子どもを産み育てやすい環境|出生数は16年で41.3%減【提言】

この記事の要点

データで分かること(事実)

  • 前橋市の出生数は2025年に1,680人で、2009年の2,862人から41.3%減った。合計特殊出生率は1.41(2018〜2022年)で、全国1.33・群馬県1.38より高い。
  • 待機児童は0人(2026年4月1日)で、保育の定員には空きがある。一方、病児・病後児保育の利用は計画の見込み5,111人日に対し1,003人日(19.6%、2024年度)だった。
  • 子連れで行ける公共施設24か所のうち、雨の日も使える屋内は13か所。その7か所を占める児童館は日曜・祝日が休館。

当サイトの提言(意見)の選択肢

  1. 病児保育の予約と空き情報を、スマートフォンで分かるようにする
  2. 病児保育を、近くの市との相互利用と送迎で使いやすくする
  3. 日曜・祝日に開いている屋内の遊び場を、今ある施設で増やす
  4. 保育の空き定員を、地区ごとに一時預かりなどへ生かす
  5. 「子育てのしやすさ」を事業ごとに測る

子どもを産み育てやすい環境を考える、「前橋のこれから」の提言の1本です(「前橋のこれから」の一覧)。

出生・保育・遊び場の数字と、市・県・ほかの地域の資料を1〜4に、当サイトの意見を5に、反対の見方と限界を6に分けました。結婚や出産をするかどうかは一人ひとりが決めることで、この記事は子育てを支える環境とサービスに絞って考えます。

1 出生数は16年で41.3%減、保育の定員には空き(事実)

値・年・対象は、当サイトの各記事(公開準備中を含む)の本文のままである。

出生数は減り、出生率は全国より高い

前橋市の出生数(2009〜2025年)。2009年2,862人、2014年2,516人、2019年2,212人、2024年1,781人、2025年1,680人
前橋市の出生数(2009〜2025年)。出典は出生数の記事

前橋市の出生数は2025年に1,680人で、2009年の2,862人から41.3%減り、この間で最も少ない。人口千人当たりの出生率も2004年の8.9から2024年の5.5に下がった(2025年の出生率は2026年11月以降に公表)。一方、合計特殊出生率は1.41(2018〜2022年)で、全国の1.33、群馬県の1.38より高い(子育ての記事)。

婚姻は2025年に1,210組で、1993年の2,226組から45.6%減った。婚姻率は2005年の5.5から2024年に3.7に下がり、全国の4.0(2024年)を下回る(結婚と離婚の記事、婚姻の記事)。

保育の定員には空きがあり、事業によって使われ方が違う

待機児童は2026年4月1日で0人。利用児童は2023年の8,024人をピークに2026年は7,620人、利用定員9,167人に対する充足率は83.1%になった。同じ期間に0〜5歳人口は17,576人から12,274人(2024年)へ30.2%減った(保育の記事)。

ただし、市の子ども・子育て支援事業計画で見ると、3〜5歳の保育の利用希望者数は5,250人で、計画の見込み4,618人の113.7%だった(2024年度)。市の第三期計画は、0〜2歳の受け皿について提供区域の間で不均衡が生じていると書いている。

地域子ども・子育て支援事業の計画の見込みに対する利用実績(2024年度)。地域子育て支援拠点事業90.8%、妊婦健康診査91.7%、乳児家庭全戸訪問事業90.3%、養育支援訪問事業93.9%、子育て短期支援事業146.7%、ファミリー・サポート・センター118.4%、一時預かり事業(幼稚園型)131.0%、一時預かり事業(その他)72.6%、延長保育事業105.3%、病児・病後児保育事業19.6%、放課後児童健全育成事業110.5%
地域の子育て支援事業の充足率(2024年度)。出典は子ども・子育て支援事業計画の記事(公開準備中)

