前橋市の外国人住民は10,353人(2024年度末)で、総人口の3.15%。伊勢崎7.73%、太田7.04%の4割の水準にとどまる。群馬県の外国人就業者は56.8%が製造業で、全体の23.2%を大きく上回る。県内5市と群馬県・全国の外国人住民の割合を表で比べた。
求人の記事で、前橋は仕事がないのではなく製造業だけが県平均の半分であることを示した。
その製造業を、誰が担っているのか。
群馬県の外国人就業者の56.8%が製造業で働いている。全体は23.2%なので、33.6ポイントの開きがある。
前橋市の外国人住民は10,353人で総人口の3.15%。伊勢崎7.73%、太田7.04%と比べると4割の水準にとどまる。
在留資格で最も多いのは留学の26.6%(2025年12月末)。永住者は15.5%で2番目である。
対象範囲
この記事は3つの統計を使っている。定義と時点が異なるため、数値を比べる際は注意が要る。
住民基本台帳(社会・人口統計体系 統計表ID 0000020201)は住民登録にもとづく。前橋市の外国人は2024年度末で10,353人。市区町村別に取れ、2013年度から追える。
在留外国人統計(出入国在留管理庁)は在留資格を持つ人の統計で、国籍別・在留資格別が市区町村まで取れる。この記事では最新の2025年12月末を使った。
国勢調査(令和2年)は労働力状態と産業別就業者数に使った。産業別は人口50万以上の市までしか公表されず、前橋市は取れない。そのため産業の話は群馬県の数値である。
比率と構成比は当サイトが算出した。公表値ではない。
外国人就業者の半分以上が製造業
群馬県の外国人就業者は29,240人。全就業者949,945人の3.08%にあたる。その産業別の構成が、全体とまったく違う。

製造業は外国人56.8%に対し全体23.2%。33.6ポイントの差である。
逆に少ないのが医療・福祉で、外国人3.2%に対し全体13.3%。10.1ポイント少ない。卸売業・小売業も7.2%対14.4%で7.2ポイント下回る。
製造業の就業者に占める外国人の割合は7.5%。全産業の3.08%の2.4倍にあたる。群馬の製造業は、13人に1人が外国人である。
前橋の外国人比率は伊勢崎の4割
市ごとに見ると差が大きい。

前橋市は3.15%。伊勢崎7.73%、太田7.04%の4割の水準にとどまる。群馬県4.27%も下回り、全国2.96%をわずかに上回る程度である。
ただし増え方は速い。2013年度の1.18%(4,024人)から2024年度の3.15%(10,353人)へ、11年で人数は2.57倍になった。
県内で最も低いのは高崎市の2.09%である。桐生2.65%も前橋を下回る。
県内5市と群馬県・全国の外国人住民を並べる(2024年度末)。
| 地域 | 外国人住民(人) | 総人口(人) | 外国人の割合 |
|---|---|---|---|
| 前橋 | 10,353 | 329,120 | 3.15% |
| 高崎 | 7,651 | 365,972 | 2.09% |
| 伊勢崎 | 16,389 | 212,084 | 7.73% |
| 太田 | 15,698 | 223,075 | 7.04% |
| 桐生 | 2,680 | 101,185 | 2.65% |
| 群馬県 | 81,396 | 1,907,976 | 4.27% |
| 全国 | 3,677,463 | 124,330,690 | 2.96% |
住民基本台帳にもとづく。割合は当サイトが算出した。
最も多いのは留学
どんな在留資格で住んでいるのか。

