車社会の前橋で、電車やバスはどれだけ使われているのか。市内の駅の乗車客数と、県全体のバスの利用を数字で見た。
前橋駅の年間乗車客数は2024年度に361万人。コロナ前の2018年度(390万人)の92.7%まで戻った。
群馬県民が一般乗合バスに乗る回数は、1人当たり年5.4回。全国の約30回と比べて6分の1にとどまる。
前橋市のマイタク(タクシー運賃の補助)は登録者30,036人、年間206,828回使われている。
対象範囲
駅の乗車客数は前橋市「前橋市統計書」の「市内各駅の乗降客数」による。JRの5駅(前橋・新前橋・駒形・前橋大島・群馬総社)は乗車客数、上毛電鉄の中央前橋駅は乗降客数で、2016年度から2024年度の9年分を使った。
バスの輸送人員は国土交通省「自動車輸送統計調査」の一般乗合バス(群馬県・全国)による。1人当たりの乗車回数は、輸送人員を翌年1月1日の住民基本台帳人口で割って当サイトが算出した。
路線バスの路線数やマイタクの利用は、前橋市「地域公共交通計画(現況・課題編)中間報告」(2025年2月)による。
前橋市だけのバス利用者数は取れない
路線バスの事業者別・路線別の年間利用者数は、市の計画書では図で示されているだけで、数値の公表がない。マイバス(市のコミュニティバス)の年度別利用者数も同じである。そのためバスは県全体の値で見た。
前橋駅の乗車客はコロナ前の93%

前橋駅の年間乗車客数は、2018年度に3,899千人でこの期間の最多だった。2020年度に2,666千人まで減り、2024年度は3,614千人で2018年度の92.7%である。
市内の他の駅も同じように減って戻っている。新前橋駅は2,060千人(90.5%)、駒形駅998千人(91.2%)、前橋大島駅579千人(95.5%)、群馬総社駅613千人(99.0%)、中央前橋駅510千人(83.7%)だった。
| 年度 | 前橋 | 新前橋 | 駒形 | 前橋大島 | 群馬総社 | 中央前橋 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 3,778 | 2,210 | 1,044 | 615 | 597 | 616 |
| 2017年度 | 3,828 | 2,246 | 1,069 | 602 | 605 | 621 |
| 2018年度 | 3,899 | 2,277 | 1,094 | 606 | 619 | 609 |
| 2019年度 | 3,837 | 2,248 | 1,073 | 594 | 630 | 597 |
| 2020年度 | 2,666 | 1,621 | 807 | 450 | 457 | 453 |
| 2021年度 | 2,884 | 1,753 | 901 | 480 | 500 | 479 |
| 2022年度 | 3,226 | 1,877 | 957 | 522 | 557 | 493 |
| 2023年度 | 3,391 | 1,994 | 977 | 552 | 596 | 507 |
| 2024年度 | 3,614 | 2,060 | 998 | 579 | 613 | 510 |
単位は千人。中央前橋駅のみ乗降客数。
戻り方は駅で違う

2018年度を100とすると、2024年度は群馬総社駅が99でほぼ元に戻った一方、上毛電鉄の中央前橋駅は84にとどまる。JRの5駅は90〜99の範囲にある。
群馬県民のバス乗車は年5.4回

群馬県の一般乗合バスの輸送人員は、2024年度に10,289千人。県民1人当たりでは年5.4回にあたる。
全国は3,732,836千人で、1人当たり約30回。群馬県民のバス乗車は全国の6分の1である。
2020年度の3.5回からは毎年増えているが、それでも全国との差は大きい。
| 年度 | 群馬県(千人) | 1人当たり(回) | 全国(千人) | 1人当たり(回) |
|---|---|---|---|---|
| 2020 | 6,950 | 3.5 | 3,097,318 | 24.5 |
| 2021 | 7,975 | 4.1 | 3,278,499 | 26.0 |
| 2022 | 8,977 | 4.6 | 3,562,607 | 28.4 |
| 2023 | 9,731 | 5.1 | 3,720,048 | 29.8 |
| 2024 | 10,289 | 5.4 | 3,732,836 | 30.0 |
路線バスは34路線、マイタクは3万人が登録
前橋市内の路線バスは6事業者34路線、市のマイバスは4路線である(2024年度)。
前橋市のマイタク(タクシー運賃の補助)は、2023年度の登録者が30,036人、利用回数は206,828回だった。市の人口の約9%が登録している。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
車社会の裏返し
自家用車の記事で、群馬の世帯当たりの車の保有台数が全国上位であることを示した。バスに年5回しか乗らないのは、その裏返しである。
駅は戻り、鉄道は分かれた
JRの駅は9割以上まで戻ったが、上毛電鉄の中央前橋駅は84%にとどまる。通勤・通学の幹線と、地域の路線で回復の速さが違う。理由はこの統計からは分からない。
マイタクは公共交通の代わりになっているか
登録者3万人・年20万回のマイタクは、1人当たり年7回弱の利用にあたる。バスの年5.4回と同じ桁で、高齢者にとってはバスに並ぶ移動手段になっている可能性がある。ただし、利用者の年齢の内訳はこの資料にない。
このデータの限界
- 2018年度比・指数・1人当たり乗車回数は当サイトが算出した。公表値ではない。
- 前橋市だけのバス利用者数は公表がなく、県全体の値で代えた。
- JRの駅は乗車客数、中央前橋駅は乗降客数で、定義が違う。
- 全国の1人当たり乗車回数は、外国人を含む住民基本台帳人口で割った。
- マイタクの値は2023年度の1時点で、推移は扱っていない。
- 上毛電鉄の他の駅や、上毛電鉄・バス以外の交通(タクシー・自転車)は扱っていない。
よくある誤解
「前橋駅の利用者はコロナで大きく減ったまま」
2024年度は2018年度の92.7%まで戻っています。JRの5駅はいずれも9割以上です。
「バスの利用者は減り続けている」
群馬県の一般乗合バスの輸送人員は、2020年度から毎年増えています。ただし全国と比べると1人当たりの乗車回数は6分の1です。
Q&A
前橋市のバス路線やマイタクの詳しい情報はどこで見られますか
前橋市「前橋市内の公共交通と交通施策のご案内」に、路線バス・マイバス・マイタクの案内があります。
次の更新はいつですか
前橋市統計書は毎年作成されます。2025年度の駅の乗車客数が載った版が出たら更新します。
出典
- 前橋市「前橋市統計書」令和元〜7年度作成版(市内各駅の乗降客数)
- 国土交通省「自動車輸送統計調査」(一般乗合バス輸送人員、統計表ID 0003443767)
- 前橋市「地域公共交通計画(現況・課題編)中間報告」2025年2月
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 103 | 前橋市内の駅の乗車客数(2016〜2024年度)、群馬県・全国の一般乗合バス輸送人員(2020〜2024年度)、マイタクの利用 | 前橋市「前橋市統計書」、国土交通省「自動車輸送統計調査」、前橋市「地域公共交通計画」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月25日 公開
