前橋市の中学生は5年で7.1%減|学級数は3.6%増【2026年】

学校別の記事で、前橋市立小学校48校のうち35校で児童が減ったことを示した。中学校はどうか。

減り方はほぼ同じだった。ただし1つだけ、小学校と逆のことが起きていた。

前橋市立中学校の生徒数は2022年7,929人から2026年7,368人へ、7.1%減った。

ところが学級数は304から315へ3.6%増えている。生徒が減って学級が増えた。

1学級当たりは26.1人から23.4人へ、10.3%減った。

対象範囲

前橋市教育委員会「5月1日現在の児童生徒数、園児数及び学級数」による。公開されているのは令和4年(2022年)から令和8年(2026年)までの5年分である。

対象は市立中学校21校。本校20校と南橘中学校みやま分校である。国立の群馬大学共同教育学部附属中学校と、私立の共愛学園中学校は含まれない。前橋市内の私立中学校は共愛学園1校のみである(群馬県私立学校名簿、令和8年5月1日現在)。

地区は学校の住所から判定した。前橋市統計書の町別人口表に記載された地区所属町名と照合している。旧町村部は大胡中・宮城中・粕川中・富士見中の各1校ずつで、残る17校は旧前橋市域である。

増減率、地区別の集計、1学級当たりの人数は当サイトが算出した。公表値ではない。

生徒は減り、学級は増えた

生徒数は2022年7,929人から2026年7,368人へ、7.1%減った。小学校の6.9%減とほぼ同じである。

違うのは学級数である。

前橋市立中学校の生徒数と学級数の推移。生徒数は7,929人から7,368人へ減少する一方、学級数は304から315へ増加
生徒数と学級数の推移(前橋市立中学校21校、2022〜2026年)
生徒数(2026年) 7,368人 2022年から7.1%減
学級数 +3.6% 304→315。生徒が減って学級が増えた
1学級当たり 23.4人 26.1人から10.3%減

304学級から315学級へ、3.6%増えている。小学校は708から706で0.3%減だった。

結果、1学級当たりの生徒数は26.1人から23.4人へ、10.3%減った。小学校は21.6人から20.2人で6.5%減である。中学校のほうが、教育環境の変化が大きい。

1年生は2,519人から2,274人へ9.7%減。生徒全体の7.1%減より大きい。

21校のうち16校で減った

学校ごとに見る。

前橋市立中学校21校の生徒数増減率。六中7.9%増から明桜中・粕川中22.2%減まで
市立中学校21校の生徒数増減率(2022年→2026年)

16校で減り、4校で増え、1校が同数だった。増えたのは六中7.9%増、東中7.0%増、芳賀中4.3%増、鎌倉中1.2%増である。

減ったほうは明桜中と粕川中がともに22.2%減、みずき中17.1%減、富士見中16.0%減、箱田中15.0%減。

地区別では旧前橋市域17校が5.1%減、旧町村部4校が15.0%減。旧市域の2.9倍である。小学校の2.6倍と近い。

ただし旧町村部は各地区1校ずつしかない。1校の動きがそのまま地区の数字になるため、小学校ほど安定した比較にはならない。

附属中の定員削減は、附属小の3分の1

前回の記事で、附属小が定員を960人から630人へ34.4%減らしていたことを示した。附属中はどうか。

群馬大学附属中学校と附属小学校の定員推移。2008年を100として、附属中は87.5、附属小は65.6
附属中学校と附属小学校の定員(2008年=100、2008〜2025年)

附属中の定員は480人から2016年460人、2017年440人、2018年以降420人。12.5%の削減にとどまる。附属小の34.4%とは大きく違う。

現員も480人から408人へ15.0%減。附属小の32.4%減の半分以下である。

充足率は2008年から2015年まで99.6〜100.0%を維持し、定員削減後も96〜97%台。附属小より一貫して高い。

2024年度の設置者別で見ると、市立21校が7,592人、附属中が408人、共愛学園中が281人(推計)。市立91.7%、附属4.9%、私立3.4%である。小学校の市立93.9%・附属3.8%・私立2.2%と比べると、中学校のほうが市立以外の割合が高い。