最も多いのは留学の26.6%で、3,147人。次いで永住者15.5%、特定技能1号9.6%、技術・人文知識・国際業務9.0%と続く。2023年6月末は永住者22.3%が最も多く、留学は15.4%だった。
永住者・特別永住者・定住者・日本人の配偶者等を合わせると25.8%。4人に1人が、期間の定めなく、あるいは長期に住める資格を持っている。2023年6月末は36.3%だった。
一方で技能実習と特定技能の合計は23.6%。群馬県25.6%より低く、全国20.5%より高い。前橋は全国より3.1ポイント高い。
国籍の構成も変わった。2017年6月は中国が1,227人で最多だったが、2025年12月はベトナムが2,087人で最多、ネパールが1,984人で2番目になった。中国は21.1%から10.9%へ、ベトナムは17.0%から17.6%へ動いた。ネパールは2023年6月の670人から3倍近くに増えている。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
製造業が少ない市は、外国人も少ない
外国人比率が高いのは伊勢崎7.73%と太田7.04%。低いのは高崎2.09%と桐生2.65%で、前橋3.15%はその間にある。
求人の記事で示した2025年の製造業の新規求人は、伊勢崎3,292人、高崎2,688人、前橋1,770人だった。人口規模では前橋が高崎に次ぐのに、製造業の求人は伊勢崎の半分近い。
外国人就業者の56.8%が製造業であることと合わせると、製造業の厚い市に外国人が多いという関係が見える。
ただし高崎は製造業の求人が前橋より多いのに外国人比率は最も低い。産業構成だけでは説明がつかない。
「働きに来ている人」と「住んでいる人」
在留資格の構成には2つの層がある。永住者を中心とする25.8%と、技能実習・特定技能の23.6%である。これとは別に、留学が26.6%で最も大きい。
前者は期間の定めがない、あるいは更新して住み続けられる資格。後者は在留期間に上限があり、家族の帯同も制限される。
家族滞在が7.9%あることも見ておきたい。家族と暮らしている人が一定数いる。
学校別の記事で、市立小学校の児童数が2022年から2026年で6.9%減ったことを示した。外国籍の児童がどれだけいるかは、この統計からは分からない。
労働力率は日本人より高い
前橋市の15歳以上の外国人4,658人のうち、労働力人口は3,244人。労働力率は79.7%である。
総数の61.2%と比べると18.5ポイント高い。群馬県では83.3%対62.4%で20.9ポイントの差がある。
これは年齢構成の違いで説明できる可能性がある。高齢化率の記事で示したとおり、前橋の高齢化率は30.2%(2020年)。外国人に高齢者が少なければ、労働力率は高く出る。
ただし外国人の年齢構成は、この記事では扱っていない。確かめられない。
支える側が減るなかで
高齢化率の記事で、2050年までに15〜64歳が28.4%減る推計を示した。高齢者の就業の記事では、65歳以上の労働力率が上がっていることも見た。
外国人住民は11年で2.57倍になった。ただし絶対数は10,353人で、総人口の3.15%にとどまる。
同じ期間に前橋市の総人口は減っている。外国人の増加が、人口減少をどれだけ補っているかは、この記事では計算していない。
このデータの限界
- 比率と構成比は当サイトが算出したものである。公表値ではない。
- 3つの統計を使っており、定義と時点が異なる。住民基本台帳は2024年度末、在留外国人統計は2025年12月末、国勢調査は2020年10月1日である。
- 産業別就業者数の市区町村別は人口50万以上の市までで、前橋市は取れない。この記事の産業の数値は群馬県のものである。
- 在留外国人統計の2025年12月末の在留資格別・国籍別は、公表ファイル(テーブルデータ)の内部データから市区町村別に集計したもので、全市区町村の合計が公表値と一致することを確かめている。
- 外国人労働者数そのもの(厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況)は都道府県までで、市区町村別は存在しない。
- 外国人の年齢構成は扱っていない。労働力率が高い理由は確かめられない。
- 外国籍の児童生徒数は、この記事で使った統計には含まれない。
- 国勢調査の労働力状態には「不詳」が590人あり、労働力率の算出では分母から除いている。
よくある誤解
「群馬は外国人が多い」
群馬県4.27%は全国2.96%を上回ります。ただし市によって差が大きく、伊勢崎7.73%・太田7.04%に対し、高崎は2.09%で全国を下回ります。前橋は3.15%です。
「外国人は技能実習生が中心」
前橋市で最も多い在留資格は留学の26.6%で、永住者15.5%が続きます(2025年12月末)。技能実習と特定技能の合計は23.6%で、留学より少なくなっています。永住者・特別永住者・定住者・日本人の配偶者等を合わせると25.8%になります。
「外国人が増えて人口減少が止まった」
外国人住民は11年で2.57倍になりましたが、絶対数は10,353人で総人口の3.15%です。同じ期間に前橋市の総人口は減っています。
Q&A
前橋市の産業別の内訳は分かりますか
分かりません。国勢調査の外国人の産業別就業者数は人口50万以上の市までしか公表されていないためです。この記事の産業の数値はすべて群馬県のものです。
外国人労働者の数は分かりますか
市区町村別では分かりません。厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況」は都道府県までです。この記事では国勢調査の就業者数を使っています。外国語で相談できる県内の窓口は、群馬県の外国語で相談できる窓口についてのページで確認できます。
なぜ住民基本台帳と国勢調査で人数が違うのですか
調査の方法と時点が違うためです。住民基本台帳は住民登録にもとづく2024年度末の数値、国勢調査は2020年10月1日時点の実地調査です。前橋市では住基10,353人に対し国勢調査5,505人でした。
技能実習と特定技能の違いは
技能実習は技能移転による国際協力を目的とする制度、特定技能は人手不足の分野で就労するための在留資格です。特定技能1号は在留期間の上限が通算5年で家族の帯同は基本的に認められず、2号は期間の更新が可能で家族の帯同もできます。
次の更新はいつですか
住民基本台帳にもとづく数値は毎年、在留外国人統計は6月末と12月末の年2回公表されます。国勢調査は5年ごとで、令和7年調査の就業関係の集計はまだ公表されていません。
前橋市に住む外国人は何人ですか
2024年度末の住民基本台帳で10,353人、総人口の3.15%です。2013年度の4,024人から、11年で2.57倍になりました。県内5市では伊勢崎市7.73%、太田市7.04%が高く、前橋市はその4割の水準です。
前橋市で最も多い外国人の国籍はどこですか
2025年12月末ではベトナムが2,087人で最も多く、構成比は17.6%です。2番目はネパールの1,984人です。2017年6月は中国が1,227人で最多でしたが、中国の構成比は21.1%から10.9%に下がりました。
出典
- 総務省「社会・人口統計体系」A人口・世帯 廃置分合処理済(統計表ID 0000020201、0000010101)/e-Stat 地域統計
- 出入国在留管理庁「在留外国人統計」2025年12月末(国籍・地域別 在留資格別 市区町村別 テーブルデータ)、2023年6月末・2025年6月末、2012〜2017年(統計表ID 0003147283)/e-Stat
- 総務省「令和2年国勢調査」就業状態等基本集計(統計表ID 0003450668、0003450687)/e-Stat
データダウンロード
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 51 | 県内5市の外国人住民数と在留資格・国籍別の内訳 2012〜2025年 | 総務省「社会・人口統計体系」「国勢調査」/出入国在留管理庁「在留外国人統計」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月24日 最新の統計に更新(結論を見直し)
- 2026年9月24日 冒頭の段落を追加
- 2026年9月24日 Q&Aと内部リンク、表を追加
- 2026年9月22日 公式窓口へのリンクを追加
- 2026年9月11日 公開
