前橋市の通勤30分未満は61.5%で、全国50.4%を11.1ポイント上回る(2023年)。一方でテレワークの実施率は11.4%で全国18.9%の0.60倍、副業のある人は5.48%で全国4.95%を上回る。県内5市と群馬県・全国の通勤時間を表で比べた。
車と交通費の記事で、前橋の通勤・通学の76.4%が自家用車であることを示した。東京との比較の記事では、通勤時間の中位数が24.5分で東京43.7分より19.2分短いことも見た。
通勤が短い場所では、働き方はどうなっているのか。
通勤30分未満は61.5%で全国50.4%を11.1ポイント上回る。
ところがテレワークの実施率は11.4%で、全国18.9%の0.60倍。やっていても頻度20%未満が7割を占める。
そして副業のある人は5.48%で全国4.95%を上回る。
対象範囲
通勤時間は総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(統計表ID 0004021722)による。家計を主に支える者が雇用者である主世帯が対象で、前橋市は61,050世帯である。有業者ではない。
割合は自宅・住み込み(1,280世帯)と不詳(890世帯)を分子から除いて当サイトが算出した。公表値ではない。
テレワーク、副業、週間就業時間は総務省「令和4年就業構造基本調査」による。前橋市の有業者160,700人が分母である。
この調査の値は100人単位に丸めた公表値である。内訳の合計が総数と一致しないことがある。市区町村別が取れるのは政令市・県庁所在都市・人口30万以上の市に限られ、県内では前橋市と高崎市のみである。
通勤時間は2023年、それ以外は2022年で年次が揃っていない。
通勤は全国より短い。ただし県内では真ん中
通勤時間の分布を見る。

前橋市の通勤30分未満は61.5%。全国50.4%を11.1ポイント上回る。
1時間以上は6.6%で、全国14.9%の0.44倍。長距離通勤は少ない。
ただし県内で見ると、前橋は真ん中である。太田69.5%、伊勢崎62.0%、桐生61.9%が前橋を上回り、高崎56.6%だけが下回る。「前橋は通勤が短い」とは言えない。
1時間以上でも前橋6.6%は、伊勢崎5.8%・太田5.5%より多い。通勤先の記事で示したとおり、県外へ通う人は2.9%にとどまる。
県内5市と群馬県・全国の通勤時間を並べる(2023年)。
| 地域 | 30分未満 | 30分〜1時間未満 | 1時間以上 |
|---|---|---|---|
| 前橋 | 61.5% | 28.4% | 6.6% |
| 高崎 | 56.6% | 29.6% | 10.4% |
| 伊勢崎 | 62.0% | 29.4% | 5.8% |
| 太田 | 69.5% | 20.8% | 5.5% |
| 桐生 | 61.9% | 26.2% | 8.0% |
| 群馬県 | 63.3% | 26.1% | 7.2% |
| 全国 | 50.4% | 30.2% | 14.9% |
家計を主に支える者が雇用者である主世帯の割合。自宅・住み込みと不詳を分子から除いて当サイトが算出したため、3つの合計は100%にならない。
テレワークは少なく、やっても頻度は低い
働く場所を見る。

前橋市の有業者160,700人のうち、テレワークを実施したのは18,400人。11.4%である。
全国18.9%の0.60倍。高崎12.2%より低く、群馬県9.4%より高い。
頻度も低い。実施者のうち、年間の就業日数に占めるテレワークの日数が20%未満の人が71.2%。全国51.7%より19.5ポイント高い。
実施場所はほぼ自宅である。18,400人のうち17,700人(96.2%)が自宅、サテライトオフィスは100人にとどまる。
副業だけが、全国を上回る
4つの指標を並べる。

