前橋市の人口推移【2025年】転入超過96人、減るのは20代だけ

前橋市は2025年、96人の転入超過でした。人口減少が語られる街ですが、社会増減に限れば人は増えています。ただしその内訳を年齢別に開くと、まったく違う景色が現れます。20〜24歳が486人流出し、65歳以上が329人流入している。そして出ていく20代の最大の行き先は、高崎ではなく東京でした。

本ページでは、総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」をもとに、前橋市の社会増減を年齢階級別・転出入先別に分解して定点観測します。

最終更新日:2026年8月7日
次回更新予定:2027年2月(年報公表後)/2027年5月(参考表公表後)
出典:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」年報(表11-3)、同 参考表(第1表・第2表)
データ期間:2020年〜2025年

前橋市の人口は332,149人(2020年国勢調査)。2050年には271,548人になる推計で、30年で18.2%減る見込みである。詳しくは将来人口の記事で扱っている。

前橋市は2025年、96人の転入超過だった。人口減少が語られる街で、社会増減に限れば人は増えている。

ただし年齢別に開くと景色が変わる。失っているのは20〜24歳だけ。日本人で486人の流出である。

一方で65歳以上は329人の流入。県内から集めて、首都圏へ送り出す中継地点になっている。

結論:3行でわかる前橋の人口移動

前橋市は2025年、96人の転入超過。日本人に限っても98人の転入超過で、社会減ではありません。

失っているのは20〜24歳だけです。日本人ベースで486人の転出超過。他の全年齢の流入を、この1階級が打ち消しています。

20代の最大の転出先は東京都特別区部で、634人。高崎市とはほぼ均衡しており、前橋は県内から集めて首都圏へ送り出す、中継地点になっています。

本ページの対象範囲について

はじめに、扱う数字の範囲を明確にしておきます。

人口の増減は、社会増減(転入と転出の差)と自然増減(出生と死亡の差)に分かれます。本ページが扱うのは社会増減のみです。前橋市の総人口が減少している主因は自然減であり、本ページの数字はそれを否定するものではありません。

また、住民基本台帳人口移動報告は住民票の異動届に基づく統計です。進学時に住民票を移さない学生が一定数いるため、10代後半の流出は実態より小さく出ている可能性があります。

前橋市の社会増減は、いま何が起きているのか

前橋市の転入超過数の推移(2020〜2025年)。全体は+473、+181、-403、-931、+423、+96と上下するが、日本人は2023年を除いてプラスで、振れ幅の大きさは外国人の増減による
転入超過数の推移(前橋市、2020〜2025年)
2025年の社会増減 +96人 転入が転出を上回った
20〜24歳(日本人) −486人 失っているのはこの年代だけ
65歳以上 +329人 流入している

2020年から2025年までの6年間、前橋市の転入超過数は、+473、+181、-403、-931、+423、+96と激しく上下しています。トレンドと呼べる方向性はありません。

しかし、日本人と外国人を分けると、まったく違う絵が見えます。

年全体日本人外国人
2020年+473+140+333
2021年+181+367-186
2022年-403+355-758
2023年-931-348-583
2024年+423+327+96
2025年+96+98-2

日本人は2023年を除き、6年間一貫して転入超過です。+140、+367、+355、+327、+98。数字は大きくありませんが、安定してプラスで推移しています。

一方、外国人は-758から+333まで、年によって1,000人以上振れています。前橋市の社会増減が乱高下して見えるのは、外国人移動の増減によるものです。

外国人の減少局面である2021年から2023年は、新型コロナウイルス感染症に伴う入国制限の時期と重なります。2024年に回復に転じたことも、制限緩和の時期と整合します。ただし本データのみで因果を断定することはできません。

外国人就業者の記事で、前橋市の外国人住民が10,353人で総人口の3.15%、伊勢崎7.73%・太田7.04%の4割の水準であることを示した。

何歳が出ていき、何歳が入ってくるのか

2025年の前橋市の年齢階級別 転入超過数(日本人)。20〜24歳だけが486人の転出超過で、0〜9歳は+80、15〜19歳は-39、35〜64歳は+268、65歳以上は+329

