この記事の要点
データで分かること(事実)
- 前橋市が管理する1,284橋のうち築50年以上は、2025年の33.8%から2045年に80.7%になる。
- 水道管の経年化率は2020年度16.5%から2024年度23.2%へ。更新率0.63%のままでは全部の入れ替えに159年かかる計算。下水道の経費回収率は76.4%で県内5市の最下位。
- 公共施設(434施設)を保つには年151.5億円が要るが、実際の投資的経費は83.6億円で、年67.9億円が不足する(市の白書の試算)。
当サイトの提言(意見)の選択肢
- 施設の「総量」と複合化を、建て替えの時期に合わせて考える
- 橋は「予防保全」と「利用の少ない橋の集約・撤去」を組み合わせる
- 水道は県央圏域での共同化(ソフト連携)から始める
- 下水道の費用と使用料の関係を、毎年わかる形で示す
「前橋のこれから」の1本で、橋・水道・施設についての記事の数字と、ほかの自治体が公表した結果を並べています。この記事のテーマは、橋・水道・公共施設をこれからどう持つかです。
前半の1〜4節は、橋や管の築年数と、市・県・ほかの自治体の資料(事実)。5節は当サイトの意見(市や県の方針ではありません)、6節は反対の見方と限界です。
1 橋・水道管・公共施設の古さと更新費(事実)
当サイトの公開中の記事の数字を、値・年・対象は本文のまま並べる。
橋:20年後に8割が築50年以上

橋の記事によると、前橋市が管理する橋は1,284橋。そのうち築50年以上の橋は2025年で33.8%、2035年に56.9%、2045年に80.7%になる。1960年代から80年代の30年間に架けた橋が845橋で、全体の65.8%を占めるためである。1,284橋のうち375橋は架設年が分からず、推定の年が使われている。
早めの措置が必要とされた橋(健全性ⅢとⅣ)は52橋で、点検済みの1,282橋の4.1%。県内5市の比較では、ⅢまたはⅣの割合は前橋市2.9%で中位だった。築年数だけで安全かどうかは決まらず、橋は5年ごとに点検されている。
上下水道:水道管の更新は老朽化に追いついていない
上下水道の記事によると、水道の料金回収率は103.9%で、料金で費用を賄えている。一方、下水道の経費回収率は76.4%で県内5市の最下位。2020年度の83.3%から下がった。下水道料金は2020年以降2,156円で据え置かれ、調査対象市の平均2,557円の0.84倍である。
水道管の経年化率(法定耐用年数40年を超えた管の割合)は、2020年度の16.5%から2024年度の23.2%に上がった。更新率は0.34%から0.63%に上がったが、1年に0.63%ずつ入れ替えると全部で159年かかる計算になる。下水道管の改善率は0.13%で、計算上は769年かかる。年数は目安で、計画ではない。
公共施設:年67.9億円の不足(試算)

公共施設の記事によると、前橋市の公共施設は令和6年4月1日現在で434施設、延床面積1,388,460㎡。市民1人当たり4.33㎡で、全国平均3.86㎡の1.12倍である。築30年以上は277施設で、434施設の63.8%にあたる。
市の白書の試算では、いまの施設を保つには年平均151.5億円が要る。平成28〜令和2年度の投資的経費は年83.6億円で、不足は年67.9億円(市民1人当たり20,639円)。この試算は建替更新50年・大規模改修25年・新規整備なしの前提によるもので、試算どおりに支出が発生するわけではない。
延床面積の36.5%は学校教育系(79施設)、27.0%は公営住宅(84施設)である。複合施設は11.5%。前橋市の人口は2050年までに18%減る推計で、施設を1つも減らさなければ1人当たりは5.28㎡になる。
学校:児童は半分に、学校は3校減