地域の子育て支援の11事業では、見込み以上に使われたのが5事業、見込みより少なかったのが6事業だった。子育て短期支援は146.7%、一時預かり(幼稚園型)は131.0%、ファミリー・サポート・センターは118.4%。病児・病後児保育は見込み5,111人日に対し利用1,003人日で19.6%、受け皿の確保量実績は4,064人日だった。

雨の日・休日の遊び場

前橋市と群馬県が設置する公共の施設のうち、子連れで行けるのは24か所で、雨の日でも使える屋内は13か所(2026年9月、民間の施設は含まない)。屋内の13か所のうち7か所は児童館で、日曜・祝日は休館である。屋内の9か所は市立図書館本館から3キロ以内にあり、いちばん離れたかすかわ児童館は本館から約11キロ(子連れで行ける施設の記事、公開準備中)。都市公園の1人当たり面積は12.3㎡(2024年度末)で、政令市を含む全国計11.0㎡を上回り、政令市を除く都道府県計12.8㎡を下回る(公園の記事)。

このほか、子どもの医療費は高校生世代まで無料で、市立小中学校の給食費は無償化されている(支援制度の記事)。

2 受け皿の「量」から「使いやすさ」へ(解釈)

ここから先は、上の事実を重ねたときの当サイトの読み方である。統計で確かめられない部分は、そのように書く。

減っているのは「産む年代の人数」と「1人当たりの出生」

出生数の記事によると、2015年から2025年に前橋市の15〜49歳の女性は12.7%減り、出生数は35.0%減った。女性の人数の減少で説明できるのは出生数の減少の一部で、残りは女性1人当たりの出生の低下によるものと考えられる。前橋市の20〜24歳(日本人)は2025年に486人の転出超過だった(人口の記事)。子育ての環境を整えることと、若い世代が前橋に住み続けることは、つながった課題と当サイトは読む。

受け皿の「量」から「使いやすさ」へ

待機児童は0人で、保育の定員には空きがある。子育ての記事は、論点が受け皿の量から質や使い勝手に移っていると書いている。一方で3〜5歳の保育の希望は見込みを上回り、市は地区による偏りを指摘している。市全体の「空き」と、地区や時間帯ごとの「足りない」が同時にあると読める。

病児保育は、使われ方が特に少ない

11事業のなかで病児・病後児保育の19.6%は際立って低い。受け皿(4,064人日)より利用がずっと少ないので、枠の数より「知られていない」「予約しにくい」「場所が遠い」などが関係している可能性がある。ただし、前橋市の資料に理由は書かれておらず、確かめられていない。保育の記事は共働きの広がりで保育を使う家庭が増えたと見ており、30〜34歳の労働力率の男女差は17.20ポイントある。病気のときの預け先は、働きながら子育てする家庭に関わる。

休日の屋内の居場所が少ない

屋内の公共施設の半分以上を占める児童館は日曜・祝日が休館で、屋内の施設は中心部に集まる。家族で過ごすことの多い休日と雨の日に、郊外で使える屋内の場所が限られる。

3 こども計画と総合計画にある、子育ての指標

値は計画シリーズの記事(公開準備中)に書いたとおりである。

計画指標基準目標実績・判定
前橋市 総合計画 第2期(2021〜2024年度)結婚・出産・子育ての分野の11指標--◎3・○1・△7
同合計特殊出生率(補足指標)1.46(2019年)1.54(2024年)1.27(1年遅れの値)、△
同放課後児童クラブの利用者数4,143人5,163人5,587人
同希望の保育所・認定こども園に入所した割合(補足)-93%94.9%
前橋市こども計画(2026〜2029年度)病児・病後児保育事業の延べ利用者数(年間)1,003人(令和6年度)4,800人(令和11年度)計画の開始前
同放課後児童クラブの定員数5,976人(令和6年度)6,200人(令和11年度)計画の開始前

