前橋の刑法犯は2,466件|人口当たり県内5市で3位、自転車盗が最多【2025年】

前橋の治安は、数字で見るとどうなのか。県警が公表する刑法犯の認知件数を、人口当たりで県内の他の市や全国と比べた。

前橋市の刑法犯認知件数は2025年に2,466件。人口1,000人当たり7.49件で、県内5市の3位だった。

2021年の4.68件を底に、4年で1.6倍に増えている。ただし県も全国も同じ向きで動いている。

手口で最も多いのは自転車盗の513件。忍込みは14件から58件へ4倍になった。

対象範囲

群馬県警察「犯罪発生状況資料」の2019年から2025年(各年の1〜12月)による。市町村別の総数と、11の手口別の件数を使った。

全国の値は警察庁「刑法犯に関する統計資料」による。人口1,000人当たりは、各年1月1日の住民基本台帳人口で割って当サイトが算出した。

「認知件数」の意味

認知件数は、警察が届出や通報などで把握した事件の数である。実際に起きた事件のすべてではなく、届け出られなかった事件は入らない。

刑法犯には、窃盗のほか暴行・傷害・詐欺・器物損壊などが含まれる。交通事故(交通事故の記事で扱った)は別の統計である。

2021年を底に増えている

人口1,000人当たりの刑法犯認知件数の推移。前橋は2021年4.68件から2025年7.49件、群馬県8.01件、全国6.23件
人口1,000人当たりの刑法犯認知件数(2019〜2025年)
認知件数 2,466件 2025年
1,000人当たり 7.49件 5市で3位
2021年比 1.6倍 4.68件から

前橋市の認知件数は、2019年の2,119件から2021年には1,567件まで減った。その後は増え、2025年は2,466件である。

人口1,000人当たりでは4.68件から7.49件へ。群馬県全体も4.64件から8.01件、全国も4.49件から6.23件へ増えており、前橋だけの動きではない。

年認知件数住基人口1,000人当たり
2019年2,119337,5026.28
2020年1,824336,1155.43
2021年1,567335,0554.68
2022年1,735333,2635.21
2023年2,449331,7717.38
2024年2,405329,8607.29
2025年2,466329,1207.49

5市では3位。太田・伊勢崎が10件超

県内5市の人口1,000人当たり刑法犯認知件数(2025年)。太田10.98件、伊勢崎10.18件、前橋7.49件、桐生7.25件、高崎7.01件
県内5市の人口1,000人当たり刑法犯認知件数(2025年)

2025年の1,000人当たり認知件数は、太田市10.98件、伊勢崎市10.18件が高い。前橋市は7.49件で3位、桐生市7.25件、高崎市7.01件と続く。

前橋は県平均の8.01件を下回り、全国の6.23件を上回る。2019年から2023年も3位で、2024年だけ4位だった。

年前橋高崎伊勢崎太田桐生群馬県全国
20196.285.457.658.074.475.915.87
20205.435.115.886.963.905.064.83
20214.684.335.716.233.964.644.49
20225.215.056.687.164.225.234.78
20237.385.968.818.466.896.905.61
20247.296.8910.589.027.317.605.91
20257.497.0110.1810.987.258.016.23

単位は件(人口1,000人当たり)。

自転車盗が最多、忍込みが4倍

前橋市の手口別刑法犯認知件数(2019年と2025年)。自転車盗382件から513件、器物損壊等237件から145件、忍込み14件から58件
前橋市の手口別の刑法犯認知件数(2019年と2025年)

県警が公表する手口別で最も多いのは自転車盗で、2025年に513件。2019年の382件から1.3倍になった。

忍込み(夜間に人が寝ている家に入る)は14件から58件へ4倍、空き巣は49件から66件、自動車盗は39件から57件に増えた。

一方、器物損壊等は237件から145件、車上ねらいは119件から72件に減っている。

増えたのは「盗む」手口で、減ったのは「壊す」「車から盗る」手口である。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

交通事故とは違う顔

交通事故の記事で、群馬の人口当たり事故件数は10万人当たり481.2件で全国1位、前橋市は570.0件で県内3位だったことを見た。刑法犯では前橋は県内5市の中位で、全国より高く県平均より低い。「危ない街」という印象は、何の数字を見るかで変わる。

増加の理由はこの統計からは分からない

2021年は新型コロナウイルス感染症の流行で外出が減った年にあたる。その後の増加が反動なのか、別の要因があるのかは、この統計からは言えない。

単独世帯の記事で、前橋の3世帯に1つが一人暮らしであることを示した。忍込みや空き巣は住宅を狙う手口で、一人暮らしの多さとあわせて読む必要がある。

このデータの限界

  • 1,000人当たり・倍率・順位は当サイトが算出した。県警の公表する小数1桁の値と端数が違うことがある。
  • 認知件数は警察が把握した事件の数で、届け出られなかった事件は含まれない。
  • 市町村別の値は2019年以降しか取れていない。2016〜2018年は県警の年別ページが見つからず、県統計年鑑は警察署別のみだった。
  • 手口別は県警が公表する11種で、刑法犯の総数とは一致しない(暴行・傷害・詐欺などは手口別に含まれない)。
  • 2024年の高崎市と県計の人口は、資料の版によって値が違う。この記事は令和6年版の値を使った。
  • 住民基本台帳人口は各年1月1日の値で、認知件数の集計期間(1〜12月)の中間ではない。

よくある誤解

「前橋は治安が悪くなった」

2021年から増えているのは事実ですが、群馬県全体も全国も同じように増えています。前橋の順位は5市の3位で変わっていません。

「認知件数=実際に起きた事件の数」

認知件数は警察が把握した数です。届け出られない事件は含まれないので、実際の件数はこれより多いと考えられます。

Q&A

最新の犯罪情報はどこで見られますか

群馬県警察の犯罪発生状況資料で、市町村別の件数が毎年公表されています。

次の更新はいつですか

群馬県警察の年計は翌年の春ごろに公表されます。2026年の値が出たら更新します。

出典

  • 群馬県警察「犯罪発生状況資料」令和2年中〜令和7年中(市町村別 手口別・人口1,000人当たり)
  • 警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(全国の認知件数)
  • 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」各年1月1日

データダウンロード

本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。

Noデータ名出典ダウンロード
96県内5市・群馬県・全国の刑法犯認知件数と人口1,000人当たり
2019〜2025年(手口別を含む)
群馬県警察「犯罪発生状況資料」、警察庁「刑法犯に関する統計資料」CSVを保存

更新履歴

  • 2026年9月23日 公開