ヒト(雇用・福利厚生)

前橋の企業が人を採り、定着させるために何ができるのか。採用と福利厚生を、まず公的統計から検討します。民間の求人市場データは、今後あわせて観測していく予定です。

このページで扱うこと

「前橋のいま」で見てきたとおり、前橋市が社会減となっているのは20〜24歳のみです。他のすべての年齢階級では人が増えています。前橋の課題は人口減少一般ではなく、就職期の1階級に限定されています。

そして賃金を見ると、20〜24歳の群馬と東京の年収差は月2.4万円にとどまります。19歳以下も差は小さいままです。額の差だけでは、就職期の流出を説明できません。

では何が効いているのか。求人の量と業種の幅、初任給以降の昇給の傾き、休暇や住宅補助といった福利厚生の実態、離職の状況を順に検証していきます。

公的統計だけでは足りない理由

本サイトは公的統計を土台としています。ただし採用と求職に関しては、公的統計だけでは実態を捉えきれません。

公的な求人統計は、公共職業安定所を経由した求人を集計したものです。一方で、いま20代が仕事を探すときに見ているのは、新卒であれば就職情報サイトやダイレクトリクルーティング、中途であれば求人検索サイトや転職エージェントです。両者は重なる部分もありますが、母集団は同じではありません。

求人の量、業種の構成、提示される賃金は、どの市場を見るかによって変わります。公的統計だけで「前橋には仕事がない」あるいは「ある」と論じれば、20代が実際に直面している選択肢とはズレた結論になります。そのため本ページでは、公的統計を基準としつつ、民間の求人市場も並べて観測していく予定です。現在公開している記事は、すべて公的統計にもとづくものです。

使用する統計とデータ

すでに使っている統計

公開済みの記事で実際に使用した統計です。調査の周期がばらばらなので、更新のタイミングも記事ごとに異なります。

統計作成機関周期使っている記事
労働市場月報群馬労働局毎月有効求人倍率
毎月勤労統計調査
(全国調査・地方調査)
厚生労働省毎月
年平均は翌春
労働時間、就業形態別
賃金構造基本統計調査厚生労働省毎年賃金
就労条件総合調査厚生労働省5年
(退職給付の項目)
退職金

各記事の「対象範囲」に、どの調査のどの表を使ったかを明記しています。次回の更新時期も記事ごとに書いています。

使いたいが、地域別が取れない統計

離職率については、当初この2つを使う予定でした。調べた結果、どちらも前橋市や群馬県の数字として使えないことが分かりました。経緯を残しておきます。

統計取れる範囲使えない理由
雇用動向調査
(厚生労働省)
都道府県別あり標本調査のため都道府県別は誤差が大きい。令和6年の離職率は群馬20.1%で全国1位、隣の栃木は8.8%で46位。産業構造の近い隣接県で11ポイントの差は、実態ではなく標本の振れと判断した
新規学卒就職者の離職状況
(厚生労働省)
全国のみ雇用保険データに基づくため精度は高いが、都道府県別の集計が存在しない。群馬労働局も独自公表していない(福島・島根など一部の労働局は公表している)

参考までに全国の数字は出ています。令和4年3月卒業者の就職後3年以内離職率は、高校卒37.9%、大学卒33.8%、短大等44.5%、中学卒54.1%でした。ただしこれは全国値であり、群馬の数字ではありません。

地域別に離職を扱える統計が見つかれば、稿を改めて扱います。

今後使う予定の統計

  • 厚生労働省「就労条件総合調査」の休日・休暇・住宅関連の制度(退職給付以外の項目)
  • 総務省「就業構造基本調査」(就業形態、転職希望、育児と就業の状況)
  • リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」(全国および地域ブロック別)
  • リクルート就職みらい研究所「就職白書」「就職プロセス調査」
  • マイナビ「大学生就職意識調査」「就職モニター調査」

民間の調査を引用する際は、出典と調査時期を明記します。地域別の内訳がない場合は、その旨をあわせて書きます。

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2026年8月24日 ページ公開