市の値と判定は前橋市の計画の目標と実績、こども計画の成果指標は子ども・子育て支援事業計画の記事による。

前橋市:結婚・出産・子育ての11指標のうち△が7

第2期(2021〜2024年度)の「結婚・出産・子育て」の分野は、判定のある11指標のうち△が7で、婚姻件数(基準1,496件、目標1,321件、実績1,260件)も△だった。合計特殊出生率の1.27は1年遅れの単年の値で、当サイトの1.41(5年間の値)とは期間が違う。

第3期の第2章「結婚・出産・子育て」は施策3・事業6・指標13件で、第3期の指標には合計特殊出生率がない(総合計画の解説、県と市の計画の比較)。2026年度からの前橋市こども計画は、病児・病後児保育の延べ利用者数を4,800人(令和11年度)に増やす成果指標を置いている。

群馬県:総合計画のKPIに出生率の指標はない

県の総合計画のKPI 59件には、人口・合計特殊出生率・転入超過の指標がない。子育てに関わるKPIとしては、Ⅳの柱に「子どもの居場所がある市町村数」がある(県と市の計画の比較、群馬県の総合計画の解説)。

4 病児保育・屋内の遊び場・子育て支援拠点の調査と結果

国・県・市が自ら公表した資料だけを使い、効果の数字があるかどうかを事例ごとに示す(報道や企業の資料は使っていない。2026年9月30日取得)。

事例公表者公表されている数字効果の数字
病児保育の全国調査こども家庭庁予約が埋まっている43.8%など手続きの負担が減った27.1%など(市町村の回答)。利用が増えたかの数字はない
病児保育(宇都宮市・広島市)こども家庭庁宇都宮市1,929人(令和4年度)、送迎あり公表されていない
地域子育て支援拠点(全国)こども家庭庁全国8,158か所、前橋市19か所公表されていない
屋内の遊び場(宇都宮市・福井市・郡山市)各市宇都宮市の施設は年間約9万人利用者の満足97.0%(郡山市)。子育てへの効果の数字はない
結婚支援(愛媛県ほか)内閣府お見合い実施率13%→29%成婚84組→116組。出生率への効果は示されていない
群馬県の総合戦略群馬県有給休暇取得率54.1%(後退D)産み育てやすさの指標は実績がまだない

病児保育:全国の調査(こども家庭庁)

病児保育の困りごと(予約が埋まっていて使えない43.8%、空き状況が分からない34.2%、事前登録が煩雑24.6%)と、使いたいのに使えていない理由(仕事を休めた・家族が対応した37.0%、利用方法が分からない35.7%、利用しやすい場所にない16.2%)
病児保育の困りごとと使わない理由(こども家庭庁の調査研究)

こども家庭庁の調査研究事業の報告書(令和6年3月、掲載ページ)は、保護者2,000人に病児保育について聞いた。住んでいる市町村の外の施設を使ったことがある人は46.7%。困ったことは「予約が埋まっていることが多く、利用したい時に利用できない」43.8%、「個別に施設に連絡しないと、予約の空き状況がわからない」34.2%、「利用前の事前登録手続きが煩雑」24.6%だった(PDF188頁)。

利用したことがない人が使えていない理由は、仕事を休めたなどで必要がなかった37.0%に次いで、「利用方法がわからない」35.7%、「利用しやすい場所に施設がない」16.2%だった(PDF189頁)。予約や空き情報のICTシステムがある市町村(70)に効果を聞くと、「市町村の事前登録に関する作業負担が軽減された」42.9%、「利用者の予約・キャンセルに伴う手続負担が減った」27.1%で、「特になし」も27.1%あった(PDF31頁)。システムで利用が増えたかという数字はない。施設の収支は、延べ利用人数100人未満で−949,436円、500人以上で−2,151,177円と、利用が多いほど赤字が大きかった(PDF189頁)。

病児保育:宇都宮市と広島市(同じ調査のヒアリング)

宇都宮市は6施設で、平成29年から送迎を組み込んでいる。令和4年度の利用者は1,929人で、コロナ禍の前は年間3,000人弱だった(PDF166頁)。広島市では令和5年4〜12月の延べ利用8,794人に対し、キャンセルが4,071人あった(PDF179頁)。送迎などの取り組みで利用がどれだけ変わったかという効果の数字は公表されていない。

