ひとり親世帯の記事で、前橋の母子世帯が1,731世帯であることを示した。一般世帯の1.22%で、県内5市で最も低い割合だった。
その手前には、結婚と離婚がある。どれだけの組が生まれ、どれだけの組が終わっているのか。
2024年の前橋市は婚姻1,212組、離婚458組。離婚は婚姻の0.378倍である。
この比率は1980年の0.179から2.11倍になった。ただし離婚が増えたわけではない。
離婚は2002年のピークから41.7%減っている。婚姻が45.6%減って、それを上回ったためである。
対象範囲
厚生労働省「人口動態統計」による。社会・人口統計体系の市区町村データを通じて取得した。
件数は届出のあった組数である。単位は「組」で、1980年から2024年までの45年分が取れる。2023年までは社会・人口統計体系、2024年は人口動態統計の「人口動態総覧 市区町村別」(統計表ID 0003411564)から取った。2015〜2023年は両者の値が一致している。
市区町村別には婚姻率・離婚率の項目がない。この記事の率は当サイトが算出した。
分母には総人口を使ったが、市区町村別の人口は国勢調査年しか取れない。そのため率は2020年の値である。
「離婚÷婚姻」の読み方
この記事では離婚件数を婚姻件数で割った値を使う。ただしこれは「結婚した組のうち何組が離婚したか」ではない。
2024年に離婚した組は、別の年に結婚している。同じ年の件数を割っているだけである。
それでも結婚と離婚の量的な関係を見る目安にはなる。
扱えないもの
初婚年齢は市区町村別では取れない。都道府県版なら1975年から取得できる。
再婚か初婚かの別、婚姻期間、子どもの有無も市区町村別では公表されていない。
離婚が増えたのではない

婚姻は1993年の2,226組がピーク。2024年には1,212組で、45.6%減っている。2023年の1,167組からは45組増えた。
離婚は2002年の786組がピーク。2024年は458組で41.7%減である。
どちらも減っている。ただし婚姻のほうが速く減った。
離婚は1980年の368組から2002年の786組まで2.14倍に増えたあと、減少に転じた。
比率は44年で2.11倍

1980年は0.179。婚姻5.6組に対し離婚1組の水準だった。
2024年は0.378。2.6組に1組の水準である。2023年は0.410で、2.4組に1組まで上がっていた。
一本調子ではない。2002年に0.385まで上がったあと下がり、2014年の0.322を底に再び上昇した。
最も高いのは2023年の0.410である。2024年は婚姻が増え離婚が減ったため、0.378に下がった。
婚姻率も離婚率も全国より低い

