前橋で家を買うとき、土地はいくらか、どれだけの人が買っているのか、将来どうなるのか。
このページでは、当サイトが公的統計から確かめてきた数字をまとめる。不動産の相場情報ではなく、市全体の傾向を示すものである。
住宅地の地価は1㎡あたり51,537円。43年前より30%安い。
持ち家率は68.6%で、全国が下がるなか15年で5.9ポイント上がった。
ただし新しく建つ家ほど狭く、2050年には人口が18%減る。
このページについて
新しいデータは扱わない。すべて当サイトの既存記事で示した数値で、各項目から元の記事にリンクしている。出典や算出の方法はそちらで確認できる。
個別の物件の価格や、地域ごとの相場は扱わない。この記事の数字は市全体の平均や傾向である。実際の購入では、場所や条件によって大きく変わる。
また、当サイトは不動産の売買に関わっていない。特定の物件や事業者を推奨することはしない。
土地はいくらか
地価の記事で示したとおり、前橋市の住宅地は1㎡あたり51,537円。ピークだった1995年の131,533円から60.8%下がった。
1983年の73,758円も下回っている。43年前より30%安い。1983年の水準を割ったのは2005年で、それ以降は戻っていない。
ただし2015年以降は動いていない。51,000円台で11年間ほぼ横ばいである。
県内での位置
| 市 | 住宅地(円/㎡) | 商業地は住宅地の |
|---|---|---|
| 高崎市 | 58,327 | 2.35倍 |
| 前橋市 | 51,537 | 1.36倍 |
| 太田市 | 36,186 | 1.78倍 |
| 伊勢崎市 | 33,043 | 1.27倍 |
| 桐生市 | 25,673 | 1.31倍 |
住宅地では県内2位。標準地のある28市町村のなかでも2位である。高崎の88%で、3位の太田とは1.42倍の差がある。
ただし用途で見え方が変わる。商業地は高崎137,157円に対し前橋70,135円で、1.96倍の差。住むための土地は近く、商売をする土地は遠い。
どれだけの人が買っているか
持ち家の記事によれば、持ち家率は68.6%。全国60.9%を7.7ポイント上回る。
動きも逆を向いている。前橋は15年で5.9ポイント上がったが、同じ期間に全国は0.3ポイント下がった。
新しく建つ住宅も持ち家に寄っている。建築物の記事では、2020〜2024年の新設住宅9,758戸のうち持家が47.5%。全国30.0%の1.58倍である。
逆に貸家は25.2%で、全国40.0%の0.63倍。貸家が建ちにくい市である。
ただし分譲は増えている。2011〜2015年の14.6%から、2020〜2024年には26.8%へ。
住宅ローンの負担
持ち家の記事で示した返済額は、月37,805円。全国の1.16倍である。
ただし可処分所得に占める割合で見ると、前橋6.9%、全国6.8%。ほとんど変わらない。
収入の側は所得の記事と東京との比較の記事で扱った。課税対象所得は1人当たり375万9,500円で全国234位、上位14%。世帯の可処分所得は東京と月3,633円しか違わない。
ただし支出も少なくない。家計収支の記事では、消費支出が月325,546円で全国301,797円を23,749円上回っていた。集計世帯数が140世帯なので、費目別の内訳は振れが大きい。
負債の中身
負債に占める住宅・土地の割合は、世帯の区分で順序が入れ替わる。
| 世帯区分 | 前橋市 | 群馬県 |
|---|---|---|
| 全世帯 | 79.8% | 85.7% |
| 勤労者世帯 | 93.8% | 91.0% |
全世帯では前橋が群馬を5.9ポイント下回るのに、勤労者世帯では2.8ポイント上回る。
理由は住宅・土地以外の負債にある。前橋1,316千円に対し群馬541千円で、2.43倍。この差が全世帯の割合を押し下げていた。
どんな家が建っているか
住まいの記事によれば、持ち家は1住宅当たり124.97㎡。全国118.25㎡を上回る。借家49.22㎡の2.54倍である。
ただし新しく建った家ほど狭い。1970年以前の116.83㎡から、2021年以降は91.95㎡へ。21.3%狭くなっている。
もっとも、これは取り壊されずに残った古い家が大きいという見方もできる。小さい家から先に建て替えられれば、古い年代の平均は上がる。
中古を買う場合
1980年以前に建てられた住宅、いわゆる旧耐震は26,230戸で全体の18.4%。全国19.8%、高崎17.7%とほぼ同じ水準である。
ただし耐震診断はあまり進んでいない。2019年以降に診断を受けた持ち家は8,580戸で8.75%。全国12.01%、高崎10.22%を下回る。
改修工事をした持ち家は1,290戸で1.32%。旧耐震の26,230戸に対して4.9%にあたる。
高齢者向けの設備も限られる。段差のない屋内は持ち家26.6%、手すりは57.5%、車いすで通れる幅の廊下は17.8%だった。
使える制度
支援制度の記事でまとめたとおり、市の制度がいくつかある。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 移住支援金 | 世帯100万円・単身60万円 18歳未満1人につき50万円加算 |
| 空き家リフォーム補助 | 工事費の3分の1以内・上限100万円 |
| 子どもの医療費 | 高校生世代まで無料 |
| 学校給食費 | 市立小中学校は無償 |
条件や申請期限は年度によって変わる。実際の利用にあたっては、必ず前橋市の公式サイトでご確認いただきたい。