教育の記事によると、前橋市の小学校の児童数は1982年度の31,683人から2024年度の15,795人へ50.1%減った。小学校はピークの53校から50校へ、3校の減少である。1校当たりの児童数は315.9人で、全国315.7人とほぼ同じ。
小学校の記事では、市立小学校の児童数は2022年15,327人から2026年14,267人へ6.9%減り、48校のうち35校で減った。旧前橋市域の37校は5.4%減、旧町村部の11校は14.0%減である。1学級当たりの児童数は21.6人から20.2人になった。市立中学校(21校)の生徒数も2022年7,929人から2026年7,368人へ7.1%減った(中学校の記事)。
2 古くなる時期の重なり(解釈)
ここから先は、1節の数字を重ねたときの当サイトの読み方である。統計で確かめられない部分は、そのように書く。
古くなる時期が、橋・管・建物で重なる
橋は1960〜80年代に、公共施設も同じころに多く造られた。橋の築50年以上が8割になる2045年ごろまでに、建物の更新の時期も重なると読める。ただし橋の更新費は記事の資料からは分からず、金額は示せない。
「全部を同じ形で建て替える」前提は変わりうる
年67.9億円の不足は、いまの施設をすべて同じ規模で建て替えた場合の試算である。何を残し、何をまとめるかによって、必要な額は変わると当サイトは考える。延床面積の36.5%を占める学校は、児童数が半分になったのに学校数は3校しか減っていない。
上下水道は、料金と更新のバランスが課題
水道管の更新率は上がったが、経年化率も上がっている。下水道は経費回収率が下がり、料金は据え置かれている。更新のペースを上げれば費用が増え、料金か一般会計の負担に関わる。ただし、記事が書くように、経費回収率が低いことがただちに問題とは限らず、地形や普及の状況にもよる。
3 市の計画と予算に出てくる、施設・橋・水道
市の計画は、この課題を指標と方針で扱っている。値は当サイトの計画シリーズ(公開準備中)と記事の本文のままである。
| 計画 | 指標・方針 | 基準 | 目標 | 実績・判定 |
|---|---|---|---|---|
| 前橋市 総合計画 第2期(2021〜2024年度) | 施設床面積の合計(現状値以下を目標) | 1,285,573㎡(2019年) | 1,285,573㎡(2024年) | 1,272,122㎡(2024年)、市の判定◎ |
| 前橋市 総合計画 第2期 | 基幹管路の耐震適合率(上水道) | 47.7% | 52.7% | 82.7%、◎ |
| 前橋市 総合計画 第2期 | 重要な幹線の耐震化率(下水道) | 71.9% | 87.4% | 93.6%、◎ |
| 前橋市 橋梁長寿命化修繕計画 | 築50年以上の橋の割合 | 28%(計画をつくった時点) | - | 20年後に76%の見込み(計画の本編) |
総合計画の値は前橋市の計画の目標と実績(行政評価報告書 PDF 21頁)、橋は橋の記事による。
前橋市の総合計画:施設床面積の目標は◎
第2期推進計画(2021〜2024年度)では、重点事業「ファシリティマネジメントの推進」で施設床面積の合計を現状値以下にする目標を置き、上下水道の耐震化の2つの指標とともに、市の判定は◎(目標値を達成)だった。基幹管路の耐震適合率は、報告書の年ごとの値では2023年の51.9%から2024年に82.7%へ上がっている。上下水道の記事は、国土交通省の耐震適合率は指標の定義が従来と変わっていると注記している。
いまの第3期推進計画(2025〜2027年度)では、第6章(都市基盤)の重点施策「都市機能の集約と拠点性の向上」に重点事業2・指標3、「安全・安心なまちづくりの推進」に重点事業3・指標7がある(総合計画の記事)。市は2028年度からの第八次総合計画を策定中で、2026年6月12日に策定方針を公表した。
