前橋市の地価は住宅地が1㎡あたり51,537円、商業地が70,135円(2026年)。ピークだった1995年の131,533円から60.8%下がり、43年前より30%安い。住宅地と商業地の推移を、取れる11時点すべて表で示した。
設備投資の記事で、前橋の企業が何にお金を使っているかを見た。そこでは土地を除いていた。設備投資額の定義に、土地の取得が含まれないためである。
その土地は、いくらなのか。
前橋市の住宅地は1㎡あたり51,537円。ピークだった1995年の131,533円から60.8%下がった。
1983年の73,758円より30%安い。43年前を下回っている。
高崎との差は用途で違う。住宅地は1.13倍だが、商業地は1.96倍である。
対象範囲
国土交通省「地価公示」による。国土数値情報(L01)として公開されているデータを使った。毎年1月1日を基準とした標準地の価格で、1983年から2026年まで44年分ある。
この記事の平均は、市内の標準地の単純平均である。面積や取引量で重みをつけていない。公表されている平均値ではなく、当サイトが算出した。
標準地の数は年によって変わる。前橋市の住宅地は1983年26地点、1995年45地点、2026年43地点。地点が入れ替わることで、平均も動く。
用途は住宅地・商業地・工業地の3つで見た。工業地は前橋3地点、高崎3地点、伊勢崎2地点、桐生0地点しかない。平均の比較には不十分である。
地価公示は都市計画区域が中心で、群馬県35市町村のうち標準地があるのは28市町村である。
ピークは1995年。いまは43年前より安い
43年の推移を見る。

1983年に73,758円だった住宅地の平均は、1995年に131,533円まで上がった。1.78倍である。
そこから下がり続け、2026年は51,537円。ピークから60.8%の下落である。
1983年の水準を下回ったのは2005年(68,634円)だった。いまは43年前より30%安い。
ただしこの11年は動いていない。2015年51,506円、2020年51,505円、2024年51,168円、2026年51,537円。下げ止まっている。
前橋市の住宅地と商業地の平均価格を、取れる11時点すべて並べる。
| 年 | 住宅地(円/㎡) | 商業地(円/㎡) |
|---|---|---|
| 1983年 | 73,758 | 230,733 |
| 1990年 | 111,500 | 632,909 |
| 1995年 | 131,533 | 669,714 |
| 2000年 | 107,339 | 262,455 |
| 2005年 | 68,634 | 123,200 |
| 2010年 | 60,505 | 87,720 |
| 2015年 | 51,506 | 71,400 |
| 2020年 | 51,505 | 70,915 |
| 2024年 | 51,168 | 69,396 |
| 2025年 | 50,919 | 69,685 |
| 2026年 | 51,537 | 70,135 |
各年1月1日現在の標準地の平均。地点が入れ替わるため、平均も動く。
住宅地はほぼ同じ。商業地で2倍近く開く
高崎と比べる。

住宅地は前橋51,537円、高崎58,327円。1.13倍にとどまる。
ところが商業地は前橋70,135円、高崎137,157円。1.96倍である。
工業地は21,967円と26,800円で1.22倍。ただし3地点ずつの平均なので、比較には慎重さが要る。
住むための土地はほぼ同じ値段で、商売をするための土地は倍近く違う。
県内2位。ただし商業地との差は小さい
5市を並べる。

