前橋の再エネ設備は36.3万kW|合計は5市2位、人口当たりは最下位【2026年】

前橋には、太陽光や水力などの発電設備がどれだけあるのか。国の制度に登録された発電設備の容量を、県内の他の市と比べた。

前橋市の再生可能エネルギー発電設備は、2026年3月末で36.3万kW。県内5市で高崎市に次ぐ2位である。

ところが人口1,000人当たりでは1,092kWで、5市の中で最も少ない。

一方、水力とバイオマスを合わせた太陽光以外の設備は、前橋が5市で最も多い。

対象範囲

資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」のB表「市町村別認定・導入量」による。2015年から2026年までの各年3月末の12時点を取得した。

対象は、固定価格買取制度(FIT)とFIP制度に登録された発電設備である。制度の対象外の設備(古い大規模な水力発電や、売電しない自家消費だけの設備など)は入らない。

容量は「導入容量」を使った。制度の開始前からあった設備が移ってきた分も含む。

太陽光の記事では、日照時間と住宅の太陽光パネルの設置率を扱った。この記事は、事業用を含むすべての発電設備の容量を扱う。

合計は2位、人口当たりは5市で最も少ない

県内5市の再生可能エネルギー導入容量。合計は高崎42.2万kW・前橋36.3万kWで前橋2位、人口1,000人当たりは桐生1,437kWが最多で前橋1,092kWが最少
県内5市の再生可能エネルギー発電設備の導入容量(2026年3月末)
導入容量 36.3万kW 5市で2位
人口1,000人当たり 1,092kW 5市で最少
太陽光以外 11,421kW 5市で最大

2026年3月末の導入容量は、高崎市が42.2万kWで最も多い。前橋市は36.3万kWで2位、太田市30.2万kW、伊勢崎市24.0万kW、桐生市15.3万kWと続く。

人口1,000人当たりにすると順位が入れ替わる。桐生市1,437kW、太田市1,356kW、伊勢崎市1,135kW、高崎市1,133kWに対し、前橋市は1,092kWで5市の最下位である。

面積1km²当たりでは、伊勢崎市1,725kW、太田市1,722kWに次いで、前橋市は1,164kWで3位だった。

4分の3は事業用の太陽光

前橋の導入容量のうち、10kW以上の太陽光(主に事業用)が274,537kWで全体の75.7%を占める。10kW未満の太陽光(主に住宅)は76,733kWである。

5市の電源別の内訳は次のとおり(単位はkW)。

市太陽光10kW未満太陽光10kW以上水力バイオマス合計
前橋76,733274,5374,5836,825362,691
高崎81,874335,2371335,250422,493
伊勢崎56,118184,233700240,461
太田66,533230,2471875,335302,303
桐生18,140132,3192,4920152,951

風力は前橋12.8kW・伊勢崎40.0kWで、ほかの3市は0。地熱は5市とも0である。表の「合計」には風力を含むため、前橋と伊勢崎は内訳の合計と一致しない。

2021年までは5市で1位だった

県内5市の再生可能エネルギー導入容量の推移。前橋は2016〜2021年に5市で1位、2022年に高崎に抜かれた
県内5市の再生可能エネルギー発電設備の導入容量(2015〜2026年)

前橋の導入容量は、2015年3月末の97,785kWから2026年3月末は362,691kWへ。11年で3.7倍になった。

2016年から2021年までは、前橋が5市で最も多かった。2022年に高崎市に抜かれ、その後は差が開いている。

伸びも鈍っている。前橋の1年間の増加は2016年の65,843kWが最大で、2026年は7,067kWだった。

2015年から2026年までの各年3月末の導入容量を、すべて並べる。

時点太陽光10kW未満太陽光10kW以上太陽光以外合計
2015年3月末33,10164,57411097,785
2016年3月末36,964126,554110163,628
2017年3月末40,980151,514188192,682
2018年3月末43,970186,2676,938237,175
2019年3月末47,150215,88910,587273,625
2020年3月末50,827233,14810,597294,571
2021年3月末54,535245,97511,421311,931
2022年3月末58,627256,81811,421326,865
2023年3月末63,163260,91711,421335,501
2024年3月末67,576265,46611,421344,463
2025年3月末72,451271,75311,421355,624
2026年3月末76,733274,53711,421362,691

単位はkW。太陽光以外は水力・バイオマス・風力・地熱の合計である。

太陽光以外は前橋が最も多い

県内5市の太陽光以外の再生可能エネルギー導入容量。前橋は水力4,583kWとバイオマス6,825kWで合計11,421kWと5市最大
県内5市の太陽光以外の再生可能エネルギー導入容量(2026年3月末)