気になる点
家は30年、40年と使うものである。いまの数字だけでなく、先の数字も判断材料になる。
人口が減る
将来人口の記事によれば、2020年の332,149人から2050年に271,548人へ。60,601人減り、2020年比81.8%になる。
高崎88.7%、伊勢崎90.2%、太田89.7%。主要4市のなかで前橋が最も低い。
高齢化率の記事では、2050年に39.7%まで上がる推計も示した。ただし65歳以上は7.3%しか増えず、15〜64歳が28.4%減ることによるものである。
空き家は増えうる
空き家の記事で示した空き家率は15.2%。全国13.8%を上回るが、群馬県16.7%は下回る。
中身は賃貸用が58.1%。アパートの空室である。賃貸・売却用などを除くと前橋5.3%で、高崎7.1%を下回る。
ただし人口が18%減れば、住宅の数が変わらない限り空き家率は上がる。
インフラの維持
上下水道の記事によれば、水道は料金回収率103.9%で賄えている。ところが下水道の経費回収率は76.4%で県内5市の最下位。5年前の83.3%から下がり続けている。
水道管の更新率は0.63%。全部を入れ替えるのに159年かかる計算になる。法定耐用年数は40年である。
下水道料金は2020年以降据え置かれている。いまの負担を抑えれば、将来の負担が増える。
場所によって差がある
小学校の記事では、市立小48校のうち4年間で35校の児童が減り、11校で増えていた。最も減ったのは25.3%減、最も増えたのは13.4%増。同じ市内で38.7ポイントの開きがある。
旧町村部の減り方は旧市域の2.6倍だった。
この記事の数字は市全体の平均である。実際にどこに住むかで、条件は変わる。
まとめ
| 項目 | 数字 | 読み方 |
|---|---|---|
| 住宅地の地価 | 51,537円/㎡ | 県内2位だが43年前より安い |
| 持ち家率 | 68.6% | 全国が下がるなか上昇 |
| 新設住宅の持家 | 47.5% | 全国30.0%の1.58倍 |
| ローン返済 | 月37,805円 | 可処分所得比は全国並み |
| 持ち家の広さ | 124.97㎡ | 新しい家ほど狭い |
| 耐震診断 | 8.75% | 全国12.01%を下回る |
| 2050年の人口 | −18% | 県内主要4市で最速 |
| 下水道の回収率 | 76.4% | 県内5市で最下位 |
買いやすい条件はそろっている。土地が安く、持ち家率は上がり続け、新しく建つ住宅の半分近くが持家である。
ただし先の数字は楽ではない。人口が減り、インフラは古くなり、耐震の備えも進んでいない。
全記事を横断した整理は5つの構造、暮らし全般は住みやすさのページにまとめている。
このページの限界
- このページに新しいデータはない。すべて既存の記事で示した数値で、出典と算出の方法は各記事で確認できる。
- 個別の物件の価格や、地域ごとの相場は扱っていない。この記事の数字は市全体の平均や傾向である。
- 地価公示は標準地の価格であり、実際の取引価格ではない。専門家が評価した価格である。
- 年次が揃っていない。2020年の国勢調査、2023年の住宅・土地統計調査、2026年の地価公示など、調査によって時点が異なる。
- 家計の数値は集計世帯数が140世帯で、費目別の内訳は振れが大きい。
- 支援制度の内容や条件は年度によって変わる。実際の利用にあたっては前橋市の公式サイトで確認が必要である。
- 市域は広く、旧町村部と旧市域では条件が違う。地域内の分布はこの記事では扱っていない。
- 当サイトは不動産の売買に関わっておらず、特定の物件や事業者を推奨しない。
Q&A
前橋の土地は高いですか
住宅地は1㎡あたり51,537円で県内2位です。高崎58,327円の88%、3位の太田36,186円の1.42倍。県内では高いほうに入りますが、1995年のピークからは60.8%下がっており、1983年の水準も下回っています。
なぜ持ち家率が上がっているのですか
この統計からは分かりません。土地が安いこと、通勤・通学の76.4%が自家用車であること、貸家が建ちにくいことなど、複数の要因が考えられます。因果関係は確かめられていません。
中古住宅を買うとき、注意する点はありますか
統計から言えるのは、1980年以前の旧耐震が18.4%あり、耐震診断を受けた持ち家は8.75%にとどまることです。全国12.01%を下回ります。個別の物件については専門家にご相談ください。
具体的な物件を探すには
当サイトでは扱っていません。地価公示の標準地は国土交通省の不動産情報ライブラリで検索できます。
支援制度の申請方法は
制度の内容や条件は年度によって変わるため、前橋市の公式サイトでご確認ください。当サイトの支援制度の記事は2026年度時点の情報です。
このページは更新されますか
元になる記事が更新されれば、あわせて見直します。地価公示は毎年3月、住宅・土地統計調査は5年ごとに公表されます。
出典
このページで参照した数値の出典は、リンク先の各記事に記載しています。主な調査は次のとおりです。
- 国土交通省「地価公示」「建築着工統計調査」
- 総務省「住宅・土地統計調査」「全国家計構造調査」「市町村税課税状況等の調」「経営比較分析表」
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
- 前橋市(支援制度・学校基本調査)
更新履歴
- 2026年9月15日 公開