21校はどこにあるか

数字だけでは、どの学校のことか分からない。位置と一覧をまとめる。

前橋市の中学校22校の位置と生徒数の増減。減った明桜・粕川・みずき・富士見・箱田は中心部にも外側にもあり、増えた第六・東・芳賀・鎌倉も分散している
前橋市の中学校の位置と生徒数の増減(2022〜2026年)

赤い丸が生徒の減った学校、緑が増えた学校である。丸の大きさは増減率の絶対値を表す。

減った5校は、中心部にも外側にもある。粕川−22.2%と富士見−16.0%は旧町村部だが、明桜−22.2%、みずき−17.1%、箱田−15.0%は旧市域である。

増えた4校も分散している。第六+7.9%、東+7.0%、芳賀+4.3%、鎌倉+1.2%。

小学校とは違う形になる

小学校の記事では、旧町村部の減り方が旧市域の2.6倍だった。地域による差がはっきりしていた。

中学校では、その形にならない。最も減った明桜−22.2%と粕川−22.2%は同率で、一方は旧市域、一方は旧粕川村である。

ただし中学校は21校しかなく、小学校の48校より1校あたりの区域が広い。地域差が平均されて見えにくくなっている可能性がある。

旧町村部の4校(大胡・宮城・粕川・富士見)のうち、記事で数値を挙げたのは粕川と富士見の2校である。大胡と宮城の増減は扱っていない。

地図にない1校

市立21校に対し、地図には20校しかない。

南橘中学校みやま分校が、前橋市の「市内の小中学校等一覧」に掲載されていない。住所も公表されていないため、位置を示せない。

小学校の記事でも同じことが起きている。荒牧小学校みやま分校も一覧にない。

22校の一覧

市立20校は、校名をクリックすると前橋市の公式ページが開く。増減率は本記事で扱った9校のみ記載している。

校名住所区分増減率
第一南町一丁目20-5旧前橋
みずき日吉町三丁目9-2旧前橋−17.1%
第三平和町二丁目13-24旧前橋
第五文京町三丁目20-5旧前橋
第六総社町総社1762-1旧前橋+7.9%
第七宮地町260-1旧前橋
明桜後閑町50-4旧前橋−22.2%
桂萱上泉町175旧前橋
芳賀鳥取町796旧前橋+4.3%
元総社総社町総社3060旧前橋
東光が丘町3旧前橋+7.0%
箱田前箱田町396-1旧前橋−15.0%
南橘荒牧町975旧前橋
鎌倉上細井町2130旧前橋+1.2%
木瀬小屋原町1811-1旧前橋
荒砥荒子町1338旧前橋
大胡堀越町1152旧大胡
宮城鼻毛石町1564-1旧宮城
粕川粕川町西田面138旧粕川−22.2%
富士見富士見町田島954-1旧富士見−16.0%
群馬大学共同教育学部附属上沖町612国立—
共愛学園小屋原町1115-3私立—

市立は20校(本校)で、旧前橋市域が16校、旧町村部が4校。大胡・宮城・粕川・富士見に各1校である。

ほかに国立の群馬大学共同教育学部附属中学校と、私立の共愛学園中学校がある。この2校は本記事の21校に含まれない。

国立と私立の2校はリンクしていない。市の公式ページに個別の紹介がなく、各校のサイトへ直接リンクすることは当サイトの方針として避けている。

各校の詳しい情報は、前橋市「市内の小中学校等一覧」で確認できる。この一覧は2026年9月時点のものである。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

学級が増えたのは、生徒が減ったからではない

生徒が7.1%減って学級が3.6%増えるのは、一見すると不思議に見える。

説明は2つ考えられる。1つは1学級の人数の上限が下がったこと。もう1つは特別支援学級の増加である。この資料には通常学級と特別支援学級が両方含まれる。

この統計からはどちらが効いているか分からない。ただし1学級当たりが26.1人から23.4人へ10.3%下がっていることは事実で、教育環境としては改善している。

前々回の記事で、児童が半減しても学校は3校しか減らないことを示した。前回は学級も0.3%しか減らないと書いた。中学校では、減るどころか増えている。

中学校のほうが、市立以外の選択肢が使われている

市立以外の割合は、小学校6.1%に対し中学校8.3%。中学校のほうが高い。

これは自然な結果である。中学受験という選択肢があり、附属中も共愛学園中も外部から生徒を受け入れる。附属小から附属中へ内部進学する生徒に加えて、市立小学校からの入学がある。

