前橋はどれだけ暑くなったのか。気象庁の観測記録から、猛暑日と気温の65年の変化を追い、熊谷・館林や東京と比べた。
前橋の猛暑日(最高気温35℃以上)は、1961〜70年の平均で年2.6日だった。2021〜25年の平均は年31.6日で、12倍になった。
2025年は猛暑日が53日で観測史上最多。8月5日には41.0℃を記録し、前橋の最高気温を更新した。
一方、年間の日照時間は2,153.7時間(平年値)で、全国の県庁所在地で3番目に長い。
Q. 前橋の猛暑日は、1960年代と比べて何倍になった?
① 約2倍 ② 約5倍 ③ 約12倍
答えを見る
③ 約12倍。1961〜70年は年平均2.6日、2021〜25年は年平均31.6日です。
対象範囲
気象庁「過去の気象データ検索」の前橋(地点番号47624)の年ごとの値による。1961年から2025年の65年分を使い、10年ごとの平均は当サイトが算出した。熊谷・館林・東京などとの比較は、気象庁の平年値(1991〜2020年の平均)を使った。
観測場所の変化
前橋の気象観測は1896年に始まった。2016年に日照・風の観測場所が明神東公園に移り、日照時間の記録には1985年と1986年の間に「前後で値の性質が変わる」印がある。2015年の庁舎移転のあとも、気温などを測る露場(昭和町)は移っていない。
猛暑日は60年で12倍

前橋の猛暑日は、1960年代には年に数日しかなかった。10年ごとの平均で見ると、1991〜2000年に10.7日、2011〜20年に17.8日と増え、2021〜25年は31.6日になった。
2023年と2024年は36日、2025年は53日で、3年続けて過去最多を更新・並んだ。30℃以上の真夏日も、1961〜70年平均の41.7日から2021〜25年は80.6日にほぼ倍増した。
| 期間 | 年平均気温(℃) | 猛暑日 | 真夏日 | 冬日 |
|---|---|---|---|---|
| 1961〜70年 | 13.80 | 2.6 | 41.7 | 70.0 |
| 1971〜80年 | 13.90 | 4.4 | 45.1 | 67.2 |
| 1981〜90年 | 14.04 | 5.0 | 44.7 | 57.3 |
| 1991〜2000年 | 14.75 | 10.7 | 53.4 | 47.6 |
| 2001〜10年 | 14.95 | 12.0 | 58.8 | 46.7 |
| 2011〜20年 | 15.34 | 17.8 | 62.5 | 44.4 |
| 2021〜25年 | 16.34 | 31.6 | 80.6 | 33.8 |
日数は年あたりの平均。2021〜25年は5年平均。当サイトが算出。
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年平均気温は2.5℃上がった

前橋の年平均気温の10年ごとの平均は、1961〜70年の13.80℃から2021〜25年は16.34℃に上がった。60年で2.54℃の上昇である。
最低気温が0℃を下回る冬日は、年70.0日から33.8日に半減した。暑い日が増えただけでなく、寒い日も減っている。
最高気温の記録
前橋の最高気温の記録10位までのうち、10件すべてが1997年以降で、うち4つが2025年である。
| 順位 | 最高気温(℃) | 日付 |
|---|---|---|
| 1 | 41.0 | 2025年8月5日 |
| 2 | 40.0 | 2025年8月2日 |
| 3 | 40.0 | 2001年7月24日 |
| 4 | 39.8 | 2020年8月11日 |
| 5 | 39.5 | 2022年6月25日 |
| 6 | 39.5 | 1997年7月5日 |
| 7 | 39.4 | 2025年8月6日 |
| 8 | 39.4 | 2022年6月29日 |
| 9 | 39.2 | 2026年7月22日 |
| 10 | 39.2 | 2025年7月29日 |
気象庁「観測史上1〜10位の値」(統計期間1896年12月〜2026年9月)。
熊谷・館林より少なく、東京の約3倍


