前橋の橋は1,284橋|20年後に8割が築50年超【2025年】

前橋市が管理する橋は、どれだけ古くなっているのか。市の橋の修繕計画にある一覧を集計し、国の点検結果で県内の他の市と比べた。

前橋市が管理する橋は1,284橋。そのうち築50年以上の橋は、2025年で33.8%である。

20年後の2045年には80.7%になる。1960〜80年代にまとめて架けた橋が、一斉に古くなるためである。

早めの修繕が必要とされた橋(健全性Ⅲ・Ⅳ)は、点検済みの橋の4.1%だった。

対象範囲

前橋市「橋梁長寿命化修繕計画」の本編(令和5年8月)と、別冊の実施計画(令和7年5月改定)による。対象は市が管理する長さ2m以上の橋である。

橋の数は本編の1,284橋を使った。架設年代・健全性・築年数は、別冊の橋梁一覧(1,284橋)を当サイトが集計した。

1,284橋のうち375橋は架設年が分からず、計画で推定した年が使われている。

県内5市の比較は、国土交通省「道路メンテナンス年報」の2021〜2025年度の橋ごとの点検結果による。

健全性の4つの区分

国の基準では、点検した橋を4つに分ける。Ⅰは健全、Ⅱは予防的に措置するのが望ましい状態、Ⅲは早期に措置を講ずべき状態、Ⅳは緊急に措置を講ずべき状態である。

1960〜80年代の橋が3分の2

前橋市が管理する橋の架設年代別の数。1980年代348橋が最多、1970年代300橋、1960年代197橋で、1960〜80年代が65.8%
前橋市が管理する橋の架設年代別の数
管理する橋 1,284橋 長さ2m以上
20年後に築50年以上 80.7% 2025年は33.8%
健全性Ⅲ・Ⅳ 52橋 点検済みの4.1%

架設年代別に見ると、1980年代が348橋で最も多い。1970年代300橋、1960年代197橋と続く。

1960年代から80年代の30年間に架けた橋が845橋で、全体の65.8%を占める。

年代橋の数うち架設年が推定
1910年代10
1920年代30
1930年代60
1940年代33
1950年代4434
1960年代19769
1970年代300127
1980年代348109
1990年代19610
2000年代1139
2010年代6213
2020年代111
計1,284375

20年後には8割が築50年を超える

前橋市が管理する橋のうち築50年以上の割合。2025年33.8%、2035年56.9%、2045年80.7%
前橋市が管理する橋のうち築50年以上の割合

築50年以上の橋の割合は、2025年で33.8%である。10年後の2035年には56.9%、20年後の2045年には80.7%になる。

計画の本編でも、計画をつくった時点の28%が20年後には76%になるとしている。基準の年が違うため値は少しずれるが、どちらも「20年で8割近く」という結論は同じである。

早めの修繕が必要な橋は4.1%

別冊の一覧で2017〜2024年度の点検結果を数えると、Ⅰが699橋、Ⅱが531橋、Ⅲが50橋、Ⅳが2橋だった。未点検は2橋である。

ⅢとⅣを合わせた52橋は、点検済みの1,282橋の4.1%にあたる。

Ⅳと判定された2橋は、粕川10号橋(ささら橋、2019年度の判定)と江田橋(2024年度の判定)である。一覧では、ささら橋は「更新」、江田橋は「集約化・撤去」の措置が予定されている。

県内5市では中位

県内5市の橋の点検結果。健全性ⅢまたはⅣの割合は太田7.6%、伊勢崎4.1%、前橋2.9%、桐生1.5%、高崎0.4%(2021〜2025年度)
県内5市の橋の点検結果(2021〜2025年度)

国の道路メンテナンス年報で2021〜2025年度の点検結果を比べると、ⅢまたはⅣの割合は太田市7.6%、伊勢崎市4.1%に対し、前橋市は2.9%で5市の中位だった。桐生市は1.5%、高崎市は0.4%である。2020〜2024年度(太田9.2%、伊勢崎6.5%、前橋3.0%)から並びは変わらない。

