前橋市の総面積は311.59km²、可住地面積は238.67km²で総面積の76.6%。全国33.0%の2.3倍にあたる。5市と群馬県・全国の面積と可住地の割合を表で比べた。
都市計画の記事で、前橋の人口集中地区が47.56km²で5市最大なのに、その中の人口密度は全国の62%にとどまることを示した。
市街地は広く、人は薄い。では、そもそも住める土地はどれだけあるのか。
前橋市の可住地面積は238.67km²。総面積の76.6%で、全国33.0%の2.3倍である。
その可住地で人口を割ると1km²当たり1,379人。全国1,011人の1.36倍になる。
市街地の中では薄いのに、住める土地全体では全国より濃い。
対象範囲
国土交通省「全国都道府県市区町村別面積調」ほかによる。社会・人口統計体系の市区町村データを通じて取得した。
総面積と可住地面積は1981年から2024年までの44年分が取れる。
林野面積は1980年から2019年までの7時点。主要湖沼面積は1990年からの35時点である。
可住地の定義
可住地面積は総面積から林野と主要湖沼を除いたものとされる。
ただし統計表に定義の注記がない。実データで引き算してみると、前橋で174haの差が出る。
林野面積が5年おきで年次が揃わないためとみられるが、統計表からは確認できなかった。
合併の影響はない
前橋は2004年以降に合併している。ところがこの統計は廃置分合を処理した版である。
総面積は1981年31,098haから2024年31,159haまで段差なく続いている。
面積の76.6%が可住地

前橋の総面積311.59km²のうち、可住地は238.67km²。76.6%である。
高崎は総面積459.16km²で5市最大だが、可住地は244.61km²。割合は53.3%にとどまる。
伊勢崎99.8%、太田94.9%。この2市はほとんどが可住地である。
桐生は28.4%。総面積の71.6%が住めない土地になる。
群馬県は35.7%、全国は33.0%。前橋はその2.3倍である。
5市と群馬県・全国の面積を並べる(2024年)。
| 地域 | 総面積(km²) | 可住地面積(km²) | 可住地の割合 |
|---|---|---|---|
| 前橋 | 311.59 | 238.67 | 76.6% |
| 高崎 | 459.16 | 244.61 | 53.3% |
| 伊勢崎 | 139.44 | 139.11 | 99.8% |
| 太田 | 175.54 | 166.57 | 94.9% |
| 桐生 | 274.45 | 77.87 | 28.4% |
| 群馬県 | 6,362.28 | 2,269.02 | 35.7% |
| 全国 | 372,972.38 | 122,950.28 | 33.0% |
可住地は総面積から林野と主要湖沼を除いた面積である。
住める土地で割ると景色が変わる

総面積で割ると、前橋の人口密度は1km²当たり1,056人。全国333人の3.17倍である。
可住地で割ると1,379人。全国1,011人の1.36倍に縮む。
山林を除くと差が小さくなる。全国には山林が多いためである。
2つの密度の差は桐生が+931人で5市最大。伊勢崎は+4人でほとんど変わらない。
山林が多いほど、2つの数字は離れる。
市街地の密度とは逆を向く
都市計画の記事で、前橋の人口集中地区の密度が4,153人/km²で全国6,663人の62%だったことを示した。
ところが可住地の密度では全国の1.36倍である。
市街地の密度を可住地の密度で割ると、前橋は3.01、全国は6.59。
全国は市街地に人が集まり、前橋は可住地全体に広がっている。
43年でほとんど動いていない

