前橋市の持ち家は借家の2.54倍の広さ|設備は30pt差

前橋市の持ち家は1住宅当たり124.97㎡、借家は49.22㎡で、2.54倍の差がある。高齢者向けの設備がある住宅は持ち家65.4%、借家35.4%で、新しく建った家ほど狭い。建築時期別の延べ面積を表で示した。

持ち家の記事で、前橋の持ち家率68.6%が全国60.9%を上回ることを示した。高齢化率の記事では、2050年に39.7%になる推計も見た。

では、住んでいる家そのものはどうか。

持ち家は1住宅当たり124.97㎡、借家は49.22㎡。2.54倍の差がある。

高齢者向けの設備がある住宅は持ち家65.4%、借家35.4%。30.0ポイントの開きがある。

そして新しく建った家ほど狭い。1970年以前116.83㎡から、2021年以降91.95㎡へ。

対象範囲

すべて総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年)による。統計表IDは0004021424(所有関係別)、0004021431(建築時期別)、0004021640(高齢者等のための設備)、0004025531(耐震診断)である。

倍率、割合、増減率は当サイトが算出した。公表値ではない。

高齢者等のための設備は「専用住宅」のみが対象である。店舗などとの併用住宅を含む総数では、持ち家・借家の内訳が公表されていない。前橋市の専用住宅は持ち家96,060戸・借家41,130戸で、所有関係別の広さ(持ち家98,080戸・借家41,230戸)とは母数が異なる。

建築時期別の面積は調査時点で現存する住宅の値である。建てられた当時の姿とは限らない。取り壊された住宅は含まれない。

持ち家の記事と同じ調査を使っているが、扱う指標は重ならない。持ち家率と住宅ローンの返済額はそちらで扱っている。

持ち家と借家で、広さが2.5倍違う

まず広さを見る。

前橋市の1住宅当たり。持ち家は延べ面積124.97㎡・42.67畳・5.45室、借家は49.22㎡・18.62畳・2.59室
所有関係別の1住宅当たりの広さ(前橋市、2023年)
持ち家 124.97㎡ 42.67畳・5.45室
借家 49.22㎡ 18.62畳・2.59室
倍率 2.54倍 全国は2.61倍

1住宅当たりの延べ面積は持ち家124.97㎡、借家49.22㎡。2.54倍である。

居住室の畳数でも42.67畳と18.62畳で2.29倍、居住室数では5.45室と2.59室で2.10倍。どの指標でも2倍以上の差がある。

借家の中でも違いがある。公営56.56㎡、UR等58.00㎡、給与住宅51.88㎡に対し、民営借家は47.98㎡で最も狭い。前橋の借家41,230戸のうち34,210戸が民営である。

この差は前橋に限らない。高崎2.69倍、群馬県2.64倍、全国2.61倍。前橋の2.54倍は、この中では最も小さい。

借家のバリアフリー化は、持ち家の半分程度

高齢者向けの設備を見る。

前橋市の高齢者等のための設備。設備ありは持ち家65.4%・借家35.4%、手すりは57.5%・23.1%、段差のない屋内は26.6%・13.6%
高齢者等のための設備がある住宅の割合(前橋市、2023年)

何らかの設備がある住宅は持ち家65.4%、借家35.4%。30.0ポイントの差である。

最も差が大きいのは手すりで、57.5%対23.1%の34.4ポイント。借家は持ち家の0.40倍にとどまる。

段差のない屋内は持ち家26.6%、借家13.6%。持ち家でも4軒に3軒は段差がある。

車いすで通れる幅の廊下は持ち家17.8%・借家8.5%、道路から玄関まで車いすで通れるのは10.9%・7.1%。どれも1割前後にとどまる。

新しく建った家ほど、狭くなっている

建てられた時期で分けて見る。

建築時期別の1住宅当たり延べ面積。前橋市は1970年以前116.8㎡から2021〜23年92.0㎡へ21.3%減、全国は115.1㎡から79.8㎡へ30.7%減
建築時期別の1住宅当たり延べ面積(2023年調査)

1970年以前に建てられた住宅は116.83㎡、2021年以降は91.95㎡。21.3%狭い。

全国は115.09㎡から79.78㎡へ30.7%減。前橋のほうが減り方は小さい。

ただし単調に減っているわけではない。1981〜90年の100.92㎡から1991〜2000年の107.54㎡へ、一度広くなっている。全国も同じ時期に反転している。

1980年以前に建てられた住宅は前橋で26,230戸、全体の18.4%である。全国19.8%、高崎17.7%。

建築時期別の1住宅当たり延べ面積を、7区分すべて並べる(2023年調査)。

建築時期前橋市(㎡)高崎市(㎡)全国(㎡)
1970年以前116.83134.82115.09
1971〜1980年102.34107.5696.77
1981〜1990年100.92101.9691.50
1991〜2000年107.54111.4993.29
2001〜2010年103.0695.9388.13
2011〜2020年96.8596.8184.41
2021〜2023年9月91.9598.1879.78

調査時点で現存する住宅の値である。取り壊された住宅は含まれない。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