2025年の年齢階級別を日本人で見ると、構造は極めて明快です。

20〜24歳が486人の転出超過。これに対し、0〜9歳が+80、35〜64歳が+268、65歳以上が+329。20代前半の1階級だけが大きくマイナスで、それ以外はほぼすべてプラスです。

15〜19歳の転出超過は39人にとどまります。進学期の流出はごく小さい。前橋市が人を失っているのは、進学のタイミングではなく就職のタイミングです。

6年間、一度の例外もなくこの形

前橋市の20〜24歳と65歳以上の転入超過数の推移(2020〜2025年)。20〜24歳は-310から-486まで6年間一度もプラスにならず、65歳以上は+249から+329まで一度もマイナスになっていない

この構造が単年の偶然でないことは、時系列で確認できます。

年20〜24歳65歳以上
2020年-310+249
2021年-264+161
2022年-470+308
2023年-436+239
2024年-384+399
2025年-486+329

6年間、20〜24歳は一度もプラスにならず、65歳以上は一度もマイナスになっていません。しかも20代前半の流出は、2021年の-264から2025年の-486へと拡大しています。

前橋市の社会増減は、20代前半が出ていき高齢者が入ってくるという構造が、固定化していると言えます。

2020年から2025年までの年齢階級別の転入超過数(日本人)を、すべて並べる。

年齢2020年2021年2022年2023年2024年2025年
0〜4歳+46+85+41-51+39+35
5〜9歳+40+44+61-33+26+45
10〜14歳-12-10+21+5-12-10
15〜19歳+5+10-24-75+27-39
20〜24歳-310-264-470-436-384-486
25〜29歳-41+59-80-163-6-19
30〜34歳+14+72+75+5-38-25
35〜39歳+60-13+58+53+90+29
40〜44歳-8+62+119+17+66+20
45〜49歳+31+37+74+28+34+23
50〜54歳+34+41+135-11+53+55
55〜59歳+11+52+2+48+32+69
60〜64歳+21+31+35+26+1+72
65歳以上+249+161+308+239+399+329
計+140+367+355-348+327+98

単位は人。プラスは転入超過、マイナスは転出超過を表す。

20代は、どこへ出ていくのか

2025年に前橋市から転出した20代の行き先。東京都特別区部が634人で最多、次いで高崎市508人、伊勢崎市383人

2025年、前橋市から20代(20〜29歳)が転出した先の上位は次の通りです。

転出先20代総数
東京都特別区部6341,069
高崎市5081,440
伊勢崎市383889
太田市154303
横浜市140245
さいたま市137240

転出者数だけを見れば、東京と高崎が拮抗しています。しかし転入も合わせた収支で見ると、両者はまったく性質が異なります。

高崎市とはほぼ均衡、失っているのは首都圏

2025年の前橋市の20代の相手先別 転入・転出の差引。東京都特別区部は転入325人・転出634人で309人の転出超過、高崎市は転入537人・転出508人で29人の転入超過とほぼ均衡

20代の転入・転出を相手先ごとに差し引きすると、こうなります。

相手先転入転出差引
東京都特別区部325634-309
横浜市64140-76
さいたま市82137-55
川崎市3475-41
高崎市537508+29
伊勢崎市407383+24
藤岡市12438+86
沼田市8134+47
渋川市131101+30

高崎市とは、年間1,000人以上が行き交いながら、差し引きは+29人。ほぼ均衡しています。総数でも-56人で、拮抗した関係です。

一方、東京都特別区部だけで-309人。横浜・さいたま・川崎を加えると、首都圏4都市で-481人になります。20〜24歳の転出超過486人と、ほぼ同じ規模です。

そして前橋市は、藤岡市の+86、沼田市の+47、渋川市の+30といったかたちで、県内他市町から20代を受け入れています。

県内から集め、首都圏へ送り出す。前橋市は、群馬県内の人の流れにおける中継地点になっています。

2025年の転出の多い順に、上位20地域の転入と転出を並べる(全年齢)。

相手先転入転出差
高崎市1,3841,440-56
東京都特別区部8761,069-193
伊勢崎市950889+61
渋川市359313+46
太田市309303+6
横浜市189245-56
さいたま市220240-20
吉岡町156202-46
桐生市205164+41
みどり市115130-15
宇都宮市101127-26
玉村町179125+54
藤岡市215117+98
川崎市83109-26
世田谷区7796-19
千葉市6490-26
足立区5685-29
板橋区7080-10
沼田市19675+121
新宿区6371-8

