前橋の災害の歴史|大雪は積雪73cm、カスリーン台風の雨は357.4mm

前橋はこれまで、どんな災害に見舞われてきたのか。前橋市の地域防災計画にある「災害の履歴」と、気象庁の観測記録から、主な災害を年表にまとめた。

前橋市の地域防災計画は「災害の履歴」として、1947年のカスリーン台風、1997年の集中豪雨、2011年の東日本大震災、2014年の大雪、2019年の台風第19号などを挙げている。2014年2月の大雪では最大積雪73cm(観測史上最大)で建物被害は10,000件以上、2011年の地震では市内で震度5強、家屋被害2,157件だった。

前橋市の地域防災計画は、市に被害を及ぼした災害として12の出来事(1783年の浅間山の噴火から2019年の台風第19号まで)を挙げている。

2014年2月14〜15日の大雪は、最大積雪73cmで前橋の観測史上最大。建物被害は10,000件以上だった。

1947年のカスリーン台風の日の降水量357.4mmは、前橋の観測史上1位。2019年の台風第19号では、前橋市に初めて大雨特別警報が出た。

最大積雪(2014年2月) 73cm 観測史上最大。建物被害10,000件以上
日降水量(1947年9月15日) 357.4mm カスリーン台風。観測史上1位
家屋被害(2011年3月) 2,157件 東日本大震災。市内で震度5強

Q. 前橋で観測史上最大の積雪(73cm)を記録したのは何年?

① 1945年 ② 1998年 ③ 2014年

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③ 2014年。2月14〜15日の大雪で最大積雪73cmを記録しました。2位は1945年の37cmです。

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防災計画の「災害の履歴」と、気象台・気象庁の記録

前橋市の「前橋市地域防災計画」(2026年4月20日更新のページに掲載)の本編、第1章 第3節「災害の履歴」(PDF 26・27頁、印刷された頁では3・4頁)を中心に、前橋市「令和元年台風第19号 対応状況報告書」、前橋地方気象台「過去の群馬県の気象災害」、気象庁「観測史上1~10位の値」(前橋)を使った(いずれも2026年9月29日に取得)。

被害の数字は、これらの資料に書かれているものだけを載せ、どの資料の値かを添えた。前橋地方気象台の資料の被害は群馬県全体の値で、前橋市だけの値ではない。資料に被害の数字がない災害は、数字を書いていない。

年表:地域防災計画にある12の災害

前橋市の地域防災計画に書かれた主な災害。1783年 浅間山の天明の大噴火、1931年 西埼玉地震、1947年 カスリーン台風、1948年 アイオン台風、1949年 キティ台風、1981年 台風第15号、1982年 台風第10号・第18号、1997年 集中豪雨、2011年 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、2014年 大雪、2019年 集中豪雨、2019年 台風第19号(令和元年東日本台風)
前橋市の地域防災計画に書かれた主な災害(1931〜2019年)
年種類災害前橋市での記録(資料の記載)出典
1783火山浅間山の天明の大噴火泥流が吾妻川から利根川を流れ、前橋に流れ込んだ防災計画 本編4頁
1931地震西埼玉地震前橋市で震度5防災計画 本編3頁
1947
9月
台風カスリーン台風旧利根川の氾濫原のほとんどが水没。赤城山の全ての沢で土石流。前橋の日降水量357.4mm(観測史上1位)防災計画 本編3・4頁、気象庁
1948台風アイオン台風1947〜1949年の3年連続の台風被害の1つ防災計画 本編3頁
1949
8月
台風キティ台風1947〜1949年の3年連続の台風被害の1つ防災計画 本編3頁、気象台
1981台風台風第15号顕著な被害をもたらした台風の1つ防災計画 本編3頁
1982台風台風第10号・第18号顕著な被害をもたらした台風防災計画 本編3頁
1997
9月
大雨集中豪雨1時間降水量が100mmを超え(114.5mm、観測史上1位)、建物等の被害が400件以上防災計画 本編3頁、気象庁
2011
3月11日
地震東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)市内で震度5強。負傷者1名(軽傷)、家屋被害2,157件、停電約49,500世帯(最大)防災計画 本編3頁
2014
2月14〜15日
雪大雪最大積雪73cm(観測史上最大)。建物被害10,000件以上防災計画 本編3頁、気象庁
2019
6月
大雨集中豪雨記録的短時間大雨情報が2回。山間部で約200mm。人的被害はなく、土砂の流出など100か所を超える被害防災計画 本編3頁
2019
10月
台風台風第19号(令和元年東日本台風)前橋市に初めての大雨特別警報。24時間降水量234.0mm(観測史上3位)。人的被害なし、住家の一部損壊23棟防災計画 本編3頁、市の報告書

