率は46.2%で、47都道府県で最も高い。全国は41.4%。

貯蓄現在高は1,542万円で26位、有価証券保有率は27.8%で26位。どちらも中位で目立たない。

貯蓄から負債を引いた純貯蓄は852万円。全国の1,052万円の8割にとどまる。

対象範囲

総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」家計資産・負債に関する結果による。2024年10月・11月に実施された調査で、結果は2026年8月28日に公表された。1959年以来5年ごとに実施されており、令和6年調査は14回目にあたる。全国から無作為に選定した約9万世帯が対象である。

この記事の数値は、すべて二人以上の世帯・全世帯・世帯主の学歴は平均の区分である。単身世帯を含む総世帯の数値もあるが、世帯構成の違いに影響されやすいため、都道府県比較には二人以上の世帯を用いた。

この調査に市区町村別の集計はない。以下はすべて群馬県の数値であり、前橋市単独の数値ではない。純貯蓄と順位は当サイトが算出したもので、公表値ではない。

負債保有率46.2%は、47都道府県で1位

群馬県で負債を保有する世帯の割合は46.2%である(総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」表24-0)。全国は41.4%なので、4.8ポイント高い。47都道府県で最も高い。

負債保有率の上位5県と下位5県。群馬県46.2%が最高で、滋賀県45.4%、鹿児島県45.3%、静岡県44.7%、栃木県44.5%が続く。全国は41.4%
負債保有率の上位5県と下位5県(二人以上の世帯、2024年)
負債保有率 46.2% 47都道府県で1位(全国41.4%)
貯蓄現在高 1,542万円 26位で中位
純貯蓄(貯蓄−負債) 852万円 全国1,052万円の8割

2位は滋賀県45.4%、3位は鹿児島県45.3%、4位は静岡県44.7%、5位は栃木県44.5%。北関東では群馬と栃木がともに上位に入る。茨城も43.9%で全国を上回っている。

最も低いのは徳島県の29.9%で、群馬とは16.3ポイントの開きがある。次いで和歌山県33.6%、高知県36.5%と続く。

群馬の負債現在高は1世帯当たり690万円。そのうち85.7%にあたる591万円が、住宅・土地のための負債である。借りている先は主に家である。

47都道府県をすべて並べると、次のようになります。

順位都道府県負債保有率(%)
1群馬県46.2
2滋賀県45.4
3鹿児島県45.3
4静岡県44.7
5栃木県44.5
6岩手県43.9
6茨城県43.9
6鳥取県43.9
9宮崎県43.8
10宮城県43.7
11熊本県43.6
12神奈川県43.3
13埼玉県43.0
13大分県43.0
15千葉県42.7
15愛知県42.7
17青森県42.5
18山梨県42.1
19佐賀県42.0
20山形県41.8
20長野県41.8
20島根県41.8
23兵庫県41.7
24福岡県41.4
25石川県41.2
26山口県41.0
27岡山県40.9
28秋田県40.5
29新潟県40.4
29愛媛県40.4
31東京都40.3
32福島県40.2
33福井県40.1
33沖縄県40.1
35長崎県40.0
36広島県39.9
37岐阜県39.7
38富山県39.1
39大阪府39.0
40北海道38.4
41京都府38.0
42三重県37.8
43奈良県37.0
44香川県36.7
45高知県36.5
46和歌山県33.6
47徳島県29.9

貯蓄は26位。純貯蓄では差が開く

貯蓄のほうは目立たない。群馬の貯蓄現在高は1世帯当たり1,542万円で、47都道府県中26位。全国の1,723万円を10.5%下回る。

貯蓄が中位で負債が多いと、差し引きで開く。貯蓄から負債を引いた純貯蓄は群馬852万円、全国1,052万円。全国の81%にとどまり、順位は31位に下がる。

1世帯当たりの貯蓄現在高・負債現在高・純貯蓄の比較。群馬県は貯蓄15.4百万円、負債6.9百万円、純貯蓄8.5百万円で全国の10.5百万円を下回る
貯蓄・負債・純貯蓄の比較(二人以上の世帯、2024年)

近隣と比べると位置がはっきりする。栃木は貯蓄1,510万円と群馬より少ないが、負債が600万円と少ないため純貯蓄は910万円で群馬を上回る。茨城は貯蓄1,712万円・負債674万円で純貯蓄1,040万円。北関東3県のなかで、群馬の純貯蓄が最も少ない。

貯蓄の中身は現金に寄っている

貯蓄の内訳を見る。群馬の有価証券は1世帯当たり251万円で、全国の368万円の68.3%。株式は138万円(全国198万円)、投資信託は103万円(全国134万円)である。

貯蓄全体に占める有価証券の割合は、群馬16.3%、全国21.4%。一方で預貯金は970万円あり、全国1,033万円との差は6.1%にとどまる。差がついているのは預貯金ではなく有価証券である。

有価証券を保有する世帯の割合は27.8%で、47都道府県中26位。全国は30.8%。最も高いのは東京都41.6%、最も低いのは沖縄県13.8%である。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

物価の安さは、家を買いやすさに変換されている

生活コストの記事で、群馬の物価が全国最低で、住居に限れば群馬89.5に対し東京129.8と1.45倍の開きがあることを示した(2025年)。家が買いやすいということである。

今回の数字は、その裏側を示している。負債保有率が全国1位で、負債の85.7%が住宅・土地のためのもの。買いやすいから買っている、と読める。

ただし借入は資産形成の反対語ではない。住宅ローンを組んで家を持つことは、住宅・宅地という資産を持つことでもある。この記事の純貯蓄は金融資産から金融負債を引いたもので、住宅・宅地の価値は入っていない。数字が低く出るのは、計算の定義によるところが大きい。