住宅地では高崎58,327円に次ぐ県内2位。群馬県内で標準地のある28市町村のなかでも2位である。
ところが商業地と住宅地の倍率で見ると、前橋1.36倍は5市で4位。高崎2.35倍、太田1.78倍を下回り、伊勢崎1.27倍、桐生1.31倍と近い。
市内で最も高いのは本町2丁目の179,000円(事務所)。次いで南町3丁目123,000円、千代田町4丁目110,000円(店舗)。住宅地の平均の2.1〜3.5倍である。
標準地の数は住宅地43、商業地26、工業地3
平均価格のもとになる標準地の数は、用途によって違う。前橋市は2026年に住宅地43地点、商業地26地点、工業地3地点である。
工業地は5市とも数地点しかなく、平均の比較には向かない。
住宅地の地点数は5市で最も多い(当サイトが算出)。
2026年の平均価格と(標準地の数)を、用途別に並べる。
| 用途 | 前橋 | 高崎 | 伊勢崎 | 太田 | 桐生 |
|---|---|---|---|---|---|
| 住宅地 | 51,537(43) | 58,327(44) | 33,043(23) | 36,186(35) | 25,673(22) |
| 商業地 | 70,135(26) | 137,157(23) | 41,967(9) | 64,275(12) | 33,740(10) |
| 工業地 | 21,967(3) | 26,800(3) | 22,700(2) | 23,367(3) | -(-) |
単位は円/㎡と地点(かっこ内)。出典は国土交通省「地価公示」(国土数値情報 L01)。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
商業地の差が意味すること
住宅地では1.13倍、商業地では1.96倍。この差は、商売をする場所としての評価の差である。
事業所の記事で、前橋の事業所数が高崎の1.1倍なのに求人は1.4倍であることを示した。産業構造の記事では、情報通信業の求人が高崎に集まっていく様子も見た。
商店街の記事で、中心市街地の休日通行量が令和3年8,517人から7年15,110人へ1.8倍になったことを示した。ただし活性化区域では平成6年から平成27年で82%減っていた。
土地の値段は、そこで商売が成り立つかどうかの評価でもある。ただしこの統計から、因果を確かめることはできない。
住むには安い
住宅地51,537円は高崎の88%。県内では2位だが、高崎との差は小さい。
住まいの記事で、前橋の家賃46,121円が高崎49,738円より3,617円低いことを示した。家賃の差も1.08倍で、地価の1.13倍と近い。
持ち家の記事では、前橋の持ち家率68.6%が2008年から5.9ポイント上がったことも示した。全国は0.3ポイント下がっている。
土地が安く、持ち家が増える。この2つは同じ方向を向いている。
下げ止まっていること
2015年から2026年まで、住宅地の平均は51,000円台で動いていない。11年間ほぼ横ばいである。
1995年から2015年までの20年で60.8%下がったあと、底を打ったように見える。
ただし標準地は入れ替わる。空き家の記事で空き家率15.2%を示したが、使われなくなった土地が標準地から外れれば、平均は下がりにくくなる。
この統計から、地点の入れ替えがどう影響したかは分からない。
設備投資の記事とのつながり
設備投資の記事で、前橋の設備投資が売上比2.06%で5市中最下位であることを示した。設備投資額の定義に土地は含まれない。
工業地の価格は21,967円で、住宅地の0.43倍。事業用の土地としては安い部類である。
ただし工業地の標準地は3地点しかない。この数字で「工場用地が安い」と結論づけることはできない。
群馬県と前橋市は産業団地の情報を公表しているが、統計ではなく個別の物件情報である。分譲価格を市どうしで比べられる形にはなっていない。
このデータの限界
- 平均、倍率、増減率は当サイトが算出したものである。公表値ではない。
- 標準地の単純平均で、面積や取引量で重みをつけていない。
- 標準地の数は年によって変わる。前橋市の住宅地は1983年26地点、1995年45地点、2026年43地点である。地点が入れ替わることで平均も動く。
- 工業地の標準地は前橋3・高崎3・太田3・伊勢崎2・桐生0地点しかない。平均の比較には不十分である。
- 地価公示は都市計画区域が中心で、群馬県35市町村のうち標準地があるのは28市町村である。
- 実際の取引価格ではなく、専門家が評価した価格である。
- 都道府県が実施する地価調査(基準地価、7月1日基準)とは別の調査である。この記事では地価公示のみを扱った。
- 地目別の面積、固定資産税の課税標準額は、市区町村別の統計が公表されていない。
- 産業団地の分譲価格は統計ではなく個別の物件情報である。市どうしで比較できる形にはなっていない。
- 物価の変動を考慮していない。1983年と2026年の金額を、そのまま比べている。
よくある誤解
「地価はバブル崩壊で下がった」
前橋の住宅地のピークは1995年です。1990年は111,500円で、その後も上がり続けました。地方都市では、下落が始まる時期が首都圏より遅れています。
「前橋は土地が安い」
住宅地51,537円は県内2位で、高崎58,327円の88%です。3位の太田36,186円とは1.42倍の差があります。県内では高いほうに入ります。
「いまも下がり続けている」
2015年51,506円、2026年51,537円で、この11年はほぼ横ばいです。下落は2015年ごろまでで、それ以降は動いていません。
Q&A
地価公示とは何ですか
国土交通省が毎年1月1日時点の標準地の価格を評価して公表するものです。実際の取引価格ではなく、不動産鑑定士が評価した価格です。土地取引の目安や、公共事業の用地取得の基準に使われます。
地価調査とは違うのですか
別の調査です。地価公示は国が1月1日基準で都市計画区域を中心に、地価調査は都道府県が7月1日基準で区域外も含めて実施します。両者は補完関係にあります。この記事では地価公示のみを扱いました。
自分の土地の値段は分かりますか
この記事の数値は標準地の平均で、個別の土地の価格ではありません。近隣の標準地は不動産情報ライブラリで検索できます。
工業団地の分譲価格は分かりますか
統計としては公表されていません。群馬県企業局と前橋市が分譲中の団地の情報を公表していますが、個別の物件情報です。市どうしで比較できる形にはなっていません。
次の更新はいつですか
地価公示は毎年3月に公表されます。次回は2027年1月1日時点の価格です。
前橋市の土地の値段はいくらですか
2026年1月1日現在の平均は、住宅地が1㎡あたり51,537円、商業地が70,135円です。市内で最も高いのは本町2丁目の179,000円です。
前橋の地価は上がっていますか
この11年はほとんど動いていません。住宅地の平均は2015年51,506円、2020年51,505円、2026年51,537円です。ピークだった1995年の131,533円からは60.8%下がっています。
出典
- 国土交通省「地価公示」(国土数値情報 L01)1983〜2026年/国土数値情報ダウンロードサイト
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」/国土交通省
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 65 | 県内5市の用途別地価と43年の推移 1983〜2026年 | 国土交通省「地価公示」(国土数値情報 L01) | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月23日 「標準地の数は住宅地43、商業地26、工業地3」の節を追加
- 2026年9月23日 冒頭の段落を追加
- 2026年9月23日 Q&Aと内部リンク、表を追加
- 2026年9月13日 公開