前橋の婚姻率は人口千人当たり4.04組。全国4.30組を下回る。
離婚率は1.46組で、全国1.57組を下回る。
5市では婚姻率が3位、離婚率が4位。どちらも真ん中あたりである。
桐生は婚姻率2.58組で突出して低い。離婚率1.45組は5市で最も低いが、離婚÷婚姻では0.589で最も高い(2024年)。
全国の市区町村では真ん中
離婚率1.46組は、1,718市区町村のうち高い順で803位。ほぼ中央である。
792市に限ると406位。こちらも真ん中にあたる。
婚姻率4.04組は1,718市区町村中374位で、離婚率より相対的に高い位置にある。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
比率が上がった理由
離婚÷婚姻が2.11倍になった。ただし離婚の実数は減っている。
婚姻が45.6%減ったことが、比率を押し上げている。分母が小さくなれば、同じ分子でも比率は上がる。
年齢中位数の記事で、前橋の中位数が50.1歳であることを示した。人口の記事では、失っているのが20〜24歳だけだった。
結婚する年代の人が減れば、婚姻は減る。ただし婚姻が減った理由をこの統計から分解することはできない。
桐生の数字
桐生は婚姻率2.58組で、全国4.30組の6割にとどまる。
離婚率1.45組は5市で最も低い。ところが離婚÷婚姻は0.589で最も高い(2024年)。
婚姻209組に対し離婚123組。1.7組に1組の水準である。2023年は212組に対し136組で、0.642だった。
年齢中位数の記事で桐生が54.6歳で5市最高だったことを示した。結婚する年代の人が少なければ、婚姻は減り、比率は上がる。
母子世帯の数字との関係
ひとり親世帯の記事で、前橋の母子世帯の割合1.22%が5市で最も低いことを示した。
離婚率1.46組も5市で4番目に低い。方向としては一致している。
ただし2つは別の統計である。母子世帯は国勢調査の世帯類型、離婚は人口動態統計の届出件数。
離婚しても祖父母と同居していれば、統計上の母子世帯には数えられない。2つを直接つなげることはできない。
このデータの限界
- 率と比率、減少率はすべて当サイトが算出した。公表値ではない。
- 件数は届出のあった組数である。届出の年と、実際に関係が始まった年・終わった年は一致しないことがある。
- 離婚÷婚姻は同じ年の件数を割ったもので、「結婚した組のうち何組が離婚したか」ではない。離婚する組は別の年に結婚している。
- 市区町村別には婚姻率・離婚率の項目がない。分母には総人口を使ったが、市区町村別の人口は国勢調査年しか取れないため、率は2020年の値である。件数は2024年まで取れる。
- 初婚か再婚かの別、初婚年齢、婚姻期間、子どもの有無は市区町村別では公表されていない。初婚年齢は都道府県版なら取得できる。
- 市区町村の順位は2020年で、値が取れた1,718市区町村で集計した。
- 母子世帯の数(国勢調査)と離婚件数(人口動態統計)は別の統計である。定義も調査時点も違うため、直接つなげることはできない。
- 婚姻が減った理由(人口構成、経済、価値観など)をこの統計から分解することはできない。
よくある誤解
「離婚が増えている」
前橋の離婚件数は2002年の786組がピークで、2024年は458組です。41.7%減っています。比率が上がっているのは、婚姻が45.6%減ってそれを上回ったためです。
「2.6組に1組が離婚する」
この読み方は正しくありません。2024年の離婚458組は、その年に結婚した1,212組から出たものではなく、別の年に結婚した組です。同じ年の件数を割った目安にすぎません。
「前橋は離婚が多い」
離婚率1.46組は全国1.57組を下回り、5市でも4番目です。1,718市区町村では高い順で803位とほぼ中央にあたります。
Q&A
前橋の初婚年齢は分かりますか
市区町村別では分かりません。都道府県版なら1975年から取得できますが、この記事では扱っていません。
「◯組に1組が離婚」という数字をよく聞きます
同じ年の離婚件数を婚姻件数で割った値であることが多く、実際に結婚した組が離婚した割合とは違います。この記事でも参考値として扱い、そのまま解釈しないよう注記しています。
なぜ率は2020年なのですか
市区町村別の人口が国勢調査年しか取れないためです。件数は2024年まで取れますが、分母となる人口がないため率を算出できません。
次の更新はいつですか
人口動態統計は毎年公表されます。最新は2024年です。
出典
- 厚生労働省「人口動態統計」2024年 中巻 人口動態総覧 市区町村別(統計表ID 0003411564)、全国は上巻 年次別にみた人口動態総覧(統計表ID 0003411561)/e-Stat
- 厚生労働省「人口動態統計」1980〜2023年/社会・人口統計体系 市区町村データ(統計表ID 0000020201)/e-Stat
- 総務省「令和2年国勢調査」(率の分母)
- 総務省「社会・人口統計体系」都道府県データ(統計表ID 0000010101、群馬県の全国順位)
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 80 | 県内5市の婚姻・離婚件数 1980〜2024年 | 厚生労働省「人口動態統計」(2023年までは社会・人口統計体系、2024年は人口動態総覧 市区町村別による) | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月24日 最新の統計に更新(結論を見直し)
- 2026年9月18日 公開