NISAの数字と、きれいに整合している

NISAの記事で、群馬県のNISA口座開設率が20.8%で全国34位、東京都の32.8%とは12ポイントの差があることを示した。

今回の有価証券保有率は27.8%で26位、東京都は41.6%。別の調査、別の指標でありながら、順位も差の構図もほぼ同じ形になった。NISA口座の開設率は、有価証券を持つかどうかの傾向をよく捉えていたことになる。

NISAの記事で「稼ぐ額の差は小さくても、資産を増やす手段の使用率で差がつく」と書いた。今回の数字はそれを資産残高の側から裏づけている。預貯金の差は6.1%なのに、有価証券の差は31.7%ある。

借りている県が貯めている県、ではない

負債が多い県は所得や貯蓄も多いのではないか、という見方がありうる。借りられるだけの信用がある、という理屈である。

47都道府県で負債保有率と貯蓄現在高の相関係数を計算すると、-0.128だった。ほぼ無相関で、わずかに負である。借入の多さは、貯蓄の多さを伴っていない。

課税対象所得の記事で、前橋の納税義務者1人当たり課税対象所得が375万円で全国上位14%にあたることを示した。所得は悪くない。賃金の記事でも、20代前半の東京との差は月2.4万円だった。それでも純貯蓄は31位である。入ってくる額と、手元に残る額は別の話になっている。

このデータの限界

  • この調査に市区町村別の集計はない。前橋市単独の数値は分からない。
  • 純貯蓄(貯蓄現在高−負債現在高)と順位、相関係数は当サイトが算出した値である。公表値ではない。
  • 純貯蓄は金融資産から金融負債を引いたものである。住宅・宅地の資産価値は含まれない。持ち家が多い県ほど低く出る性質がある。
  • 調査は2024年10月・11月に実施された。それ以降の変動は反映されていない。
  • 5年ごとの調査であり、次回は令和11年調査になる。単年の変化は追えない。
  • 二人以上の世帯を対象としている。単身世帯を含む総世帯では数値が異なる。
  • 平均値である。中央値や分布は別の統計表で確認する必要がある。少数の高額世帯が平均を押し上げている可能性がある。
  • 負債保有率の高さの理由は、この調査からは特定できない。持ち家率、世帯年齢、住宅取得時期など複数の要因が考えられる。

よくある誤解

「負債保有率が高いのは家計が苦しい証拠」

そうとは限りません。群馬の負債の85.7%は住宅・土地のためのもので、住宅ローンを組んで家を持つことは資産を持つことでもあります。借入の理由と資産の内訳を見ずに、保有率だけで判断はできません。

「群馬は貯蓄が少ない県」

貯蓄現在高は26位で、中位です。全国を10.5%下回りますが、下位ではありません。差がついているのは貯蓄額そのものではなく、負債の多さと有価証券の少なさです。

「平均1,542万円も貯蓄があるわけがない」

平均値なので、少数の高額世帯に引き上げられます。二人以上の世帯が対象で、単身世帯は含みません。実感との差は、この2点から生じます。分布を見ると、平均を下回る世帯が69.1%を占めます。詳しくは貯蓄の分布の記事で扱いました。

Q&A

貯蓄には何が含まれますか

この調査の貯蓄現在高は金融資産残高を指し、預貯金、生命保険など、有価証券(貸付信託・金銭信託、株式、債券、投資信託)が含まれます。住宅・宅地といった実物資産は別項目です。

前橋市の数値は分かりますか

分かります。同じ調査の15万人以上の市を対象とした表に前橋市が含まれていました。前橋市の貯蓄現在高は1,781万円で、県内4市で最多です。詳しくは前橋市の貯蓄の記事で扱いました。ただし保有率と階級別分布は市レベルでは公表されていません。

家計調査の貯蓄額と数字が違います

別の調査です。家計調査は全国約9千世帯を対象に毎月実施され、四半期ごとに貯蓄・負債の結果を公表しています。全国家計構造調査は約9万世帯を対象とする5年ごとの調査で、都道府県別の精度が高くなります。目的も標本規模も異なるため、数値は一致しません。

中央値は分かりますか

この記事で使った表には含まれていません。同じ調査には貯蓄現在高階級別の表があるため、分布から確認できる可能性があります。今回は扱っていません。

次の更新はいつですか

全国家計構造調査は5年ごとです。次回は令和11年(2029年)調査となり、結果の公表は2031年ごろが見込まれます。調査の概要と結果は、総務省統計局の令和6年全国家計構造調査のページで確認できます。

群馬県の1世帯当たりの貯蓄はいくらですか

二人以上の世帯の貯蓄現在高は1,542万円で、47都道府県中26位です。全国の1,723万円を10.5%下回ります。負債現在高は690万円で、差し引いた純貯蓄は852万円です。

負債保有率が最も高い都道府県はどこですか

群馬県で、46.2%です。2位は滋賀県45.4%、3位は鹿児島県45.3%で、最も低いのは徳島県の29.9%です。群馬の負債の85.7%は、住宅・土地のためのものです。

出典

  • 総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」家計資産・負債に関する結果 表24-0(都道府県別)、表4-1(全国)/統計局

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㉙47都道府県の貯蓄・負債と保有率
(2024年)
総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」家計資産・負債に関する結果 表24-0・表4-1CSVを保存

更新履歴

  • 2026年9月24日 冒頭の段落を追加
  • 2026年9月24日 Q&Aと内部リンクを追加
  • 2026年9月21日 47都道府県の一覧表を追加
  • 2026年9月3日 公開