前橋市の人口は、2050年に27万人まで減る見通しです。
2020年から18%の減少で、県内の主要4市では最も速いペースでした。
結論
前橋市の総人口は2020年の332,149人から2050年に271,548人へ。60,601人減り、2020年比で81.8%になる。
高崎88.7%、伊勢崎90.2%、太田89.7%で、主要4市のなかで前橋が最も低い。県庁所在地が最も速く減ることになる。
高崎市との人口差は、2020年の40,824人から2050年には59,186人に広がる。
対象範囲
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」を使用しました。
公表は2023年12月22日です。
2020年の国勢調査を基準に、2050年までの5年ごと30年間について、男女・5歳階級別に推計されたものです。
推計値であり、実績ではありません。
推計の合計は「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位・死亡中位仮定の値と一致します。
2050年までの推移

| 地域 | 2020年 | 2035年 | 2050年 | 2050年の指数 |
|---|---|---|---|---|
| 前橋市 | 332,149 | 305,810 | 271,548 | 81.8 |
| 高崎市 | 372,973 | 356,745 | 330,734 | 88.7 |
| 伊勢崎市 | 211,850 | 205,283 | 190,997 | 90.2 |
| 太田市 | 223,014 | 215,251 | 200,120 | 89.7 |
| 群馬県計 | 1,939,110 | 1,746,216 | 1,520,630 | 78.4 |
指数は2020年を100としたものです。
前橋市は81.8で、高崎市との差は6.9ポイントあります。
減少の幅は年を追うごとに広がります。
2035年時点では前橋92.1、高崎95.7で差は3.6ポイントですが、2050年には6.9ポイントになります。
群馬県全体は78.4で、前橋市はこれを上回っています。
県内には人口の少ない町村が多く含まれるためです。
県内5市の総人口の推計を、5年ごとに並べる。
| 市 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 | 2045年 | 2050年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 前橋市 | 332,149 | 324,621 | 315,720 | 305,810 | 294,836 | 283,266 | 271,548 |
| 高崎市 | 372,973 | 369,221 | 363,458 | 356,745 | 348,825 | 340,034 | 330,734 |
| 伊勢崎市 | 211,850 | 210,617 | 208,381 | 205,283 | 201,248 | 196,438 | 190,997 |
| 太田市 | 223,014 | 221,868 | 219,038 | 215,251 | 210,680 | 205,600 | 200,120 |
| 桐生市 | 106,445 | 97,073 | 89,193 | 81,294 | 73,641 | 66,404 | 59,785 |
単位は人。2020年は国勢調査の値、2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所の推計(令和5年推計)である。
県内35市町村での位置
群馬県内の35市町村について、2050年の指数が高い順に並べると、前橋市は7位でした。
県内35市町村をすべて並べると、次のようになります。
| 順位 | 市町村 | 2050年の指数 |
|---|---|---|
| 1 | 吉岡町 | 101.7 |
| 2 | 伊勢崎市 | 90.2 |
| 3 | 太田市 | 89.7 |
| 4 | 高崎市 | 88.7 |
| 5 | 榛東村 | 86.3 |
| 6 | 大泉町 | 85.4 |
| 7 | 前橋市 | 81.8 |
| 8 | 明和町 | 75.7 |
| 9 | 館林市 | 75.6 |
| 10 | 千代田町 | 72.5 |
| 11 | みどり市 | 72.0 |
| 12 | 昭和村 | 71.9 |
| 13 | 玉村町 | 71.4 |
| 14 | 邑楽町 | 69.9 |
| 15 | 藤岡市 | 67.0 |
| 16 | 高山村 | 66.4 |
| 17 | 富岡市 | 64.0 |
| 18 | 甘楽町 | 63.3 |
| 19 | 安中市 | 63.2 |
| 20 | 川場村 | 62.2 |
| 21 | 板倉町 | 61.9 |
| 22 | 渋川市 | 60.2 |
| 23 | 沼田市 | 60.0 |
| 24 | 桐生市 | 56.2 |
| 25 | 嬬恋村 | 56.1 |
| 26 | 草津町 | 56.0 |
| 27 | 中之条町 | 54.3 |