太陽光以外の導入容量は、前橋市が11,421kWで5市の中で最も多い。水力4,583kW、バイオマス6,825kW、風力12.8kWである。

太田市は5,522kW、高崎市は5,383kWで、どちらもほとんどがバイオマス。水力が1,000kWを超えるのは、前橋と桐生(2,492kW)だけである。

住宅用の太陽光は11年で2.3倍

10kW未満の太陽光(主に住宅)だけを取り出すと、前橋市は2015年3月末の33,101kWから2026年3月末は76,733kWになった。2.3倍である(当サイトが算出)。

5市の中で伸びが最も大きいのは伊勢崎市の2.5倍、小さいのは桐生市の2.1倍である(当サイトが算出)。

2026年3月末の容量そのものは、5市で高崎市が最も大きい。

10kW未満の太陽光の導入容量を、12時点すべて並べる。

時点前橋高崎伊勢崎太田桐生
2015年3月末33,10133,80022,45629,1238,828
2016年3月末36,96437,60825,12632,3279,494
2017年3月末40,98041,54127,94935,50110,346
2018年3月末43,97044,88530,61838,46311,130
2019年3月末47,15048,41333,12541,58211,875
2020年3月末50,82752,21636,05044,83712,593
2021年3月末54,53555,88038,66747,73213,590
2022年3月末58,62760,37341,97350,88914,468
2023年3月末63,16365,64045,71655,34515,679
2024年3月末67,57670,74749,29858,81516,567
2025年3月末72,45176,49052,97962,68317,386
2026年3月末76,73381,87456,11866,53318,140

単位はkW。倍率は当サイトが算出した。出典は資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用データ」。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

人口が多いと1人当たりは薄まる

前橋は人口が5市で2番目に多いため、合計が大きくても1人当たりは小さくなる。面積当たりでは3位で、土地の広さに対して特に少ないわけではない。

伸びの鈍化は制度の変化とも重なる

全国でも、固定価格での買取価格は年々下がってきた。前橋の伸びが鈍っているのも、同じ流れの中にある可能性がある。ただし、この表からは理由は分からない。

このデータの限界

  • 人口1,000人当たり・面積当たり・割合・倍率は当サイトが算出した。公表値ではない。
  • FIT・FIP制度の対象外の設備(古い大規模水力、売電しない自家消費の設備など)は含まれない。
  • 導入容量は、新しく導入された分と、制度の開始前からの設備が移ってきた分の合計である。
  • 容量は発電できる能力で、実際の発電量ではない。太陽光は天候や時間帯で発電量が大きく変わる。
  • 10kW未満・10kW以上は設備の大きさの区分で、住宅用か事業用かを正確に分けたものではない。
  • 人口と面積は令和2年国勢調査の値を使った。

よくある誤解

「前橋は再エネが多い」

合計は5市で2位ですが、人口1,000人当たりでは5市で最も少なくなります。どの物差しで見るかで評価が変わります。

「再エネの容量=発電量」

容量は発電できる最大の能力です。太陽光は夜や曇りの日には発電しないため、実際の発電量は容量から計算した最大値よりずっと少なくなります。

Q&A

住宅の太陽光パネルの普及率は分かりますか

太陽光の記事で、住宅・土地統計調査にもとづく設置率を扱っています。

次の更新はいつですか

資源エネルギー庁は市町村別の値を定期的に更新しています。1年ごとに最新の3月末の値で更新します。認定・導入量は、資源エネルギー庁の固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイトで公表されています。

前橋市に太陽光発電はどれくらいありますか

2026年3月末の導入容量は、10kW以上の太陽光が274,537kW、10kW未満の太陽光が76,733kWです。合わせて全体の75.7%以上を占めます。

前橋は県内で再エネが多いほうですか

合計では36.3万kWで県内5市の2位ですが、人口1,000人当たりでは1,092kWで5市の最下位です。面積1km²当たりでは1,164kWで3位です。

出典

  • 資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」B表 市町村別認定・導入量(2015〜2026年の各3月末)
  • 総務省「国勢調査」令和2年(人口・面積)

データダウンロード

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94県内5市の再生可能エネルギー発電設備の導入容量(電源別)
2015〜2026年
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更新履歴

  • 2026年9月23日 「住宅用の太陽光は11年で2.3倍」の節を追加
  • 2026年9月23日 Q&Aと内部リンクを追加
  • 2026年9月23日 年別の表と公式ページへのリンクを追加
  • 2026年9月23日 公開