副業がある人は8,800人で5.48%。全国4.95%を0.53ポイント上回る。
県内では前橋が最も高い。群馬県4.23%、高崎市4.02%。前橋は高崎の1.36倍にあたる。
週60時間以上働く人は7,500人で4.67%。全国4.88%とほぼ同じである。内訳は60〜64時間3,700人、65〜69時間700人、70〜74時間1,100人、75時間以上2,000人。
4つのうち、前橋が全国を上回るのは通勤の短さと副業の2つだけである。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
通勤が短いから、要らないのか
通勤30分未満が61.5%で、テレワークは11.4%。通勤が短ければ、在宅で働く必要は小さくなる。
ただしこれだけでは説明がつかない。産業構造の記事で、前橋の情報通信業の特化係数が0.532で実質最下位であることを示した。テレワークに向く仕事そのものが少ない。
逆に高い特化係数は農業1.273、教育1.220、公務1.178、医療・福祉1.175。いずれも現場に出る必要がある仕事である。
ただし産業別のテレワーク実施率は、市区町村別では非公表の項目が多い。確かめられない。
副業が多いこと
副業5.48%は全国を上回り、県内でも最も高い。4つの指標のなかで、これだけが違う方向を向いている。
読み方の一つは農業である。産業構造の記事で農業・林業の特化係数1.273が最も高いことを示した。農業の記事では、自給的農家が62.4%増えたことも見た。
勤めながら農地を持つ人がいれば、副業に数えられる可能性がある。
ただしこの統計から、副業の中身は特定できない。本業の産業別の内訳は取れるが、副業そのものの産業は市区町村別では非公表である。
県内で真ん中であること
通勤30分未満は全国より11.1ポイント高いが、県内では5市中4位である。
最も高いのは太田69.5%。外国人の記事で、太田の外国人比率7.04%が前橋3.15%の2.2倍であることを示した。産業構造の記事では外国人就業者の56.8%が製造業だった。
工場の近くに住む人が多ければ、通勤時間は短くなる。ただしこの統計に住む場所と職場の関係はない。
最も低い高崎56.6%は、通勤流動の記事で示した通勤圏の広さと関係する可能性がある。確かめてはいない。
長時間労働は全国並み
週60時間以上は4.67%で、全国4.88%とほぼ同じである。
労働時間の記事で、群馬の総実労働時間137.6時間が全国135.1時間より長いことを示した(2025年平均)。就業形態の記事では、その差の約4割がパート比率の違いで説明できることも見た。
平均は長いが、極端に長い人が多いわけではない。この2つは矛盾しない。
労働災害の記事で、群馬の度数率1.68が全国2.14を下回ることも示した。長く働くことと、危険が増えることは、数字の上ではつながっていない。
このデータの限界
- 割合、倍率、差は当サイトが算出したものである。公表値ではない。
- 通勤時間の分母は「家計を主に支える者が雇用者である主世帯」で、有業者ではない。自宅・住み込みと不詳を分子から除いている。
- 通勤時間は2023年、テレワーク・副業・就業時間は2022年で年次が異なる。
- 就業構造基本調査の値は100人単位に丸めた公表値である。内訳の合計が総数と一致しないことがある。
- 就業構造基本調査の市区町村別は政令市・県庁所在都市・人口30万以上の市に限られる。県内では前橋市と高崎市のみである。
- 週60時間以上は、年間就業日数との入れ子構造から4つの時間階級を合算して算出した。再掲区分で検算したところ、丸めによる100人の差がある。
- テレワークの産業別・職業別は、市区町村別では非公表の項目が多い。
- 副業の中身は特定できない。副業そのものの産業は市区町村別では非公表である。
- 通勤手段別の通勤時間は取れない。通勤時間の統計に交通手段の軸がなく、利用交通手段の統計に時間の軸がないためである。
- 住む場所と職場の位置関係は、この統計からは分からない。
よくある誤解
「前橋は通勤が短い」
全国と比べればそのとおりで、30分未満が61.5%と全国50.4%を11.1ポイント上回ります。ただし県内5市では4位で、太田69.5%・伊勢崎62.0%・桐生61.9%より低くなっています。
「地方はテレワークが進んでいない」
前橋の実施率11.4%は全国18.9%の0.60倍です。ただし実施していても頻度20%未満が71.2%を占めており、全国でも51.7%です。頻度の低さは全国に共通しています。
「群馬は長時間労働が多い」
週60時間以上働く人の割合は前橋4.67%、全国4.88%でほぼ同じです。平均の総実労働時間が長いことと、極端に長い人が多いことは別です。
Q&A
テレワークの頻度20%未満とは何ですか
年間の就業日数に占めるテレワークの日数の割合です。週5日働くうち1日未満にあたります。前橋では実施者18,400人のうち13,100人がこの区分です。
副業にはどんなものが含まれますか
主な仕事以外に収入を得る仕事がある場合です。この統計から中身は特定できません。副業そのものの産業や職業は、市区町村別では公表されていません。
自家用車と鉄道で通勤時間は違いますか
この統計からは分かりません。通勤時間の調査に交通手段の軸がなく、利用交通手段の統計に時間の軸がないためです。両者をクロスした統計は存在しません。
伊勢崎市や太田市のテレワーク実施率は分かりますか
分かりません。就業構造基本調査の市区町村別は人口30万以上の市などに限られ、県内では前橋市と高崎市のみが対象です。
次の更新はいつですか
就業構造基本調査は5年ごとで次回は令和9年(2027年)、住宅・土地統計調査も5年ごとで次回は2028年です。
前橋市のテレワーク実施率はどれくらいですか
2022年は有業者160,700人のうち18,400人で、11.4%です。全国18.9%の0.60倍で、高崎市12.2%より低く、群馬県9.4%より高くなっています。テレワークの導入支援や助成金の情報は、群馬県のテレワークに関する情報一覧のページにまとまっています。
前橋市で通勤に1時間以上かかる人はどれくらいいますか
6.6%です。全国14.9%の0.44倍で、長距離の通勤は少なくなっています。通勤30分未満は61.5%です。
出典
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 63 | 通勤時間の分布とテレワーク・副業・就業時間 2022〜2023年 | 総務省「就業構造基本調査」「住宅・土地統計調査」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月24日 冒頭の段落を追加
- 2026年9月24日 Q&Aと内部リンク、表を追加
- 2026年9月13日 公開