前橋市の個別の計画と予算
橋梁長寿命化修繕計画の本編は、計画をつくった時点の28%が20年後には76%になるとしている。別冊の一覧では、健全性Ⅳの江田橋は「集約化・撤去」、ささら橋は「更新」の措置が予定されている(橋の記事)。
公共施設等総合管理計画は、資産活用の方向性として「長寿命化の推進」「保有総量の縮減」「効率的利活用の推進」を挙げ、上水道は水道ビジョンに基づき管路の維持・整備、耐震化・長寿命化を図るとしている。公共施設白書は「これまでは築50年程度で施設更新を行っている」「このままだと一斉に更新時期を迎える」と記しているが、統廃合の計画は白書には書かれていない(公共施設の記事)。
2026年度の当初予算では、普通建設事業費は13,507,162千円で前年度比15.5%減。企業会計は水道・下水道・農業集落排水の3つである(当初予算の記事、公開準備中)。
4 浜松市・群馬東部水道企業団・国の推計の結果
国・群馬県・自治体が自ら公表した資料だけを使い(報道・会社の資料は使わない)、実績か見込み(試算)かを分けて書く。
| 事例 | 公表されている数字 | 実績か見込みか |
|---|---|---|
| 群馬東部水道企業団(3市5町の水道の統合) | 浄水場22か所→11か所。費用の削減は約16.9億円・年約2億円 | 数は実績、費用は見込み |
| 群馬県の水道広域化推進プラン(県央圏域) | 共同化で年143,663千円の削減 | 見込み(試算) |
| 浜松市の公共施設の削減 | 439施設・約22万㎡を削減、維持管理経費は年約5億円減 | 実績(財政効果額は見込み) |
| 内閣府の集約・複合化の4事例 | 30年で約31億円の削減から約20億円の増加まで | 見込み(試算) |
| 道路橋の撤去(群馬県高山村など) | 撤去の工事費 約1百万円 | 効果の数字は公表されていない |
| 予防保全(国土交通省所管のインフラ) | 2048年度の費用が事後保全より約5割減 | 見込み(推計) |
群馬東部水道企業団:浄水場の数は半分に

太田市・館林市・みどり市など3市5町は、水道事業をまとめて群馬東部水道企業団をつくり、平成28年4月から事業を始めた(企業団の資料、令和4年11月30日、4頁)。浄水場は広域化前(平成25年度時点)の22か所から、県の浄水場の譲り受け後の計画で9か所に減らす(26頁)。群馬県の社会資本総合整備計画(令和6年1月17日)では、令和6年度当初の企業団の浄水場は11か所で、年度末に9か所にする目標だった(1頁)。
費用の効果は、統合の基本計画の段階で、施設の統廃合による建設事業費の削減約16.9億円、人件費・維持管理費の削減約2億円/年と見込まれていた(10頁)。削減の実績額は、確かめた資料には示されていない。
群馬県の水道広域化推進プラン:前橋市は県央圏域
群馬県の水道広域化推進プランの概要は、前橋市を高崎市・伊勢崎市などと同じ県央圏域に置いている(1頁)。県の給水人口は令和4年度の192万人から50年後に約111万人となる見込みである(1頁)。
県央圏域(県企業局と統合するパターン)では、薬品の共同購入や施設の点検業務などの共同化(ソフト連携)で年143,663千円の削減を試算している。一方、市町村の区域を越えた施設の統合(ハード連携)は、県央では条件を満たす統合案がなかった(2頁)。プランは、ソフト連携を手始めに段階的に進めるとしている。
浜松市:439施設を減らし、維持管理経費は年約5億円減
浜松市の「令和7年度 浜松市の資産のすがた」(PDF 18頁)によると、施設評価と再配置の取り組みで、平成27年度までに439施設、延床面積約22万㎡を削減し、年間の維持管理経費は約5億円減った。施設を残した場合に50年間に要した改修・更新経費(財政効果額)は約1,100億円と見込んでいる。