単位は人。差は転入から転出を引いた値で、日本人と外国人を合わせた数である。

この数字をどう読むか

以下は運営者による解釈です。前節までの事実と区別してお読みください。

課題は「大学の有無」ではなく「卒業後の受け皿」

15〜19歳の流出が39人にとどまる一方、20〜24歳が486人流出しているという事実は、問題の所在を明確に示しています。若者は進学時点では前橋を離れていません。離れるのは就職の段階です。

これは、大学誘致や進学支援よりも、新卒・第二新卒が選べる仕事の幅に課題があることを示唆します。前橋には良い企業があります。しかし20代が東京でなければ得られないと考えるキャリアの選択肢が、まだ十分に見えていないのではないか。

この論点は、本サイトの「ヒト(雇用・福利厚生)」で扱います。なお求人の記事では、前橋のハローワーク求人に占める情報通信業の割合が1.1%にとどまることを確認しました。

20代の非正規の記事では、前橋の20〜24歳の非正規比率が29.3%で、全国40.4%を11.1ポイント下回ることを確認しました。待遇の入口が狭いわけではありません。

設備投資の記事で、前橋の設備投資が売上比2.06%で県内5市の最下位であることを示した。

高崎との競争という枠組みは、当てはまらない

前橋の人口を語るとき、しばしば高崎との比較が持ち出されます。しかし20代の収支は+29人で、実質的に均衡しています。

年間2,800人以上が双方向に行き交うということは、両市が競合しているというより、ひとつの生活圏として一体化していると読むほうが自然です。通勤流動の記事でも、前橋から高崎方面を含む市外へ通う人は52,455人、市外から前橋へ通う人は64,951人と、双方向の移動が日常的であることを確認しました。

なお、日本人全体の転入超過数では高崎市が6年連続でプラスであり、2025年は+564人。前橋市の+98人との差は開いています。年齢構成の違いを含めた比較は、稿を改めて検証します。

働き方の記事で、前橋の通勤30分未満が61.5%で全国50.4%を上回る一方、テレワークの実施率は11.4%で全国18.9%の0.60倍であることを示した。

高齢者の流入が意味すること

65歳以上が毎年150〜400人流入している事実は、施設や医療環境などの受け入れ基盤が機能していることを示す一方、社会保障・介護需要の面では将来的な負担増を意味します。

20代の流出と高齢者の流入が同時に起きているということは、市民の平均年齢が、自然増減とは別の経路でも押し上げられているということです。高齢化率の記事では、前橋の高齢化率が2050年に39.7%まで上がる推計を確認しました。ただしその主因は高齢者の増加ではなく、15〜64歳が28.4%減ることにあります。

住まいの記事で、前橋の持ち家は1住宅当たり124.97㎡で借家49.22㎡の2.54倍、高齢者向けの設備がある住宅は持ち家65.4%・借家35.4%であることを示した。

このデータの限界

  • 本ページが扱うのは社会増減(転入と転出の差)のみである。自然増減(出生と死亡の差)は含まない。前橋市の総人口が減っている主因は自然減であり、この数字はそれを否定するものではない。
  • 住民基本台帳人口移動報告は住民票の異動届にもとづく統計である。進学時に住民票を移さない学生が一定数いるため、10代後半の流出は実態より小さく出ている可能性がある。
  • 他市区町村との間の移動が対象で、国外との移動は含まない。
  • 参考表では移動者数が少ない場合に秘匿処理が施されているため、他の公表数値と一致しない箇所がある。
  • 表11-3は5歳階級、参考表は10歳階級で集計されている。20〜24歳と20代の表記の違いは、これによるものである。
  • 年齢階級別の値は、表11-3の日本人移動者の転入超過数である。総数(外国人を含む)ではない。転出入先別の値は、参考表の移動者(外国人を含む)の数である。
  • 転入超過の数字は、その年に移動した人の差し引きである。どこへ行き、その後どうなったかは追えない。
  • グラフはすべて公表数値をもとに当サイトが作成した。

よくある誤解

「前橋は人口が減り続けている」は正確か

社会増減に限れば、正確ではありません。2025年は96人の転入超過、日本人に限っても98人の転入超過です。過去6年でマイナスだったのは2022年と2023年の2回のみです。