市点検した橋ⅢⅣⅢ・Ⅳの割合
太田7595807.6%
伊勢崎7493104.1%
前橋1,3323812.9%
桐生331501.5%
高崎1,542600.4%

前橋の値が市の一覧(4.1%)と違うのは、対象の期間(2021〜2025年度と2017〜2024年度)が違うためである。点検した橋の数は、同じ橋が5年間に2回点検されていれば1つと数え、最新の判定を採った。

健全性ⅢとⅣと判定された52橋を、すべて並べる(Ⅳが先、あとはNo順)。

橋名路線名判定点検年度
江田橋16-017Ⅳ2024年度
粕川10号橋 ささら橋21-4331Ⅳ2019年度
高浜橋00-015Ⅲ2023年度
無名橋601-064Ⅲ2024年度
無名橋801-068Ⅲ2019年度
無名橋901-071Ⅲ2019年度
無名橋1201-081Ⅲ2019年度
無名橋1301-082Ⅲ2019年度
無名橋1401-074Ⅲ2019年度
東川橋01-086Ⅲ2019年度
南部大橋00-125Ⅲ2021年度
東橋00-125Ⅲ2023年度
梅が橋00-014Ⅲ2019年度
岩神橋02-067Ⅲ2019年度
無名橋4202-032Ⅲ2021年度
無名橋5202-377Ⅲ2024年度
桃井橋02-408Ⅲ2020年度
復興橋00-074Ⅲ2022年度
無名橋7203-358Ⅲ2020年度
無名橋8000-003Ⅲ2024年度
無名橋8104-100Ⅲ2024年度
無名橋9004-608Ⅲ2020年度
名胡橋04-701Ⅲ2021年度
無名橋11805-226Ⅲ2020年度
無名橋11905-227Ⅲ2020年度
無名橋12605-261Ⅲ2020年度
大正橋05-422Ⅲ2021年度
中亀橋08-329Ⅲ2021年度
無名橋20009-150Ⅲ2021年度
無名橋22310-151Ⅲ2024年度
無名橋22410-147Ⅲ2024年度
桂川橋10-540Ⅲ2020年度
樽久保橋10-534Ⅲ2021年度
無名橋24411-292Ⅲ2021年度
萩原橋11-403Ⅲ2021年度
無名橋29900-099Ⅲ2020年度
無名橋30513-053Ⅲ2020年度
無名橋35515-606Ⅲ2022年度
柳橋00-100Ⅲ2023年度
西部立体交差橋00-131Ⅲ2021年度
無名橋40116-225Ⅲ2022年度
無名橋40316-259Ⅲ2022年度
無名橋42116-442Ⅲ2022年度
大王橋00-142Ⅲ2023年度
3-11号橋19-3052Ⅲ2021年度
夫婦橋20-2482Ⅲ2021年度
石田川8号橋庚松橋21-1070Ⅲ2022年度
大正用水4号橋21-2103Ⅲ2020年度
石田川1号橋21-5061Ⅲ2021年度
桂川1号橋赤城橋21-5205Ⅲ2022年度
石田川4号橋前田橋21-5226Ⅲ2022年度
5-7号橋横郷橋00-199Ⅲ2020年度

橋名と路線名は別冊の橋梁諸元一覧表の表記のまま。点検年度は最新の点検を受けた年度である。

市が管理する道路は約3,969km

同じ統計書には、市が管理する道路の長さもある。前橋市の市道の総距離は令和7年4月1日で3,969.2kmである。

平成30年4月1日の3,960.7kmから8.5km増えた(当サイトが算出)。

1,284橋は、この道路網の上にある。

市道の総距離を、取れる時点すべて並べる。

時点市道総距離
平成30年4月1日3,960.7
令和元年4月1日3,966.1
令和2年4月1日3,968.9
令和3年4月1日3,966.9
令和4年4月1日3,965.8
令和5年4月1日3,968.5
令和6年4月1日3,968.9
令和7年4月1日3,969.2

