前橋市には、市民文化会館やアーツ前橋、前橋文学館などの文化施設がある。コロナのあと、利用者はどこまで戻ったのか。
前橋市の文化施設6施設の入館者は、2024年度に683,469人だった。
コロナ前の最後の通常の年だった2018年度は935,075人。その73.1%にとどまる。
2018年度を上回ったのは大胡分館だけで、児童文化センターと前橋文学館は6割台である。
対象範囲
前橋市「前橋市統計書」の文化施設の利用状況による。令和元年度作成版から令和7年度作成版までをつないだ。
対象は市民文化会館・大胡分館・前橋文学館・アーツ前橋・児童文化センター・プラネタリウムの6施設である。児童文化センターは交通公園を含む。
「コロナ前」は2018年度とした
2019年度(令和元年度)は、2020年2〜3月の休館を含む。アーツ前橋は2019年度に前年から36.9%減っていた。
2019年度を基準にすると、アーツ前橋は1.53倍に「回復」したように見える。この記事では、最後の通常の年だった2018年度を基準にした。
版によって値が違う年がある
統計書は1冊に3年分が載り、同じ年度の値が版によって違うことがある。この記事では新しい版の値を使った。平成の版は集計の定義が違うため使っていない。
6施設の入館者はコロナ前の7割

6施設の合計は2017年度が950,988人、2018年度が935,075人だった。
2020年度は275,863人まで減った。そこから2024年度には683,469人まで戻っている。
それでも2018年度の73.1%である。2023年度(680,283人)から2024年度はほぼ横ばいだった。
6つの施設の場所と公式ページ
6つの施設は、次の場所にあります。
| 施設 | 所在地 | 公式ページ |
|---|---|---|
| 前橋市民文化会館(昌賢学園まえばしホール) | 前橋市南町三丁目62-1 | 公式ページ |
| 前橋市民文化会館大胡分館(大胡シャンテ) | 前橋市大胡町15-1 | 公式ページ |
| 前橋文学館 | 前橋市千代田町三丁目12-10 | 公式ページ |
| アーツ前橋 | 前橋市千代田町5-1-16 | 公式ページ |
| 前橋市児童文化センター(プラネタリウムを含む) | 前橋市西片貝町五丁目8番地 | 公式ページ |
2018年度を上回ったのは大胡分館だけ

2024年度を2018年度と比べると、大胡分館は1.18倍で、6施設で唯一上回った。
アーツ前橋は0.97倍でほぼ戻っている。市民文化会館0.82倍、プラネタリウム0.81倍と続く。
前橋文学館は0.63倍、児童文化センターは0.62倍。この2施設は6割台にとどまる。
戻り方は施設によって違う