内閣府の試算:まとめ方で効果は逆にもなる
内閣府の政策課題分析(平成28年8月)は、自治体から実績のデータを受け、集約・複合化をした場合としない場合の30年累積費用の差を試算した(PDF 4頁)。浜松市の舞阪文化センターの移転は約31億円、佐久間協働センターの複合化は約10億円、Y市の小学校の空き教室を保育園として活用した例は約1.5億円の費用削減だった。
一方、千葉県流山市の小学校の複合化は、改築の際に面積が倍増したため約20億円の費用増加となった。児童数の減少にあわせて面積を縮小した場合は約8.6億円の削減になるとしている。同じ資料は、経済効果の指標については集約・複合化との明確な因果関係の解明までは至らなかったとしている(PDF 3頁)。
道路橋の集約・撤去:取り組む自治体は増えた
国土交通省の「道路施設の集約・撤去ガイドライン」(令和8年3月)によると、橋などの集約・撤去を検討した地方公共団体は、2019年度末の252団体(14%)から2024年度末の1,651団体(92%)に増えた(PDF 4頁)。国は2025〜2030年度(令和7〜12年度)に道路分野で1,000施設の集約・撤去、機能縮小等を目標にしている(PDF 3頁)。
事例の1つ、群馬県高山村の赤狩吊橋(橋長16.2m)は、先の住民が転居して利用者がいなくなり、約120m先に迂回路があることから撤去された。撤去の工事費は約1百万円(PDF 43頁、頁の画像で確認)。撤去によって減った点検・修繕費の額など、効果の数字は公表されていない。
予防保全:国の推計では将来の費用が約5割減
国土交通省は、所管するインフラの将来の維持管理・更新費を推計した(令和元年度 国土交通白書)。傷んでから直す「事後保全」では2048年度の1年当たりの費用が2018年度の約2.4倍になる。傷む前に直す「予防保全」では、事後保全と比べて約5割減り、30年間の累計でも約3割減る見込みとした。推計であり、実績ではない。
施設の数を減らした実績はあるが、費用の効果の多くは見込みの値で、実績の額が示されていたのは浜松市の維持管理経費だけだった。条件は前橋と違う。
5 提言(当サイトの意見):総量の見直し、予防保全、水道の共同化
この先は、施設をどう持つかについての当サイトの意見
築年数と更新費(1節)、浜松市などの結果(4節)から考えた意見です。市の公共施設等総合管理計画が示す「長寿命化」「保有総量の縮減」の方向を前提に、効果を数字で確かめながら進めるための選択肢を挙げます。どれも前橋での効果が確かめられたものではありません。
提言1(当サイトの意見)
施設の「総量」と複合化を、建て替えの時期に合わせて考える
公共施設の維持には年151.5億円が要ると試算され、延床面積の36.5%は学校である。児童は半分になったが、学校は3校減っただけで、市は施設床面積を現状値以下にする指標を置いてきた。
選択肢
- 建て替えの時期が近い施設から、近くの施設と機能をまとめる案(複合化)を先に示し、30年の費用を「まとめる場合」と「そのまま建て替える場合」で比べて公表することを検討してはどうか。
- 学校の改築では、児童数の見通しに合わせた面積とし、空き教室を保育や地域の集会に使う方法が考えられる。
- 第2期で達成した施設床面積の指標を、将来の人口に合わせた段階的な目標として続けることが考えられる。
前提・費用:複合化には移転や改修の初期費用がかかる。身近な施設が遠くなる地域が出るため、住民との合意が前提になる。
効果の裏付け:内閣府の試算では、効果は約31億円の削減から約20億円の増加まで分かれた。面積を増やせば費用は増える。浜松市は維持管理経費が年約5億円減ったが、前橋で同じ効果が出るかは確かめられていない。
提言2(当サイトの意見)
橋は「予防保全」と「利用の少ない橋の集約・撤去」を組み合わせる
