前橋の買い物の場は、県内の他の市と比べてどれだけあるのか。経済センサスから、小売業の販売額・売場面積・店の数を5市で比べた。
前橋市の小売業の年間販売額は2021年に3,768億円、売場面積は463,951㎡。どちらも県内5市で高崎市に次ぐ2位である。
人口1人当たりでも販売額112.5万円、売場1.385㎡で5市2位。全国(105.2万円・1.081㎡)を上回る。
一方、店(事業所)の数は2016年から5年で10.6%減り、1店当たりの売場は広くなった。
Q. 前橋市の小売業の年間販売額はどれくらい?(2021年)
① 3,768億円 ② 約380億円 ③ 約3兆8,000億円
答えを見る
① 3,768億円。2021年の前橋市の販売額は、県内5市で高崎市の4,688億円に次ぐ2位です。
対象範囲
総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2012・2016・2021年)と経済産業省「商業統計」(2004・2007・2014年)の市区町村別の小売業の値による。5市の比較は2021年、推移は前橋市の6時点を使った。
人口1人当たりは住民基本台帳人口で割って当サイトが算出した。
調査の変わり目に注意
2021年の調査は名簿が広がり、販売額と売場面積は法人の事業所だけを集計している。商業統計と経済センサスも調べ方が違い、2004年は2004年12月の合併前、2007年は2009年の富士見村編入前の市域である。時点をまたぐ比較は目安にとどめる。
販売額も売場も5市2位


前橋市の人口1人当たりの小売業販売額は、2021年に112.5万円で県内5市の2位です。全国の105.2万円と比べても、前橋市の値のほうが高くなっています。1人当たり売場面積では、伊勢崎市の1.391㎡と前橋市の1.385㎡がほぼ並びます。
2021年の小売業の年間販売額は、高崎市4,688億円、前橋市3,768億円、太田市2,438億円、伊勢崎市2,232億円、桐生市896億円である。事業所数・従業者数・売場面積も前橋は高崎に次ぐ2位だった。店舗面積が1,000㎡を超える大型店は、前橋市に112店あり、高崎市と並んで県内5市で最も多い(大型店の記事)。
人口1人当たりの販売額は高崎市126.0万円、前橋市112.5万円、太田市108.7万円、伊勢崎市104.7万円、桐生市82.7万円。売場面積は伊勢崎市1.391㎡と前橋市1.385㎡がほぼ並ぶ。
| 地域 | 事業所数 | 販売額(億円) | 売場面積(㎡) | 1人当たり販売額(万円) |
|---|---|---|---|---|
| 前橋市 | 2,108 | 3,768 | 463,951 | 112.5 |
| 高崎市 | 2,434 | 4,688 | 497,360 | 126.0 |
| 伊勢崎市 | 1,278 | 2,232 | 296,559 | 104.7 |
| 太田市 | 1,275 | 2,438 | 292,452 | 108.7 |
| 桐生市 | 854 | 896 | 100,261 | 82.7 |
| 群馬県 | 12,933 | 20,755 | 2,513,637 | 106.0 |
| 全国 | 755,015 | 1,332,575 | 136,952,597 | 105.2 |
2021年。販売額は百万円の値を億円に丸めた。1人当たりは当サイトが算出。
あわせて読みたい
店は減り、1店当たりの売場は広く

経済センサスで比べると、前橋市の小売業の事業所は2012年2,344、2016年2,359、2021年2,108。2016年から2021年に10.6%減った。
売場面積は2012年の451,181㎡から2021年は463,951㎡で2.8%増えた。1事業所当たりの売場は192.5㎡から220.1㎡に広がり、小さな店が減って大きな店が残る形になっている。ただし2021年は売場面積が法人のみの集計で、個人商店の分が入っていない点に注意が要る。
| 年 | 調査 | 事業所数 | 従業者数 | 販売額(億円) | 売場面積(㎡) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2004 | 商業統計 | 3,222 | 21,052 | 3,638 | 423,719 |
| 2007 | 商業統計 | 3,188 | 20,811 | 3,689 | 446,699 |
| 2012 | 経済センサス | 2,344 | 17,942 | 3,342 | 451,181 |
| 2014 | 商業統計 | 2,317 | 17,242 | 3,734 | 435,451 |
| 2016 | 経済センサス | 2,359 | 18,335 | 3,889 | 436,992 |
| 2021 | 経済センサス | 2,108 | 18,555 | 3,768 | 463,951 |
前橋市。2004年は2004年12月の合併前、2007年は2009年の富士見村編入前の市域。調査の種類が違う年の間は単純に比べられない。
減り方は5市で2番目に大きい

2016年から2021年の事業所数の増減率は、伊勢崎市−10.7%、前橋市−10.6%、桐生市−8.8%、高崎市−6.9%、太田市−6.8%。群馬県は−8.8%、全国は−6.7%で、前橋は県や全国より減り方が大きい。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
周りから買い物に来る街
1人当たりの販売額が全国より高いことは、市の外から買い物に来る人がいることを示す。通勤の記事で見たように、前橋には周辺の市町村から人が流入している。ただし販売額には通信販売や事業者向けの販売も含まれ、来店客の数そのものではない。
店の数と暮らしやすさ
空き家の記事で見た中心部の空洞化と、小さな店の減少は同じ向きにある。売場の総量が保たれていても、歩いて行ける距離に店があるかは別の問題である。
商店街の記事で、中心商店街の休日の通行量が令和3年度の8,517人から令和7年度は15,110人へ1.8倍に増えたことを示した。
このデータの限界
- 1人当たり・増減率・1事業所当たりは当サイトが算出した。
- 2021年は販売額・売場面積とも法人のみの集計で、調査の名簿も広がっている。前回と単純には比べられない。
- 商業統計(2004・2007・2014年)と経済センサス(2012・2016・2021年)は調べ方が違う。
- 2004年は2004年12月の合併前、2007年は2009年の富士見村編入前の市域。
- 販売額は店の所在地で集計され、客の住所ではない。通信販売なども含む。
- 業種別(百貨店・スーパー・コンビニなど)の内訳はこの記事では扱っていない。
よくある誤解
「前橋は高崎に買い物客を取られている」
販売額は高崎市が上ですが、人口1人当たりでも前橋は5市2位で、全国平均を上回ります。売場面積の1人当たりは伊勢崎市とほぼ同じ水準です。
「店が減ったから買い物の場が減った」
事業所は減りましたが、売場面積の合計は2012年より増えています。小さな店が減り、大きな店が残る形です。
Q&A
前橋市の商店街の支援はどこで分かりますか
前橋市の商業振興のページで確認できます。
次の更新はいつですか
経済センサス-活動調査は5年ごとです。2026年調査の結果が公表されたら更新します。
出典
- 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」平成24年・28年・令和3年(小売業、市区町村別)
- 経済産業省「商業統計」平成16年・19年・26年
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
データダウンロード
本記事で使用したデータは、CSVでご自由にダウンロードいただけます。ライセンスはCC BY 4.0です。
| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 107 | 県内5市・群馬県・全国の小売業の事業所数・従業者数・販売額・売場面積(2004〜2021年) | 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」、経済産業省「商業統計」 | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月26日 公開