暑さでは熊谷や館林が有名ですが、前橋の猛暑日も東京の約3倍あります。一方で日照時間は全国の県庁所在地で3位。晴れの多い街でもあります。
平年値(1991〜2020年の平均)で比べると、前橋の猛暑日は年13.5日。館林(20.9日)や熊谷(18.1日)よりは少ないが、東京(4.8日)の約2.8倍、宇都宮(5.9日)の2倍以上ある。
一方、年間の日照時間は2,153.7時間で、全国の県庁所在地で甲府・高知に次ぐ3位。暑さだけでなく、晴れの多さも前橋の気候の特徴である。月別の内訳はこの記事では扱っていない。
| 地点 | 年平均気温(℃) | 猛暑日 | 真夏日 | 年降水量(mm) | 年日照時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 前橋 | 15.0 | 13.5 | 58.2 | 1,247.4 | 2,153.7 |
| 熊谷 | 15.4 | 18.1 | 62.6 | 1,305.8 | 2,106.6 |
| 館林 | 15.4 | 20.9 | 66.0 | 1,202.6 | 2,087.6 |
| 東京 | 15.8 | 4.8 | 52.1 | 1,598.2 | 1,926.7 |
| 宇都宮 | 14.3 | 5.9 | 49.6 | 1,524.7 | 1,961.1 |
| 水戸 | 14.1 | 3.1 | 38.0 | 1,367.7 | 2,000.8 |
気象庁の平年値(1991〜2020年)。館林はアメダス。
2025年は雨が観測史上最少
2025年の年降水量は793.0mmで、前橋の観測史上最も少なかった。平年値(1,247.4mm)の6割強である。日降水量の観測史上1位は、1947年のカスリーン台風の357.4mmである(災害の歴史の記事)。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
地球温暖化と都市化
気温の上昇には、地球全体の温暖化に加え、都市化(ヒートアイランド)の影響も含まれる。この記事の値は補正していない観測値で、気象庁が公表する長期変化の傾向とは計算方法が違う。
日照の長さは強みにもなる
日照時間の長さは、太陽光発電に向いた条件である。ただし、太陽光発電の記事で見たように前橋の住宅への設置率は5市で4番目、再生可能エネルギーの記事では人口当たりの導入量が5市で最も少ない。日照の長さが、そのまま導入の多さにはつながっていない。気候は農業の記事で扱った農業とも関わる。
このデータの限界
- 10年ごとの平均・倍率・上昇幅は当サイトが算出した。
- 都市化の影響を補正していない観測値である。
- 日照時間は1985年と1986年の間で値の性質が変わり、2016年に観測場所が移っている。長期の比較は目安にとどまる。
- 他の地点との比較は平年値(1991〜2020年)で、2021年以降の暑さは含まれない。
- 2026年は観測の途中で、年の値には使っていない(最高気温の記録には2026年7月22日を含む)。
よくある誤解
「前橋は熊谷より暑い」
平年値の猛暑日は前橋13.5日、熊谷18.1日、館林20.9日で、前橋のほうが少なくなっています。ただし2025年の前橋は53日で、年によっては大きく増えます。
「前橋は冬が寒くて暗い」
冬は冷え込みますが、日照時間は全国の県庁所在地で3位です。冬日は60年で半分に減りました。
Q&A
前橋の最高気温の記録は何度ですか
2025年8月5日の41.0℃です(気象庁の観測史上1位の値、2026年9月時点)。
前橋の気象データはどこで見られますか
気象庁の過去の気象データ検索で、前橋の日ごと・年ごとの値を確認できます。
次の更新はいつですか
2026年の年間の値が確定したら(2027年1月ごろ)更新します。
出典
- 気象庁「過去の気象データ検索」前橋(47624)の年ごとの値、観測史上1〜10位の値
- 気象庁「平年値(1991〜2020年)」
- 前橋地方気象台「前橋地方気象台の歩み」
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 110 | 前橋の年ごとの気象値(平均気温・猛暑日・真夏日・冬日・降水量・日照時間、1896〜2025年)と比較地点の平年値 | 気象庁「過去の気象データ検索」「平年値」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月26日 公開