地域子育て支援拠点(こども家庭庁)

親子が集い、相談できる「地域子育て支援拠点」は、令和7年度実施状況で全国8,158か所。前橋市は一般型15か所(5日型14、6〜7日型1)と連携型4か所の計19か所だった(PDF4頁)。事業の概要では、一般型の補助の基準額は5日型9,023千円、7日型11,154千円で、国・県・市が1/3ずつ負担する(掲載ページ)。利用した親子の不安が減ったかなどの効果の数字は公表されていない。

屋内の遊び場(宇都宮市・福井市・郡山市)

宇都宮市は「全天候型子どもの活動の場」の整備について(令和8年2月12日)で、既存の施設「ゆうあいひろば」は年間約9万人が使い、休日は定員の90%を超えるとした(3頁)。新しい場所は既存の市有施設を改修し、早期の供用開始と財政負担の軽減を見込む(8頁)。

福井市の中央公園子どもの遊び場整備事業は、屋根のある遊び広場で総事業費は約150,000千円(うち県補助100,000千円、国庫補助15,000千円)。郡山市の屋内子どもの遊び場の利用者アンケート(令和7年9〜10月、回答102名)では「とても満足・満足」が97.0%、郡山市外からの利用が31.4%、福島県外が11.7%だった。利用者数や満足度は公表されているが、子育てのしやすさや出生への効果の数字は公表されていない。

結婚支援と少子化対策の交付金(内閣府)

内閣府の効果検証の調査(平成27年12月、全291自治体)では、愛媛県の結婚支援で、データを使った紹介の仕組みの導入後にお見合い実施率が13%から29%に上がり、成婚は84組から116組、イベント経由は37組から59組に増えた(4頁)。

一方、同じ交付金について内閣府の行政事業レビューの評価結果は「全体に効果の測定が不十分と指摘せざるを得ない」とし、有識者からは「短期的には効果が出にくい」「究極的な政策効果(アウトカム)は合計特殊出生率の改善であるはず」との意見があった(1・2頁)。個々の事業の数字はあっても、出生率への効果は確かめられていない。

群馬県の総合戦略の評価

群馬県の令和6年度評価検証結果では、基本目標「群馬で家族を増やしたくなる」の指標「子どもを産み育てやすいと感じる保護者の割合」は、R5年度に調査し、目標はその結果を踏まえて設定予定で、実績の欄は空いている(7頁)。年次有給休暇取得率は57.6%(2022年度)から54.1%で、後退Dだった(7頁)。

前橋データラボ

確かめた資料では、利用者数や満足度、成婚の数は公表されていましたが、「子どもを産み育てやすくなったか」「出生が増えたか」を示す効果の数字は見つかりませんでした。

5 病児保育・日曜の遊び場・空き定員(当サイトの意見)

5は当サイトの意見です。1〜4の事実をもとに、子育てを支える環境とサービスについて、選択肢を5つ示します。どれも出生への効果が確かめられたものではなく、選ぶには費用と前提の検討が必要です。市のこども計画や県の取り組みを否定するものではありません。

選択肢1 病児保育の予約と空き情報を、スマートフォンで分かるようにする

全国の調査では、使えていない理由の35.7%が「利用方法がわからない」、困りごとの34.2%が「空き状況がわからない」だった。前橋市の病児・病後児保育の利用は見込みの19.6%である。市内の施設の空き状況・予約・事前登録を1か所で、スマートフォンからできるようにすることを検討してはどうか。

  • 費用:システムの導入と運用、施設との調整。前提:施設ごとに予約の方法が違うこと。
  • 効果:ICTで利用が増えたかという数字は公表されていない。利用が多い施設ほど赤字が大きい傾向があり、運営の支えも合わせて考える必要がある。