築50年以上の橋は20年後に80.7%になる。国の推計では、予防保全で将来の費用が約5割減る。市の計画でも、江田橋には「集約化・撤去」が予定されている。
選択肢
- 点検結果に加えて、交通量や迂回路の距離を橋ごとに並べ、集約・撤去を検討する橋の考え方を長寿命化修繕計画に示すことを検討してはどうか。
- 撤去した橋について、その後の点検・修繕費がどれだけ減ったかを記録し、公表することが考えられる。
前提・費用:撤去にも工事費がかかり、迂回路の整備が要る場合もある。地元の理解が前提になる。
効果の裏付け:予防保全の効果は国の推計で、実績ではない。橋の撤去による維持費の削減額は、確かめた資料には公表されていなかった。
提言3(当サイトの意見)
水道は県央圏域での共同化(ソフト連携)から始める
水道管の更新率は0.63%で、群馬東部水道企業団(0.93%)より低い。県のプランは、県央圏域でソフト連携による年143,663千円の削減を試算している。
選択肢
- 薬品の共同購入や点検業務、台帳システムの共同化など、県のプランにあるソフト連携を、県央圏域の市町村と試すことを検討してはどうか。
- 基幹管路の耐震化の次の段階として、どの管から更新するかの順番と、更新率の目標を示すことが考えられる。
前提・費用:市町村ごとに料金や組織が違い、調整に時間がかかる。県央では施設の統合(ハード連携)の案がなく、効果は事務の共同化にとどまる可能性がある。
効果の裏付け:群馬東部水道企業団は浄水場を22か所から11か所に減らしたが、費用の削減は計画時の見込みで、実績の額は確かめた資料になかった。
提言4(当サイトの意見)
下水道の費用と使用料の関係を、毎年わかる形で示す
下水道の経費回収率は76.4%で、2020年度の83.3%から下がった。下水道管の改善率は0.13%で、計算上は769年かかる。
選択肢
- 下水道の費用、使用料の収入、一般会計からの繰入の関係を、毎年の決算で図にして示すことを検討してはどうか。
- 管の更新・耐震化の計画と、使用料の見通しを並べて示し、市民が選択肢を比べられるようにすることが考えられる。
前提・費用:資料づくりの費用は小さい。使用料を見直す場合は家計の負担が増える。
効果の裏付け:費用を示すことで経営がよくなるという効果の数字は、公表されていない。
総量・橋・水道・下水道の4案を比べる
| 選択肢 | 効果の根拠 | 前橋市・群馬県の計画での扱い |
|---|---|---|
| 1 施設の「総量」と複合化を、建て替えの時期に合わせて考える | 公表あり 浜松市は維持管理経費が年約5億円減った(実績)。内閣府の試算では削減から増加まで分かれた | 市の第2期の「施設床面積の合計」(◎)。公共施設等総合管理計画の「保有総量の縮減」 |
| 2 橋は「予防保全」と「利用の少ない橋の集約・撤去」を組み合わせる | 一部 予防保全の効果は国の推計で、実績ではない。橋の撤去による維持費の削減額は公表されていなかった | 橋梁長寿命化修繕計画(江田橋は「集約化・撤去」の予定) |
| 3 水道は県央圏域での共同化(ソフト連携)から始める | 一部 群馬東部水道企業団は浄水場を減らした(実績)。費用の削減は計画時の見込み | 市の第2期の基幹管路の耐震適合率(◎)。県の水道広域化推進プラン(県央圏域) |
| 4 下水道の費用と使用料の関係を、毎年わかる形で示す | なし 費用を示すことで経営がよくなるという効果の数字は、公表されていない | 3節で見た市の指標に、費用と使用料の指標はない |
「効果の根拠」の付け方:公表ありは、浜松市のように施設を減らしたあとの維持管理経費が実績で出ているもの。ただし内閣府の試算では、まとめ方しだいで費用が増える場合もあった。一部は、予防保全の国の推計や群馬東部水道企業団の費用削減の見込みなど、実績になっていない数字のもの。なしは、下水道の費用と使用料を示すことで経営がよくなる、という効果の数字がないもの。集約・撤去や水道の共同化の工事費は、ここでは見積もっていない。
