大学進学の記事で、群馬の高校を出て大学に進んだ8,867人のうち、県内の大学に進んだのは3,065人(34.6%)であることを示した。
出ていった人は、戻ってきたのか。市民の学歴構成で確かめる。
前橋市の大学・大学院卒は卒業者の21.9%。全国21.7%をわずかに上回る。
ただし学歴が不詳の人を除いて計算すると、前橋23.8%・全国25.6%で順序が入れ替わる。
前橋は不詳が7.95%と少なく、全国14.95%の半分だからである。
対象範囲
総務省「国勢調査」による。社会・人口統計体系の市区町村データを通じて取得した。
取れるのは2000年・2010年・2020年の3時点である。
学歴の区分は4つ。小学校・中学校、高校・旧中、短大・高専、大学・大学院。
大学と大学院は合算されており、分離できない。専修学校・専門学校の区分もこの統計にはない。
内訳の合計が総数に合わない
4区分を足しても、卒業者の総数にならない。前橋では7.95%が不足する。
他の市も同じで、高崎12.48%、伊勢崎14.20%、太田15.33%、桐生11.84%。全国は14.95%である。
この不足分が何なのかは、この統計表からは確認できなかった。学歴が不詳の人と考えられるが、注記がない。
この記事では「不詳」と呼んで扱う。ただし公表された名称ではない。
daigaku とは別の統計
大学進学の記事の34.6%は文部科学省「学校基本調査」による2025年度の県内進学率である。
この記事は国勢調査の2020年。出典も年次も母集団も違うため、直接は比較できない。
分母で上下が入れ替わる

卒業者の総数を分母にすると、前橋21.9%・全国21.7%。前橋が0.2ポイント上である。
不詳を除いて計算すると、前橋23.8%・全国25.6%。全国が1.8ポイント上になる。
理由は不詳の割合の差にある。前橋7.95%に対し全国14.95%。
不詳が少ない地域は、総数を分母にすると各区分の割合が高く出る。
同じデータで、前橋が上とも下とも言える。
5市の学歴構成

大学・大学院卒の割合は高崎22.0%、前橋21.9%。前橋は5市で2番目である。
太田16.9%、伊勢崎16.4%、桐生14.0%と続く。前橋は桐生の1.56倍。
群馬県は17.5%で、全国21.7%を4.2ポイント下回る。
県は全国より低いのに、前橋と高崎だけが全国水準にある。
桐生の小中卒
桐生の小学校・中学校卒は18.3%。前橋12.5%の1.46倍である。
年齢中位数の記事で、桐生が54.6歳で5市最高だったことを示した。高齢の世代ほど小中卒の割合が高い。
ただし年齢別の学歴は市区町村では取れない。年齢構成で説明できるかは確かめられない。
20年で全国を追い越した

2000年の前橋は13.7%。全国14.8%を1.1ポイント下回っていた。
2020年には21.9%で、全国21.7%をわずかに上回る。
20年の上昇は+8.2ポイント。全国+6.9ポイントより大きい。
高崎も+8.2ポイントで並ぶ。桐生+5.0ポイント、太田+6.0ポイント、伊勢崎+6.3ポイント。
群馬県の全国順位は47都道府県中27位。2000年の30位から3つ上がった。
この数字をどう読むか
ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。
県庁所在地に集まっている
群馬県17.5%に対し、前橋21.9%・高崎22.0%。この2市だけが全国水準にある。
医療の記事で、県内の医師の33.4%が前橋にいることを示した。上場企業の記事では、地銀2行の本店がどちらも前橋にあった。
大学を出た人が就く仕事が、県庁所在地に集まっている。
ただしこの統計から、なぜ集まっているかは分からない。市外から移ってきたのか、市内で育ったのかも区別できない。
「戻ってきた」とは言えない
この記事の数字は、2020年に前橋に住んでいる人の学歴である。
前橋で育ち、県外の大学を出て戻った人も、他県で育って前橋に移ってきた人も、同じように数えられる。
人口の記事で、前橋が失っているのは20〜24歳だけであることを示した。進学で出ていった人が戻っているかは、この統計では確かめられない。
不詳の少なさ
前橋の不詳7.95%は、5市と県・全国のどれよりも少ない。
国勢調査の回答がどれだけ埋まったかは、調査の実施体制や回答率に左右される。
この差が地域の特性なのか、調査の運用によるものかはこの統計からは分からない。
ただし比較するときは、分母をそろえる必要がある。
このデータの限界
- 割合と上昇幅はすべて当サイトが算出した。公表値ではない。
- 4区分の合計が卒業者の総数に一致しない。不足分(前橋7.95%、全国14.95%)が何かは統計表から確認できなかった。この記事では「不詳」と呼んでいるが、公表された名称ではない。
- 大学と大学院は合算された区分で、分離できない。専修学校・専門学校の区分もこの統計にはない。
- 取れるのは2000年・2010年・2020年の3時点だけである。
- 年齢階級別の学歴は市区町村別では取れない。都道府県版なら取れるが、収録は2000年までである。
- 在学者数・未就学者数も市区町村別では取れない。
- この数字は2020年に前橋に住んでいる人の学歴である。どこで育ち、どこの学校を出たかは分からない。進学で市外に出た人が戻ったかどうかも確かめられない。
- 大学進学の記事の34.6%は文部科学省「学校基本調査」の2025年度の県内進学率で、出典も年次も母集団も違う。直接は比較できない。
よくある誤解
「前橋は全国より大学卒が多い」
卒業者の総数を分母にすれば21.9%で全国21.7%を上回りますが、学歴が不詳の人を除くと前橋23.8%・全国25.6%で逆転します。前橋は不詳が7.95%と全国14.95%の半分しかないためです。
「進学した人が戻ってきている」
この統計では確かめられません。2020年に前橋に住んでいる人の学歴を数えたもので、どこで育ちどこの学校を出たかは分かりません。
「専門学校卒はどこに入る」
この統計に専修学校・専門学校の区分はありません。4区分は小学校・中学校、高校・旧中、短大・高専、大学・大学院です。
Q&A
大学院卒だけの数は分かりますか
分かりません。この統計では大学と大学院が合算された1つの区分になっており、分離できません。
年代別の学歴は分かりますか
市区町村別では分かりません。都道府県版なら20代・30代などの区分で取れますが、収録は2000年までです。
不詳とは何ですか
4区分の合計と卒業者の総数の差です。統計表に注記がないため、正確に何を指すかは確認できていません。国勢調査で学歴の回答が得られなかった人と考えられます。
次の更新はいつですか
国勢調査は5年ごとですが、学歴の調査は10年ごとです。最新は2020年で、次は2030年調査になります。
出典
- 総務省「国勢調査」2000・2010・2020年/社会・人口統計体系 市区町村データ(統計表ID 0000020205)/e-Stat
- 総務省「社会・人口統計体系」都道府県データ(統計表ID 0000010105、群馬県の全国順位)
データダウンロード
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| No | データ名 | 出典 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 81 | 県内5市の最終学歴人口 2000〜2020年 | 総務省「国勢調査」(社会・人口統計体系による) | CSVを保存 |
更新履歴
- 2026年9月18日 公開