附属中が附属小ほど定員を減らさなかったことも、この構図と整合する。附属小は定員を34.4%減らしても充足率が92.9%から95.7%にしか上がらなかった。附属中は削減前から100%近くを維持している。需要の強さが違う。

ただし共愛学園中の生徒数は公表されていない。281人という数字は、市全体から市立と附属を引いた推計値である。

増えた学校は、小学校と重なる

中学校で増えた4校のうち、六中と東中は市の中心部から東側、芳賀中は北東部にある。

小学校の記事で増えた11校を見ると、元総社地区や市の南西部が中心だった。完全には重ならない。

中学校の学区は複数の小学校をまとめるため、小学校ほど細かい地域差は出ない。21校と48校では、そもそも粒度が違う。

そして中学校の生徒は3年間しか在籍しない。小学校の1年生が11.0%減っていることを考えると、中学校の減り方はこれから加速する可能性がある。

このデータの限界

  • 公開されているのは2022年から2026年の5年分のみである。それ以前の学校別データは公開されていない。
  • 対象は市立中学校21校のみである。国立・私立は含まれない。
  • 増減率、地区別集計、1学級当たりの人数は当サイトが算出した値である。公表値ではない。
  • 旧町村部は各地区1校ずつしかない。1校の動きがそのまま地区の数字になるため、小学校ほど安定した比較にはならない。
  • 学級数には通常学級と特別支援学級が含まれる。この統計では区別できないため、学級が増えた理由は特定できない。
  • 共愛学園中学校の生徒数は公表されていない。281人は市全体から市立と附属中を引いた推計値である。
  • 附属中・共愛学園中がどこから生徒を受け入れているかは分からない。市外からの通学も含まれる。
  • 4年間の変化であり、長期の傾向とは限らない。

よくある誤解

「生徒が減れば学級も減る」

中学校では逆でした。生徒が7.1%減った一方、学級は3.6%増えています。1学級当たりの上限や特別支援学級の状況によって、学級数は生徒数に単純比例しません。

「私立や附属に流れて市立が減っている」

附属中の定員は2008年480人から2018年以降420人へ12.5%減っています。附属も縮小しており、市立から一方的に流出しているわけではありません。ただし附属小の34.4%減と比べると削減幅は小さく、充足率も高い水準を保っています。

「中学校は統廃合されていない」

この5年間、学校数は21校のまま変わっていません。ただし生徒数は7.1%減っており、1校当たりは377.6人から350.9人になりました。統廃合がないことと、規模が縮んでいないことは別です。

Q&A

前橋の私立中学校は何校ありますか

共愛学園中学校の1校のみです。群馬県私立学校名簿(令和8年5月1日現在)で確認しました。小学校も共愛学園小学校の1校のみです。

附属中の生徒はどこから来ているのですか

公表されていません。附属小からの内部進学と外部からの入学がありますが、内訳も出身地域も分かりません。市外から通う生徒も含まれます。

特別支援学級は何学級ありますか

この資料には特別支援学級の欄がありますが、この記事では通常学級と合算した学級数を使いました。内訳を分けた集計は行っていません。

高校のデータはありますか

市立中学校の資料には含まれません。国の統計には前橋市の高校の学校数と生徒数がありますが、教員数はなく、学校別のデータもありません。稿を改めて扱えるか検討します。

次の更新はいつですか

毎年5月1日現在の数値が公表されます。次回は令和9年(2027年)分となります。

出典

  • 前橋市教育委員会 学務管理課「5月1日現在の児童生徒数、園児数及び学級数」令和4年〜令和8年/前橋市
  • 群馬大学「大学概要」資料編 共同教育学部附属学校園(2008年版〜2025年版)/群馬大学
  • 群馬県「私立学校名簿」令和8年5月1日現在(私立中学校の確認)
  • 総務省「社会・人口統計体系 市区町村データ」E教育(国立・私立を含む生徒数)

データダウンロード

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㊶前橋市立小中学校の学校別・学年別児童生徒数と学級数
2022〜2026年の5月1日現在
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2008〜2025年
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更新履歴

  • 2026年9月8日 公開