選択肢2 病児保育を、近くの市との相互利用と送迎で使いやすくする

全国の保護者の46.7%は住んでいる市町村の外の施設を使ったことがあり、「利用しやすい場所に施設がない」は16.2%。宇都宮市は送迎を組み込んでいる。近くの市と病児保育の相互利用を広げ、保育所から施設への送迎を組み合わせることが考えられる。

  • 費用:送迎の人件費と車両、市どうしの負担の取り決め。前提:施設の看護師・保育士の配置と、ほかの市の施設の受け入れの余力。
  • 効果:送迎や相互利用で利用が増えたかという数字は公表されていない。

選択肢3 日曜・祝日に開いている屋内の遊び場を、今ある施設で増やす

屋内の公共施設13か所のうち7か所の児童館は日曜・祝日が休館で、地域子育て支援拠点も前橋市19か所のうち週6〜7日の一般型は1か所。一部の児童館や拠点を交代で日曜・祝日に開けること、宇都宮市のように既存の市有施設を屋内の遊び場に改修することを検討してはどうか。

  • 費用:拠点の補助の基準額は5日型9,023千円、7日型11,154千円(国・県・市が1/3ずつ)。新しく建てると福井市の例で約150,000千円。前提:職員の休日の勤務と、郊外の施設の選び方。
  • 効果:利用者数や満足度(郡山市97.0%)は公表されているが、子育てのしやすさや出生への効果の数字はない。

選択肢4 保育の空き定員を、地区ごとに一時預かりなどへ生かす

保育の定員の充足率は83.1%だが、市は0〜2歳の受け皿に地区の偏りがあるとし、一時預かり(幼稚園型)131.0%、子育て短期支援146.7%は見込みを上回った。地区ごとの空き定員と希望を並べて公表し、空いている定員を一時預かりや短時間の預かりに生かすことが考えられる。

  • 費用:比較的小さい(集計と公表、施設との調整)。前提:保育士の配置と、施設の運営が成り立つこと。
  • 効果:空き定員の活用で子育てのしやすさが変わったかという効果の数字は、確かめた資料にはない。

選択肢5 「子育てのしやすさ」を事業ごとに測る

県の「子どもを産み育てやすいと感じる保護者の割合」は目標も実績もまだなく、国の評価は少子化対策の交付金について「効果の測定が不十分」とした。市のこども計画は病児保育の延べ利用者数4,800人を目標にしている。利用者数に加えて、「断られた・キャンセルした回数」や利用した人の声を事業ごとに記録し、公表することを検討してはどうか。

  • 費用:比較的小さい(記録と集計の手間)。前提:個人情報の扱い。
  • 効果:それ自体は子育てを楽にしない。選択肢1〜4の効果を後から確かめるための備えである。

選択肢1〜5の費用は試算していない。

病児保育から「しやすさ」の測り方まで、5案の比較

選択肢効果の根拠前橋市・群馬県の計画での扱い
1 病児保育の予約と空き情報を、スマートフォンで分かるようにする一部
システムのある市町村は手続きの負担が減ったと答えた。利用が増えたかという数字はない
市のこども計画が病児・病後児保育の延べ利用者数を成果指標にしている
2 病児保育を、近くの市との相互利用と送迎で使いやすくするなし
送迎や相互利用で利用が増えたかという数字は公表されていない
市のこども計画が病児・病後児保育の延べ利用者数を成果指標にしている
3 日曜・祝日に開いている屋内の遊び場を、今ある施設で増やす一部
利用者数や満足度は公表されているが、子育てのしやすさや出生への効果の数字はない
県の総合計画の「子どもの居場所がある市町村数」
4 保育の空き定員を、地区ごとに一時預かりなどへ生かすなし
空き定員の活用で子育てのしやすさが変わったかという効果の数字は、確かめた資料にはない
市の第2期の「希望の保育所・認定こども園に入所した割合」(補足)
5 「子育てのしやすさ」を事業ごとに測る測るための選択肢
それ自体は子育てを楽にしない。選択肢1〜4の効果を後から確かめる備え
県の「子どもを産み育てやすいと感じる保護者の割合」は、目標も実績もまだない