防災計画の本編は前橋市「前橋市地域防災計画【本編】」の頁(印刷頁)。気象庁は「観測史上1~10位の値」、気象台は前橋地方気象台「過去の群馬県の気象災害」。

種類別に数えると、台風が6、大雨が2、地震が2、雪が1、火山が1である。計画は、1986年以降は雷雨による集中豪雨を誘因とする浸水害も加わったとしている。

水害:カスリーン台風と戦後の3年

計画は、前橋市は利根川や広瀬川、桃ノ木川が流れ、古くから水害が多いとしている。1947年のカスリーン台風では、市域の大きな面積を占める旧利根川の氾濫原のほとんどが水没し、赤城山の全ての沢で土石流が発生したとされる(本編3・4頁)。

前橋地方気象台の観測では、1947年9月15日の日降水量357.4mm、24時間降水量367.4mmが、いまも前橋の観測史上1位である。風では、1966年9月25日の日最大瞬間風速40.2m/sが観測史上1位で、気象台の一覧には同じ1966年9月24〜25日の台風第26号が載っている。1947年から1949年には、カスリーン台風・アイオン台風・キティ台風と、3年続けて台風の大きな被害を受けた。

前橋の日降水量の観測史上1〜10位。1947年9月15日 357.4mm、1955年8月6日 262.4mm、2019年10月12日 233.5mm、1999年8月14日 201.0mm、1958年9月26日 180.0mm、2011年9月1日 178.5mm、1982年9月12日 175.0mm、1911年8月9日 164.3mm、1941年7月22日 163.1mm、1997年9月11日 157.5mm
前橋の日降水量の観測史上1〜10位(気象庁)

群馬県全体の被害(気象台の資料)

前橋地方気象台は、群馬県防災計画(令和2年3月)に記載された台風災害のうち、死者・行方不明者が10名以上のものを一覧にしている。次の被害は群馬県全体の値で、前橋市の値ではない。

年台風群馬県内の主な被害
1947カスリーン台風死者592名、負傷者1,231名、行方不明者107名、家屋全壊1,936戸、半壊1,948戸、床上浸水31,247戸、床下浸水39,808戸
1949キティ台風死者44名、負傷者89名、行方不明者5名、家屋全壊326戸、流失114戸、半壊1,834戸、床上浸水758戸、床下浸水2,535戸
1959伊勢湾台風死者10名、負傷者27名、家屋全壊536戸、半壊1,826戸、床上・床下浸水847戸
1966台風第26号死者15名、負傷者92名、家屋全壊447戸、流出2戸、全焼4戸、半壊1,436戸、床上浸水519戸、床下浸水3,143戸

出典:前橋地方気象台「過去の群馬県の気象災害」(群馬県防災計画(令和2年3月)による)。

大雨:1997年と2019年

1997年9月の集中豪雨では、1時間降水量が100mmを超え、建物等の被害が400件以上発生した(本編3頁)。気象庁の記録では、1997年9月11日の日最大1時間降水量114.5mmが、前橋の観測史上1位である。

2019年6月の集中豪雨では、前橋市に記録的短時間大雨情報が続けて2回出され、山間部で約200mmの雨となった。人的被害はなかったが、土砂の流出など100か所を超える被害が出た(本編3頁)。

2019年10月の台風第19号

同じ年の10月の台風第19号(令和元年東日本台風)では、前橋市に初めて「大雨特別警報」が出され、24時間降水量は234.0mmで前橋の観測史上3位となった(本編3頁、気象庁)。

市の対応状況報告書(令和2年1月末時点)によると、人的被害はなく、住家は床上・床下浸水が0棟、一部損壊が23棟、倒木・土砂崩れ等が47件、農作物・農業用施設等の被害は39,695,000円だった。河川の溢水や氾濫は起きなかったが、利根川の「県庁裏」観測所では氾濫危険水位を超える水位を観測した。避難所の避難者数(延べ)は、自主避難所が362人、指定避難所が707人だった。

雪害:2014年2月の大雪

2014年2月14〜15日の大雪では、最大積雪が73cmとなり、前橋の観測史上最大を記録し、建物被害は10,000件以上だった(本編3頁)。気象庁の記録では、2位は1945年2月26日の37cmで、73cmはその約2倍である。2月15日の1日の降雪の深さ44cmも観測史上1位である。