高齢化に対して、住宅の備えは薄い

高齢化率の記事で、2050年に39.7%になる推計を示した。高齢者の就業の記事では、70〜74歳の男性の44.0%が働いていることも見た。

ところが段差のない屋内は持ち家26.6%、借家13.6%。大半の住宅に段差がある。

手すりは持ち家57.5%と過半数に入っているが、借家は23.1%にとどまる。

ただし設備の有無と、そこに高齢者が住んでいるかは別である。この統計に、世帯の年齢構成との組み合わせはない。

借りて住むという選択

面積で2.54倍、設備で30.0ポイントの差がある。借家は狭く、設備も少ない。

持ち家の記事で、前橋の持ち家率68.6%が2008年の62.7%から5.9ポイント上がったことを示した。全国は0.3ポイント下がっている。

家賃は前橋46,121円で全国59,643円の0.77倍。高崎49,738円より3,617円低い。安いが、その分狭い。

ただしこの差が選択の結果か、選択肢の不足かは分からない。この統計から、住み替えの希望は読めない。

耐震診断が進んでいない

2019年以降に耐震診断を受けた持ち家は、前橋で8,580戸。8.75%である。

全国12.01%、高崎10.22%、群馬県8.40%。前橋は全国を3.26ポイント下回る。

耐震改修工事をした持ち家は1,290戸で1.32%。旧耐震の26,230戸に対して4.9%にあたる。

防災の記事で、前橋の災害復旧費が1人当たり898円で桐生10,395円の8.6%にとどまることを示した。災害が少ないことと、備えが進むことは別である。

狭くなっていることの読み方

新しい住宅ほど狭い。前橋で21.3%、全国で30.7%の差がある。

これは取り壊されずに残った古い家が大きいという見方もできる。小さい家から先に建て替えられれば、古い年代の平均は上がる。

空き家の記事で、前橋の空き家率15.2%のうち賃貸用が14,940戸で最も多いことを示した。住宅が余っているなかで、新築は小さくなっている。

世帯人員の変化も関係する可能性がある。ただしこの統計に世帯人員との組み合わせはない。

このデータの限界

  • 倍率、割合、増減率は当サイトが算出したものである。公表値ではない。
  • 高齢者等のための設備は「専用住宅」のみが対象である。併用住宅を含む総数では持ち家・借家の内訳が公表されていない。所有関係別の広さとは母数が異なる。
  • 建築時期別の面積は、調査時点で現存する住宅の値である。取り壊された住宅は含まれず、建てられた当時の姿とも限らない。
  • 設備の有無と、そこに高齢者が住んでいるかは別である。世帯の年齢構成との組み合わせはない。
  • 借家の種類別(民営・公営・UR・給与住宅)の家賃は、都道府県と21大都市までで市区町村別は取れない。
  • 1畳当たりの家賃も市区町村別は取れない。
  • 住宅ローンの返済額と年間収入に対する返済割合は、住宅・土地統計調査に市区町村別の表がない。家計構造調査にもとづく数値は持ち家の記事で扱っている。
  • 耐震診断は2019年以降に受けたものに限られる。それ以前の診断は含まれない。
  • 住み替えの希望や、いまの住宅への満足度は、この統計からは読めない。
  • 住宅・土地統計調査は5年ごとで、最新は令和5年(2023年)である。

よくある誤解

「地方は家が広い」

持ち家は124.97㎡で全国118.25㎡を上回りますが、借家は49.22㎡で全国45.39㎡との差は3.83㎡です。広いのは主に持ち家のほうです。

「バリアフリーは進んでいる」

手すりがある住宅は持ち家57.5%と過半数ですが、段差のない屋内は26.6%、車いすで通れる幅の廊下は17.8%です。借家ではそれぞれ23.1%、13.6%、8.5%にとどまります。

「古い家は狭い」

逆です。1970年以前に建てられた住宅は116.83㎡で、2021年以降の91.95㎡より広くなっています。ただしこれは現存する住宅の値で、取り壊されたものは含まれません。

Q&A

前橋の家賃はいくらですか

1か月当たり46,121円です(家賃0円を含む。含まない場合は46,668円)。全国59,643円の0.77倍、県内では高崎49,738円に次いで2番目に高くなっています。

民営借家とそれ以外で違いますか

広さは違います。公営56.56㎡、UR等58.00㎡、給与住宅51.88㎡に対し、民営借家は47.98㎡で最も狭くなっています。ただし種類別の家賃は市区町村別では公表されていません。

旧耐震とは何ですか

1981年6月に建築基準法の耐震基準が改正される前の基準です。この記事では1980年以前に建てられた住宅を旧耐震として扱い、前橋市では26,230戸・18.4%にあたります。

住宅ローンの返済額は分かりますか

この記事では扱っていません。持ち家と住宅ローンの記事で、全国家計構造調査にもとづく月37,805円という数値を示しています。住宅・土地統計調査に返済額の市区町村別の表はありません。

次の更新はいつですか

住宅・土地統計調査は5年ごとで、最新は令和5年(2023年)です。次回は2028年の調査となります。

前橋の持ち家の広さは平均どれくらいですか

1住宅当たりの延べ面積は持ち家124.97㎡、借家49.22㎡で、2.54倍です。持ち家は全国118.25㎡を上回ります。

耐震診断を受けた家はどれくらいありますか

2019年以降に耐震診断を受けた持ち家は8,580戸で、8.75%です。全国12.01%を3.26ポイント下回ります。耐震改修工事をした持ち家は1,290戸で1.32%です。木造住宅の耐震診断は、前橋市の木造住宅耐震診断者派遣・木造住宅耐震改修訪問相談事業のページで確認できます。

出典

  • 総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(統計表ID 0004021424、0004021431、0004021480、0004021640、0004025531、0004025554)/e-Stat

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62県内5市の住宅の広さ・家賃・設備・耐震
2023年
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更新履歴

  • 2026年9月24日 冒頭の段落を追加
  • 2026年9月24日 Q&Aと内部リンク、表を追加
  • 2026年9月13日 公開