| 28 | 長野原町 | 52.6 |
| 29 | 上野村 | 52.2 |
| 30 | 東吾妻町 | 47.2 |
| 31 | みなかみ町 | 46.8 |
| 32 | 片品村 | 44.6 |
| 33 | 下仁田町 | 34.5 |
| 34 | 神流町 | 30.3 |
| 35 | 南牧村 | 25.2 |
2050年に人口を増やすと推計されているのは、県内で吉岡町だけです。101.7で、2020年より増えます。
吉岡町は前橋市の北西に隣接する町です。
下位には山間部の町村が並びます。
南牧村は25.2で、30年間で人口が4分の1になる推計でした。
この数字をどう読むか
ここからは解釈です。
県庁所在地が主要4市で最も速く減る、という結果は直感に反します。
ただし当サイトの人口の記事で確認したとおり、前橋市は毎年の社会増減では転入超過でした。転出しているのは20〜24歳のみです。
転入超過でも人口が減るのは、自然減が社会増を上回るためです。
そして20代前半で人口が抜けることは、その後の出生数に影響します。子どもを産む年代の人口そのものが減るからです。
吉岡町が唯一増える見通しである点も、同じ文脈で読めます。
前橋市と高崎市に挟まれた立地で、両市に通勤できる住宅地としての性格を持ちます。
子育て世代が住む場所として選ばれれば、出生数は維持されます。
ただし、この推計は2020年の国勢調査を基準としたものです。
その後の政策や社会状況の変化は織り込まれていません。
推計は「このまま推移した場合」を示すものであり、決まった未来ではありません。
抜けている年代については、その後いくつかの記事で扱いました。
若年層の記事では、20〜24歳の非正規比率が前橋29.3%・全国40.4%で11.1ポイント低く、待遇では流出を説明できないことを示しました。
大学の記事では、群馬の高校を卒業した大学入学者のうち県内進学が34.6%で、県外に出た5,802人の73.7%が首都圏に向かっています。
出生の側も見ています。
子育ての記事では、前橋市の合計特殊出生率が1.41で全国1.33・群馬1.38を上回り、待機児童は0人でした。
ただし産む世代の人口そのものが減れば、率が保たれても出生数は減ります。
住む場所としての条件は持ち家の記事や地価の記事で扱いました。前橋の住宅地は43年前より30%安く、持ち家率は15年で5.9ポイント上がっています。
全記事を横断した整理は5つの構造の記事にまとめました。
このデータの限界
- 推計値であり、実績ではありません。基準となる2020年国勢調査以降の実際の人口動態は反映されていません。
- 本記事で扱ったのは総人口のみです。年齢構成の変化、とくに高齢化率や生産年齢人口の推移は扱っていません。
- 推計は5年ごとに更新されます。次回は2025年国勢調査を基準とした推計が公表される予定です。
- 公表は2023年12月22日です。基準となる国勢調査の年から公表まで間があります。
- 推計は男女・5歳階級別に、2050年までの5年ごと30年間について行われたものです。5年刻みの値であり、各年の値は分かりません。
- 推計の合計は「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位・死亡中位仮定の値と一致します。別の仮定を置けば結果は変わります。
- 減少率は、公表されている推計人口をもとに当サイトが算出した値です。公表値ではありません。
よくある誤解
「転入超過なら人口は減らない」
とは限りません。自然減が社会増を上回れば、総人口は減ります。
「推計は予測だ」
推計は予測ではありません。一定の仮定のもとで計算された値であり、政策や社会状況が変われば結果も変わります。
「人口が減るのは前橋だけだ」
そうではありません。前橋は県内主要4市で最も速いペースですが、減ること自体は4市に共通します。
Q&A
なぜ2020年が基準なのですか
推計は国勢調査を基準に行われ、令和5年推計は2020年国勢調査を用いているためです。
2050年より先の推計はありますか
市区町村別は2050年までです。
2070年までの推計は全国のみで公表されています。市の人口の見通しと対策は、前橋市の第3期県都まえばし創生プラン(前橋版人口ビジョン・総合戦略)を策定しましたのページで確認できます。
高齢化率はどうなりますか
本記事では扱っていません。
同じ推計に年齢3区分別のデータがあるため、別の記事で扱う予定です。
出典
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」結果表1(2023年12月22日公表)
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| ⑭ | 県内35市町村の将来推計人口 (2020〜2050年) | 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」結果表1 | CSVを保存 |
更新履歴
2026年9月22日 一覧表と公式ページへのリンクを追加
2026年9月21日 県内35市町村の一覧表を追加、配布データを35市町村に拡充
2026年9月21日 限界と誤解を整理
2026年8月26日 公開