6 「不便になる」という見方と、工事費・限界
「施設を減らすと暮らしが不便になる」という見方
施設や学校をまとめると、通う距離が長くなる地域が出る。旧町村部の小学校は児童の減り方が大きく、統合の影響も大きくなりうる。1学級当たりの児童数は21.6人から20.2人になり、記事は教育環境としては良くなるとも書いている。この記事の提言は、施設を一律に減らすことを求めるものではない。
「数字ほど差し迫っていない」という見方
年67.9億円の不足は試算で、赤字の額ではない。1人当たり4.33㎡は全国の1.12倍で突出していない。築50年を超えた橋がすぐ危ないわけではなく、健全性ⅢとⅣの割合は県内5市の中位だった。下水道の経費回収率が低いことも、ただちに問題とは限らない。
集約・撤去と複合化にかかる工事費
集約・撤去や複合化には初期の工事費がかかり、流山市の例のように面積が増えれば費用も増える。水道の広域連携は料金や組織の調整に時間がかかる。
橋の築年は推定を含み、更新費は扱っていない
- 橋の築年数は、375橋の推定の架設年を含む。橋の更新費は当サイトの記事では扱っていない。
- 基幹管路の耐震適合率は2024年に大きく上がっており、指標の定義の変更の影響があるかどうかは確かめていない。
- 4節の事例は、人口・面積・施設の条件が前橋と違う。費用の効果の多くは見込み(試算・推計)で、当サイトは効果の大きさを検証していない。
出典
- 当サイトの記事(2026年9月30日に公開中の本文で確認):橋、上下水道、公共施設、教育、小学校、中学校、財政。各記事のもとの統計は、それぞれの記事の出典欄にある
- 当サイトの計画シリーズ(公開準備中):前橋市の総合計画、前橋市の計画の目標と実績、前橋市の当初予算
- 前橋市「前橋市公共施設等総合管理計画を改訂しました」(ページの更新日2022年12月27日) (ページ)、「橋梁長寿命化修繕計画」 (ページ)
- 群馬東部水道企業団企画課「群馬東部水道企業団の広域連携について」(令和4年11月30日)4・10・26頁 (PDF)
- 群馬県「社会資本総合整備計画 群馬県生活基盤施設耐震化等事業計画(防災・安全)」(令和6年1月17日)1頁 (PDF)
- 群馬県「群馬県水道広域化推進プランの概要」1・2頁 (PDF)
- 浜松市「令和7年度 浜松市の資産のすがた」PDF 18頁 (PDF)
- 内閣府政策統括官(経済財政分析担当)「公共施設等の集約・複合化による経済・財政効果について」(平成28年8月)PDF 3・4頁 (PDF)
- 国土交通省道路局「道路施設の集約・撤去ガイドライン」(令和8年3月)PDF 3・4・43頁 (PDF)
- 国土交通省「令和元年度 国土交通白書」第3節 今後の取組みの方向性 (ページ)
- 外部の資料はすべて2026年9月30日に取得した。
データダウンロード
橋・水道・公共施設の持ち方の提言で使った橋の築年・水道管の経年化率・施設の更新費用と他の自治体の事例の数字は、CSVで自由にダウンロードできます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 145 | 橋・水道・公共施設の持ち方:記事で使った数字(前橋市の橋・上下水道・公共施設・学校のデータ、計画の指標、ほかの自治体と国の公表された効果) | 当サイトの記事、国・群馬県・群馬東部水道企業団・浜松市の資料 | CSVを保存 |
「孫子の兵法で考える前橋の勝ち方」は、『孫子』の13の篇を前橋の数字に当てはめた読み物(コラム)です。施設の「持ち方」を考えるときの、別の入口になります。
更新履歴
- 2026年10月9日 公開