前橋の可住地は1981年23,381haから2024年23,867haへ。486ha増えた。
割合では75.2%から76.6%。43年で1.4ポイントの上昇である。
他の市も同じ。桐生+2.2pt、高崎+1.0pt、太田+0.1pt、伊勢崎は変化なし。
住める土地の量は、43年でほとんど変わっていない。
課税される土地のうち宅地は2割
同じ統計には、固定資産税の評価総地積もある。前橋市の宅地は2023年に65.23km²だった。
課税対象の土地全体は183.40km²で、宅地はその35.6%にあたる(当サイトが算出)。
10年間で宅地の面積はほとんど動いていない。
前橋市の評価総地積を、取れる10年分並べる。
| 年 | 宅地 | 課税対象土地 | 宅地の割合 |
|---|---|---|---|
| 2014 | 62.06 | 184.00 | 33.7% |
| 2015 | 62.39 | 183.98 | 33.9% |
| 2016 | 62.96 | 183.93 | 34.2% |
| 2017 | 63.38 | 183.97 | 34.5% |
| 2018 | 63.88 | 183.87 | 34.7% |
| 2019 | 64.19 | 183.86 | 34.9% |
| 2020 | 64.47 | 183.74 | 35.1% |
| 2021 | 64.73 | 183.61 | 35.3% |
| 2022 | 65.08 | 183.40 | 35.5% |
| 2023 | 65.23 | 183.40 | 35.6% |
単位はkm²(㎡単位の公表値を換算)。割合は当サイトが算出した。出典は総務省「社会・人口統計体系」(固定資産の価格等の概要調書)。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
広く薄くではなく、広く均等に
前橋は住める土地が多く、その全体に人が広がっている。
都市計画の記事で、市街化調整区域が市街化区域の1.96倍であることを示した。可住地に占める市街化区域は20.9%にとどまる。
公共交通の記事では、通勤・通学の76.4%が自家用車だった。広がって住むことと、車に頼ることは結びつく。
ただしどちらが先かは、この統計からは分からない。
桐生の地形
桐生の可住地割合28.4%は5市で最も低い。総面積の71.6%が山林などである。
2つの人口密度の差も+931人で最大。総面積で割ると369人だが、可住地では1,299人になる。
年齢中位数の記事で桐生が54.6歳で5市最高、防災の記事で23年間の災害復旧費が前橋の11.6倍だったことを示した。
地形の条件が、いくつもの数字に表れている。
土地の量は増えない
43年で可住地は1.4ポイントしか増えていない。土地の量は、ほぼ固定されている。
地価の記事で、住宅地の地価が43年前より30%安いことを示した。人口と地価の記事では、増えたのは地価が中位の3圏域だけだった。
量が変わらないなかで、人の配置だけが動いている。
このデータの限界
- 可住地の割合、人口密度、倍率はすべて当サイトが算出した。公表値ではない。
- 可住地面積は総面積から林野と主要湖沼を除いたものとされるが、統計表に定義の注記がない。実データで引き算すると前橋で174haの差が出る。林野面積が5年おきで年次が揃わないためとみられるが、確認できていない。
- 林野面積は1980〜2019年の7時点しか取れない。2020年以降の林野は分からない。
- 可住地には農地や工場用地も含まれる。実際に住宅を建てられる土地とは違う。
- 人口密度の分母には住民基本台帳人口(2024年)を使った。
- DID(人口集中地区)の密度は都市計画の記事の2020年の値で、この記事の2024年とは年次が違う。市街化区域4,979haも2023年の値である。
- この統計は廃置分合を処理した版なので、合併による面積の段差はない。ただし合併前の旧市域だけの推移は追えない。
- なぜ可住地全体に人が広がっているのかは、この統計からは分からない。
よくある誤解
「前橋は人口密度が低い」
総面積で割ると1,056人/km²で全国333人の3.17倍、可住地で割ると1,379人で全国1,011人の1.36倍です。どちらの割り方でも全国を上回ります。市街地の中の密度だけが全国の62%です。
「可住地なら家が建てられる」
可住地には農地や工場用地も含まれます。市街化調整区域では原則として住宅を建てられません。前橋の可住地238.67km²のうち市街化区域は49.79km²で20.9%です。
「高崎のほうが広いから人口も多い」
高崎の総面積459.16km²は前橋311.59km²の1.47倍ですが、可住地は244.61km²と238.67km²でほぼ同じです。差の大半は山林です。
Q&A
可住地面積とは何ですか
総面積から林野と主要湖沼を除いた面積とされます。ただし統計表に定義の注記がなく、実データで引き算しても完全には一致しません。
なぜ2つの人口密度があるのですか
分母が違うためです。総面積には山林が含まれ、可住地には含まれません。山林の多い市では2つの値が大きく離れます。桐生は369人と1,299人で3.5倍の差があります。
群馬県の全国順位は
可住地の割合35.7%で47都道府県中21位です。2000年と2010年は17位だったので、順位は下がっています。
次の更新はいつですか
面積調は毎年公表されます。最新は2024年です。
前橋市の面積はどれくらいですか
2024年の総面積は311.59km²で、そのうち可住地面積は238.67km²です。可住地の割合は76.6%で、全国の33.0%の2.3倍にあたります。
出典
- 国土交通省「全国都道府県市区町村別面積調」ほか/社会・人口統計体系 市区町村データ(統計表ID 0000020202)/e-Stat
- 総務省「社会・人口統計体系」都道府県データ(統計表ID 0000010102、群馬県と全国の値)
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口」2024年(人口密度の分母)
データダウンロード
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 84 | 県内5市の総面積・可住地面積・林野面積 1980〜2024年 | 国土交通省「全国都道府県市区町村別面積調」ほか(社会・人口統計体系による) | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月23日 「課税される土地のうち宅地は2割」の節を追加
- 2026年9月23日 冒頭の段落を追加
- 2026年9月23日 Q&Aと内部リンク、表を追加
- 2026年9月18日 公開
