介護施設の記事で、前橋の特養と老健の定員が65歳以上1,000人当たり29.15で県内5市の4番目であることを示した。
高齢者の住まいには、もう一つの選択肢がある。
前橋市のサービス付き高齢者向け住宅は32棟・1,052戸。群馬県5,028戸の20.9%を占める。
65歳以上1,000人当たり10.9戸で、実数でも人口当たりでも県内2位である。
介護施設では4番目だった。順序が違う。
対象範囲
国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」による。2026年8月末時点の登録情報である。
このシステムは登録された住宅の一覧を公表しており、市区町村別の集計は自分で行う必要がある。この記事の市町村別の数値は、当サイトが8,312件の登録データから集計したものである。
集計結果は、同システムが公表する都道府県別の表と照合した。群馬県158棟・5,028戸、全国8,312棟・290,950戸で一致している。
介護施設とは別の制度である
サービス付き高齢者向け住宅は、特養や老健とは別の制度である。
特養と老健は介護保険法にもとづく施設で、要介護認定が必要になる。サ高住は高齢者住まい法にもとづく賃貸住宅で、安否確認と生活相談のサービスが付く。
対象も制度も違うため、この記事の戸数と、介護施設の定員を足し合わせることはできない。両方に登録がある施設もありうる。
人口当たりの値は当サイトが算出した。戸数は2026年、人口は2020年国勢調査で6年ずれる。
前橋は県内2位

前橋市の登録は32棟・1,052戸。高崎市33棟・1,164戸に次ぐ県内2位である。
伊勢崎550戸、太田453戸、桐生186戸と続く。前橋は桐生の5.66倍である。
65歳以上の人口で割っても順序は変わらない。高崎11.1、前橋10.9、伊勢崎10.4、太田7.8、桐生4.8。
高崎と前橋の差は1.02倍で、ほとんど同じである。
1住宅の規模
1住宅当たりの戸数は伊勢崎36.7、高崎35.3、太田34.8、前橋32.9、桐生26.6。前橋は5市で4番目である。
介護施設の記事では、老健の1施設当たり定員77.3人が5市で最大だった。サ高住では逆に小さいほうに入る。
県内の分布

群馬県には158棟・5,028戸の登録がある。35市町村のうち21で登録があり、14では0である。
5市で3,405戸、県全体の67.7%を占める。高崎23.2%、前橋20.9%の2市だけで44.1%である。
群馬県は全国で戸数16位、棟数18位。全国290,950戸の1.73%にあたる。
順位が入れ替わる

2つを並べると、順序がほぼ逆になる。
| 市 | 特養+老健 (1,000人当たり) | サ高住 (1,000人当たり) |
|---|---|---|
| 桐生市 | 33.60(1位) | 4.8(5位) |
| 太田市 | 31.06(2位) | 7.8(4位) |
| 高崎市 | 30.79(3位) | 11.1(1位) |
| 前橋市 | 29.15(4位) | 10.9(2位) |
| 伊勢崎市 | 27.45(5位) | 10.4(3位) |
桐生は介護施設で1位だが、サ高住では5位。前橋は施設で4位だが、サ高住では2位である。
ただし5市だけの比較であり、因果関係を示すものではない。年次も違う(施設は2023年、サ高住は2026年)。
桐生と前橋は逆を向いているが、高崎は施設もサ高住も多い。単純に「施設が少ない市でサ高住が多い」とは言えない。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
補い合っているのか、偶然か
介護施設が少ない市でサ高住が多い、という形に見える。ただし説明は複数ありうる。
サ高住は民間の事業者が建てる賃貸住宅である。土地が確保しやすく、需要が見込める場所に建つ。
地価の記事で、前橋の住宅地が1995年のピークから60.8%下がっていることを示した。空き家の記事では、賃貸用の空き家が58.1%を占めていた。
建てやすい条件はある。ただしこの統計から、なぜその場所に建ったのかは分からない。
桐生との対比
桐生は介護施設で1位、サ高住で5位という、最もはっきりした対比を見せた。
介護の記事で、桐生の要介護認定率21.59%が県内5市で最も高いことを示した。高齢化も進んでいる。
人口が減れば、人口当たりの施設数は上がる。施設が増えたのではなく、分母が縮んだ可能性もある。
一方でサ高住は新しい制度で、2011年に始まった。新しく建つものは、これから増える場所に建つ。
選択肢が増えることの意味
サ高住は賃貸住宅であり、要介護認定がなくても入れる。
住まいの記事で、前橋の持ち家の段差のない屋内が26.6%であることを示した。4軒に3軒は段差がある。
持ち家率68.6%で広さも2.54倍あるが、その家で暮らし続けられるかは別の話である。
住み替えの選択肢があることは、条件の一つになる。ただし費用や入居の条件は、この統計では扱えない。
このデータの限界
- 市区町村別の集計は、当サイトが登録データ8,312件から行ったものである。公表値ではない(都道府県別の合計は公表値と照合済み)。
- 人口当たりの値は当サイトが算出した。戸数は2026年8月末、人口は2020年国勢調査で6年ずれる。
- サービス付き高齢者向け住宅は高齢者住まい法にもとづく賃貸住宅で、介護保険法にもとづく特養・老健とは別の制度である。この記事の戸数と介護施設の定員を足し合わせることはできない。
- 登録戸数は受け入れられる数であり、実際に何人が入居しているかは分からない。入居率はこのデータにない。
- 家賃やサービス費用は登録情報に含まれるが、この記事では扱っていない。
- 介護施設との比較は5市だけのものであり、因果関係を示すものではない。年次も2023年と2026年で異なる。
- 登録の有無は事業者の届出による。登録していない類似の住宅がある可能性は否定できない。
- 有料老人ホームは2017年で公表が終わっているため、この記事では扱っていない。サ高住には有料老人ホームに該当するものも含まれる。
よくある誤解
「サ高住は介護施設の一種だ」
制度が違います。特養や老健は介護保険法にもとづく施設で要介護認定が必要ですが、サ高住は高齢者住まい法にもとづく賃貸住宅で、安否確認と生活相談のサービスが付きます。
「施設の定員とサ高住の戸数を足せば総数が分かる」
足し合わせることはできません。別々の制度で対象も違い、両方に登録がある施設もありえます。この記事でも合算した数値は出していません。
「前橋は高齢者の住まいが少ない」
サ高住では実数・人口当たりとも県内2位です。介護施設では人口当たり4番目でしたが、住まいの種類によって順位が変わります。
Q&A
サービス付き高齢者向け住宅とは何ですか
高齢者住まい法にもとづいて登録された賃貸住宅です。バリアフリー構造で、安否確認と生活相談のサービスが付きます。2011年に始まった制度で、要介護認定がなくても入居できます。
家賃はいくらですか
この記事では扱っていません。登録情報には家賃の記載がありますが、住宅ごとに大きく異なります。個別の住宅については下記の検索システムでご確認ください。
具体的な住宅を探すには
当サイトでは扱っていません。国土交通省のサービス付き高齢者向け住宅情報提供システムで検索できます。
空いているかどうかは分かりますか
このデータからは分かりません。登録戸数は受け入れられる数であり、入居率は含まれていません。
次の更新はいつですか
登録情報は毎月末時点で更新されます。この記事は2026年8月末時点のものです。
出典
- 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」2026年8月末時点/サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム
- 総務省「令和2年国勢調査」(65歳以上人口)
- 総務省「社会・人口統計体系」市区町村データ2023年(介護施設との比較)
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 71 | 群馬県のサービス付き高齢者向け住宅 市町村別の棟数と戸数(2026年8月末) | 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月16日 公開