計画は、前橋の冬は晴天が多く、降水量は少なく、降雪もあまりないとしている(本編2頁)。まれに降る大雪が大きな被害につながった例である。

地震と火山

計画は、歴史地震の記録から前橋市に被害を及ぼした地震として、1931年の西埼玉地震(前橋市で震度5)を挙げている。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、市内で震度5強を観測し、負傷者1名(軽傷)、石塔の転倒やブロック塀の破損などの家屋被害が2,157件、停電が最大で約49,500世帯だった(本編3頁)。

火山では、前橋市に大きな被害を与えた活火山として赤城山・榛名山・浅間山を挙げ、最も被害を与えた噴火を1783年(天明3年)の浅間山の大噴火としている。泥流が吾妻川から利根川を流れ、前橋に流れ込んだ(本編3・4頁)。

火災:最近11年は年82〜144件

計画は、その他の災害(人為的な災害)は主に火災だとして、最近11年の火災の発生状況を載せている(資料:消防局)。件数は2015年の144件が最も多く、2020年の82件が最も少ない。

年件数うち建物損害額(千円)死傷者(うち死者)
201413274281,85335(8)
201514470160,82532(6)
20169144115,93422(3)
20171005179,99817(5)
201811974189,56434(7)
201910352295,58225(3)
20208245134,23621(4)
202110260519,11834(4)
20229252201,92818(5)
20239761371,77616(3)
20249549226,64621(5)

前橋市「前橋市地域防災計画【本編】」PDF 27頁の「火災発生状況」(暦年)。表の6列目は「平成元年」と印刷されているが、平成30年と令和2年の間の列なので2019年(令和元年)として載せた。件数は建物・林野・車両・その他の合計と一致する。

いまの備え

前橋市は、洪水や土砂災害の危険がある区域を示したハザードマップ(前橋市総合防災マップ)と、避難所や防災の情報をまとめた前橋市防災ポータルサイトを公開している。住んでいる場所の危険は、これらのページで確かめてほしい。

災害にかかった費用は災害復旧費の記事で扱った。2000〜2022年度の前橋市の災害復旧費は、1人当たり898円で、23年のうち費用が出た年は11年だった。気温や雨の長い変化は気候の記事にある。

前橋データラボ

この記事は、市と気象庁の資料に書かれた記録をまとめたものです。避難の判断は、市のハザードマップや、気象庁・市が出す情報で行ってください。

年表は計画に載った災害だけで、被害の数え方もそろわない

  • 年表は、前橋市の地域防災計画の「災害の履歴」に書かれた災害を並べたもの。前橋に関わった災害のすべてではない。
  • 被害の数字は資料に書かれたものだけで、災害ごとに数え方や時点が違う。建物被害の「件」は、資料によって何を1件と数えたかが書かれていない。
  • 前橋地方気象台の台風の被害は群馬県全体の値で、前橋市の値ではない。
  • 気象庁の順位は前橋地方気象台の地点の記録で、市内の山間部などの雨や雪の量とは違う。

「雪の災害はない」「川があふれた」は本当か

「前橋は雪が少ないので、雪の災害はない」

前橋の冬は降雪が少ないとされていますが、2014年2月の大雪では最大積雪73cmとなり、建物被害は10,000件以上でした。

「台風第19号で前橋市内の川が氾濫した」

市の報告書では、河川の溢水や氾濫は発生しなかったとしています。ただし利根川の「県庁裏」観測所では、氾濫危険水位を超える水位を観測しました。

住む場所の危険と、雨や雪の記録の調べ方

自分の住む場所の洪水や土砂災害の危険は、どこで分かりますか

前橋市のハザードマップ(前橋市総合防災マップ)で確かめられます。

前橋の雨や雪の記録はどこで見られますか

気象庁の「観測史上1~10位の値」で、前橋の降水量・積雪・風などの順位が見られます。

出典

  • 前橋市「前橋市地域防災計画【本編】」第1章 第3節 災害の履歴(ページの更新日2026年4月20日、2026年9月29日取得) (PDF) (ページ)
  • 前橋市「令和元年台風第19号 対応状況報告書」(2026年9月29日取得) (PDF)
  • 気象庁 前橋地方気象台「過去の群馬県の気象災害」(2026年9月29日取得) (リンク)
  • 気象庁「観測史上1~10位の値」前橋(2026年9月29日取得) (リンク)

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140前橋市の主な災害の年表と記録、群馬県の台風被害、前橋市の火災発生状況(2014〜2024年)前橋市「前橋市地域防災計画」ほかCSVを保存

更新履歴

  • 2026年10月6日 公開