前橋市の総人口が減少している主因は自然減、つまり死亡数が出生数を上回ることであり、転出超過ではありません。人が出ていくから減っているという説明は、少なくとも近年については当てはまりません。

「若者はみんな東京に出ていく」は本当か

20代前半に限れば、方向としては正しいと言えます。20代の転出先1位は東京都特別区部で634人、首都圏4都市への差し引きは-481人です。

ただし、みんなではありません。同じ2025年に、東京都特別区部から前橋市へ325人の20代が転入しています。出ていく人の半数程度が、逆方向にも動いています。

「コロナで地方移住が進んだ」は前橋に当てはまるか

前橋市の30〜44歳の転入超過数の推移(2020〜2025年)。+66、+121、+252、+75、+118、+24と推移し、移住ブームとされる2021年に突出した動きはない

前橋市のデータからは、確認できません。

リモートワークによる移住の主役とされる30〜44歳の転入超過は、2020年が+66、2021年が+121、2022年が+252、2023年が+75、2024年が+118、2025年が+24と推移しています。移住ブームのピークとされる2021年に突出した動きはなく、2022年をピークに2025年には大きく減少しています。

0〜9歳、つまり子育て世帯の随伴と考えられる層も同様で、明確なトレンドは見られません。

前橋市の日本人転入超過を支えているのは、30〜44歳ではなく65歳以上です。この点については、稿を改めて検証します。

Q&A

Q. 前橋市の転入超過数は何人ですか。

2025年は96人の転入超過です。日本人に限ると98人、外国人は2人の転出超過でした。町ごとの人口は、前橋市の町別人口のページで確認できます。

Q. 転入超過数とは何ですか。

他の市区町村から前橋市へ移り住んだ人(転入者)から、前橋市から他の市区町村へ移り住んだ人(転出者)を引いた数です。プラスなら人が増え、マイナスなら減っていることを意味します。出生・死亡による増減は含みません。

Q. 前橋市から最も多く転出しているのはどこですか。

総数では高崎市で1,440人、20代に限ると東京都特別区部で634人です。ただし転入も合わせた収支では、高崎市はほぼ均衡しており、実質的に人を失っているのは首都圏に対してです。

Q. 前橋市で最も人が減っている年代は。

20〜24歳です。2025年は日本人ベースで486人の転出超過でした。他のすべての年齢階級の合計は+584で、20〜24歳の-486を上回っています。差し引きで日本人は+98の転入超過です。市の人口の見通しと対策は、前橋市の第3期県都まえばし創生プラン(前橋版人口ビジョン・総合戦略)を策定しましたのページで確認できます。

Q. 前橋市に入ってきているのはどんな人ですか。

65歳以上が最も多く、2025年は329人の転入超過でした。次いで50〜64歳が+196人、0〜9歳が+80人です。

Q. このデータはいつ更新されますか。

毎年2月頃に年齢階級別データ、5月頃に転出入先別データが公表されます。公表後、速やかに更新します。

出典・データの取り扱い

出典

総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」年報 表11-3(年齢5歳階級、男女別転入超過数-全国、都道府県、市区町村)2020年〜2025年

総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」年報 参考表 第1表・第2表(年齢10歳階級、男女、転入・転出市区町村別結果)2025年

注記

本ページの数値は、他市区町村との間の移動を対象としています。国外との移動は含みません。

参考表では、移動者数が少ない場合に秘匿処理が施されているため、他の公表数値と一致しない箇所があります。

表11-3は5歳階級、参考表は10歳階級で集計されています。20〜24歳と20代の表記の違いは、これによるものです。

グラフはすべて、公表数値をもとに当サイトが作成したものです。

二次利用について

本サイトが作成した図表および整理済みデータは、出典を明記いただければ自由にご利用いただけます(CC BY 4.0)。報道、研究、行政資料、事業計画など、用途は問いません。

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②転出入先別 転入超過数(2025年)CSVを保存

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関連ページ

更新履歴

2026年9月24日 関連する記事への内部リンクを追加
2026年9月23日 関連する記事への内部リンクを追加
2026年9月22日 年齢階級別の数値を修正、一覧表と公式ページへのリンクを追加
2026年8月7日 初版公開(2020〜2025年データ)