単位はkm。出典は前橋市「前橋市統計書」16章 道路(道路管理課)。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

古くなる時期が重なる

橋は架けた時期が集中しているので、古くなる時期も重なる。公共施設の記事では、市の建物の更新費が年67.9億円足りないことを示した。

建物と橋の更新の時期が重なれば、市の負担はさらに大きくなる。ただし、橋の更新にかかる費用は、この記事で使った資料からは分からない。

割合の違いは点検の進み方にも左右される

5市の比較は、同じ期間に点検した橋だけを数えている。点検の順番や判定の傾向が市によって違う可能性があり、割合の差がそのまま橋の傷み具合の差とは言えない。

このデータの限界

  • 割合・集計は当サイトが算出した。公表値ではない。
  • 1,284橋のうち375橋は架設年が推定で、築年数や築50年以上の割合には推定が含まれる。
  • 5市の比較で使った道路メンテナンス年報には橋ごとの固有の番号がなく、管理者・橋梁名・路線名・架設年・橋長・幅員が同じものを同じ橋とみなした。
  • 桐生市は2024年度の点検結果が年報に含まれておらず、2025年度も3橋しか掲載されていない。そのため桐生市の5年間の点検数は2020〜2024年度の497橋から331橋に減っている。
  • 2020〜2024年度の伊勢崎市は、同じ橋を1つと数えると742橋、年度ごとの件数を単純に合計すると743橋である。記事の表とCSVの「同一橋は最新判定」の行は前者の数え方による。
  • 橋の更新や修繕にかかる費用は、この記事では扱っていない。
  • 国や県が管理する橋は含まれない。

よくある誤解

「築50年を超えた橋は危ない」

築年数だけで安全かどうかは決まりません。国の基準で5年ごとに点検し、その結果(健全性Ⅰ〜Ⅳ)で修繕の必要性を判断しています。

「前橋の橋は他の市より傷んでいる」

ⅢまたはⅣの割合は5市の中位で、太田市や伊勢崎市より低くなっています。点検の時期や判定の傾向によって割合は変わります。

Q&A

橋の計画はどこで見られますか

前橋市の橋梁長寿命化修繕計画のページで、本編と別冊の実施計画が公開されています。

次の更新はいつですか

前橋市の実施計画が改定されたときと、国の道路メンテナンス年報が公表されたときに更新します。

前橋で修繕や更新が予定されている橋はどこで分かりますか

健全性ⅢとⅣと判定された52橋は、この記事の一覧に橋名と路線名を載せています。措置の予定を含む詳しい内容は、市の橋梁長寿命化修繕計画の別冊(実施計画)で確認できます。

前橋市の橋は何橋ありますか

市が管理する長さ2m以上の橋は1,284橋です。そのうち築50年以上の橋は2025年で33.8%、20年後の2045年には80.7%になります。

出典

  • 前橋市「橋梁長寿命化修繕計画」本編(令和5年8月)・別冊 実施計画(令和7年5月改定)
  • 国土交通省「道路メンテナンス年報」(2021〜2025年度の橋梁ごとの点検結果)

データダウンロード

本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。

Noデータ名出典ダウンロード
95前橋市が管理する橋の架設年代・健全性と、県内5市の点検結果前橋市「橋梁長寿命化修繕計画」、国土交通省「道路メンテナンス年報」CSVを保存

更新履歴

  • 2026年9月24日 最新の統計に更新
  • 2026年9月23日 「市が管理する道路は約3,969km」の節を追加
  • 2026年9月23日 Q&Aと内部リンクを追加
  • 2026年9月23日 橋の数を一覧の実数(1,284橋)に修正
  • 2026年9月23日 健全性Ⅲ・Ⅳの橋の一覧と公式ページへのリンクを追加
  • 2026年9月23日 公開