効果の根拠は、こども家庭庁などの調査と各市の資料(4)で確かめた範囲で付けた。一部:病児保育の予約のシステムがある市町村で手続きの負担が減った、屋内の遊び場の利用者数や満足度、のように途中の数字だけのもの。なし:病児保育の相互利用・送迎や、保育の空き定員の活用のように、効果の数字が見当たらないもの。測るための選択肢:子育てのしやすさを事業ごとに測り、選択肢1〜4を後から確かめるもの。拠点や遊び場の運営費は表に含めていない。

6 「比べて弱くない」という見方と、拠点・病児保育の費用、限界

「前橋の子育ての環境は、比べて弱くない」という見方

  • 前橋の子育ての環境は、比べて弱くない。合計特殊出生率は全国より高く、待機児童は0人である。今ある制度を知ってもらうことが先という考え方もある。
  • 出生数の減少には、産む年代の人数の減少も関わる。子育てのサービスを充実させても、出生数の減少が止まるとは限らない。
  • 病児保育は、子どもが病気のときは親が休めるほうがよいという考え方もある。全国の調査でも、使わない理由の37.0%は仕事を休めたなどで必要がなかったことだった。休みの取りやすさという働き方の課題でもある。
  • 子どもが減るなかで、施設を増やすことには慎重な意見もある。

子育て支援拠点を週7日にすると、補助の基準額は2,131千円多い

地域子育て支援拠点を週7日にすると、補助の基準額は5日型より2,131千円多い(1か所当たり、国・県・市で分担)。病児保育は利用を増やすほど施設の赤字が大きくなりやすく、運営の支えも必要になる。

原因は統計から分からず、民間の施設は数えていない

  • 原因は統計から特定できない。出生数の減少の要因を年齢ごとの出生数で分けることはしておらず、病児保育の利用が少ない理由も前橋市の資料には書かれていない。
  • 計画の充足率は「実績÷計画の見込み」で、見込みより少ないことがそれだけで悪いとは限らない。
  • 4の事例は、この記事のために取得した公的な資料に限る。病児保育の調査はアンケートで、回答の偏りがありうると報告書自身が書いている。
  • 子連れで行ける施設の数は市と県が設置する施設だけで、民間の施設は含まない。
  • 5の選択肢は当サイトの意見で、費用は見積もっていない。

出典

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子どもを産み育てやすい環境の提言で使った出生・保育・子育て支援事業・遊び場の数字と他の自治体の事例の数字は、CSVで自由にダウンロードできます。ライセンスはCC BY 4.0です。

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146出生・保育・子育て支援事業・遊び場の事実と、計画の指標・ほかの自治体の事例の数字(前橋市・群馬県・全国)当サイトの記事、こども家庭庁・内閣府・群馬県・宇都宮市・福井市・郡山市の公表資料CSVを保存

子育ての課題を別の視点で考える読み物(コラム)として、「孫子の兵法で考える前橋の勝ち方」も公開しています。『孫子』の13の篇を前橋の数字と重ねたものです。

更新履歴

  • 2026年10月10日 公開
  • 2026年10月11日 訂正:出生数の記事の訂正にあわせ、「出生数の減少は、主に産む年代の人数の減少による」という読みを改めた。女性の人数の減少は一部の説明にとどまり、残りは1人当たりの出生の低下によると考えられる
  • 2026年10月11日 訂正:公園の記事の訂正にあわせ、「都市公園の1人当たり面積は11.9㎡で、全国平均12.3㎡を下回る」を直した。12.3㎡は政令市を除く都道府県計で、政令市を含む全国計と比べると前橋は上回る。値は2024年度末(前橋12.3㎡、全国計11.0㎡、都道府県計12.8㎡)に更新。配布CSVを差し替え