アーツ前橋は2023年度に119,636人となり、2013年の開館以来の最高を記録した。2024年度は100,268人である。
前橋文学館は2018年度の63,268人がこの期間の最高で、2024年度は39,781人だった。
児童文化センターは2016年度の456,760人から、2024年度は281,185人になっている。
施設別・年度別の入館者数
2013年度から2024年度までの値を施設ごとに並べる。太字は基準にした2018年度と最新の2024年度である。「—」は値がない年度で、市民文化会館の2016年度は改修工事による休館、アーツ前橋は2013年10月の開館前、ほかは令和の版の定義による値がない年度である。
| 年度 | 市民文化会館 | 大胡分館 | 前橋文学館 | アーツ前橋 | 児童文化センター | プラネタリウム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2013年度 | — | — | 22,403 | 33,850 | — | 34,973 |
| 2014年度 | — | — | 35,034 | 67,062 | — | 32,614 |
| 2015年度 | 310,926 | — | 26,418 | 77,283 | — | 33,951 |
| 2016年度 | — | 24,065 | 34,861 | 84,673 | 456,760 | 32,970 |
| 2017年度 | 318,714 | 14,683 | 49,532 | 83,322 | 453,494 | 31,243 |
| 2018年度 | 269,421 | 13,348 | 63,268 | 103,665 | 455,140 | 30,233 |
| 2019年度 | 281,854 | 15,176 | 55,508 | 65,377 | 407,602 | 28,229 |
| 2020年度 | 39,419 | 3,575 | 17,694 | 48,594 | 156,200 | 10,381 |
| 2021年度 | 98,213 | 7,772 | 37,717 | 51,952 | 233,111 | 12,047 |
| 2022年度 | 169,899 | 10,780 | 34,975 | 65,730 | 319,363 | 22,303 |
| 2023年度 | 211,626 | 14,377 | 38,198 | 119,636 | 274,128 | 22,318 |
| 2024年度 | 221,994 | 15,776 | 39,781 | 100,268 | 281,185 | 24,465 |
公民館の利用者は2018年度の77.1%
文化施設とは別に、地域の身近な学びの場として公民館がある。前橋市統計書には、2010年度からの公民館の利用者数が載っている。
利用者は2017年度に1,006,650人で最も多かった。2018年度は996,474人である。
2020年度は287,426人まで減り、2024年度は768,344人まで戻った。2018年度の77.1%にあたる。
6つの文化施設(73.1%)とほぼ同じ戻り方である。
| 年度 | 公民館の利用者(人) |
|---|---|
| 2010年度 | 825,751 |
| 2011年度 | 760,773 |
| 2012年度 | 786,823 |
| 2013年度 | 926,833 |
| 2014年度 | 866,167 |
| 2015年度 | 919,924 |
| 2016年度 | 977,368 |
| 2017年度 | 1,006,650 |
| 2018年度 | 996,474 |
| 2019年度 | 958,188 |
| 2020年度 | 287,426 |
| 2021年度 | 411,459 |
| 2022年度 | 607,711 |
| 2023年度 | 746,113 |
| 2024年度 | 768,344 |
利用者数は延べの人数で、中央公民館と地区公民館の合計である。
前橋文学館の入館者はピークの63%
前橋文学館の入館者は2010年度の23,193人から2024年度は39,781人へ、1.72倍になった(当サイトが算出)。
ただし最も多かったのは2018年度の63,268人で、2024年度はそこから37%少ない。
プラネタリウムは2010年度15,189人から2024年度24,465人で、1.61倍である(当サイトが算出)。
取れる年度をすべて、2つの施設について並べる。
| 年度 | 前橋文学館 | プラネタリウム |
|---|---|---|
| 2010年度 | 23,193 | 15,189 |
| 2011年度 | 19,602 | 15,296 |
| 2012年度 | 24,991 | 25,111 |
| 2013年度 | 22,403 | 34,973 |
| 2014年度 | 35,034 | 32,614 |
| 2015年度 | 26,418 | 33,951 |
| 2016年度 | 34,861 | 32,970 |
| 2017年度 | 38,837 | 31,243 |
| 2018年度 | 63,268 | 30,233 |
| 2019年度 | 55,508 | 28,229 |
| 2020年度 | 17,694 | 10,381 |
| 2021年度 | 37,717 | 12,047 |
| 2022年度 | 34,975 | 22,303 |
| 2023年度 | 38,198 | 22,318 |
| 2024年度 | 39,781 | 24,465 |
単位は人。出典は前橋市「前橋市統計書」の文化施設の利用状況(令和元年度作成版〜令和7年度作成版)。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
基準の年を選ぶと結論が変わる
2019年度を基準にすると、アーツ前橋は1.53倍、大胡分館も1.04倍で「コロナ前を超えた」ことになる。2018年度を基準にすると、超えたのは大胡分館だけになる。
「回復した」という言い方は、どの年と比べたかを確かめてから読む必要がある。
催しの有無で年ごとに大きく動く
美術館や文学館の入館者は、その年の展覧会や企画によって大きく変わる。アーツ前橋が2023年度に最高を記録したのも、単年の動きである可能性がある。
1年の数字だけで、施設の人気が上がった・下がったとは言えない。
これから長い休館がある
市民文化会館は2027年7月から2029年3月まで大小ホールなどの利用を停止する予定である(前橋市民文化会館の告知)。
その間の入館者は大きく減るので、数字を読むときは休館の期間を考える必要がある。
このデータの限界
- 合計、比、指数は当サイトが算出した。公表値ではない。
- 「コロナ前」を2018年度とした。2019年度を基準にすると、施設によって比が大きく変わる(アーツ前橋は0.97倍が1.53倍になる)。
- 統計書の版によって同じ年度の値が違うことがある。新しい版の値を使った。
- 平成の版は、文化会館に大胡分館を含み、児童文化センターに交通公園を含まないなど集計の定義が違うため、この記事の系列には使っていない。
- 市民文化会館は2016年度に改修工事で休館しており、その年の値はない。
- 入館者数は延べの人数で、何人の市民が利用したかは分からない。
- 図書館は別の記事で扱っているため、ここでは含めていない。
- 年ごとの増減の理由(展覧会の内容、催しの数など)はこの統計からは分からない。
- 公民館の利用者数は延べの人数で、文化施設6施設の合計には含めていない。
よくある誤解
「アーツ前橋はコロナ前の1.5倍に増えた」
2019年度と比べると1.53倍ですが、2019年度はアーツ前橋の入館者が前年から36.9%減っていた年です。最後の通常の年だった2018年度と比べると0.97倍です。
「文化施設の利用は完全に戻った」
6施設の合計は2018年度の73.1%です。2018年度を上回ったのは大胡分館だけです。
Q&A
図書館の利用者は入っていますか
入っていません。図書館は別の記事で扱っています。
大胡分館の利用はどうなりますか
大胡分館(大胡シャンテ)は2026年10月1日から2027年1月31日までホールの利用を停止する予定です。
次の更新はいつですか
前橋市統計書は毎年作成されます。新しい版が出たら更新します。
前橋の文化施設で最も入館者が多いのはどこですか
2024年度は児童文化センターが最も多く、次いで市民文化会館です。6施設の合計は683,469人で、2018年度の935,075人の73.1%にとどまります。
文化施設の利用はコロナ前に戻りましたか
戻っていません。2020年度に275,863人まで減り、2024年度は683,469人です。2018年度を上回ったのは大胡分館だけで、児童文化センターと前橋文学館は6割台です。
出典
- 前橋市「前橋市統計書」令和元〜7年度作成版(文化施設の利用状況)
- 前橋市「前橋市統計書」(公民館の利用状況)
- アーツ前橋「沿革」(開館年・臨時休館)
- 前橋市民文化会館・大胡シャンテの告知(利用停止の予定)
データダウンロード
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 90 | 前橋市の文化施設6施設の入館者数 2010〜2024年度 | 前橋市「前橋市統計書」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月23日 「前橋文学館の入館者はピークの63%」の節を追加
- 2026年9月23日 Q&Aと内部リンクを追加
- 2026年9月22日 施設の所在地と公式ページの一覧を追加
- 2026年9月22日 公民館の利用者の節を追加
- 2026年9月22日 公開
