群馬の美術鑑賞は8.7%で36位|写真の撮影は9位【2021年】

群馬の人は、美術館や劇場、映画館にどれだけ足を運んでいるのか。総務省の調査から、芸術や文化の活動をした人の割合を47都道府県で比べた。

群馬県で過去1年に美術鑑賞をした人は8.7%。全国の11.4%を下回り、47都道府県で36位だった。

ただし北関東では最も高く、茨城県(41位)と栃木県(46位)を上回る。

見に行く側は下位でも、写真の撮影は9位、洋舞・社交ダンスは6位、陶芸・工芸は12位である。

対象範囲

総務省「社会生活基本調査」の令和3年(2021年)と平成28年(2016年)による。10歳以上の人が、過去1年間にその活動をしたかどうかを尋ねている。

「行動者率」は、10歳以上の人口のうち1回以上その活動をした人の割合である。美術鑑賞と演芸・演劇などの鑑賞は、テレビやスマートフォンで見たものを除く。

市町村別の値はない

この調査は都道府県別までで、前橋市だけの値は公表されていない。この記事の数字は群馬県全体のものである。

2021年はコロナ禍の最中

2021年の調査は、新型コロナウイルス感染症の流行中に行われた。会場に行く鑑賞は、全国どこでも大きく減っている。2016年と比べるときはこの点に注意が要る。

美術鑑賞は36位、北関東では最も高い

都道府県別の美術鑑賞の行動者率。東京17.8%が最も高く、群馬8.7%は36位、茨城8.5%は41位、栃木7.1%は46位
都道府県別の美術鑑賞の行動者率(2021年)
美術鑑賞 8.7% 47都道府県で36位
全国 11.4% 群馬は2.7ポイント低い
写真の撮影 9位 群馬21.7%

2021年の美術鑑賞の行動者率は、東京都の17.8%が最も高い。京都府15.4%、福井県13.8%と続く。

群馬県は8.7%で、千葉県・岐阜県・山口県・鹿児島県と並ぶ36位である。全国の11.4%を2.7ポイント下回る。

それでも北関東では最も高い。茨城県は8.5%で41位、栃木県は7.1%で46位だった。

関東7都県を並べると、次のようになる。

都県美術鑑賞映画館での映画鑑賞
東京都17.8%37.4%
神奈川県12.3%34.4%
埼玉県9.4%32.8%
群馬県8.7%27.9%
千葉県8.7%31.6%
茨城県8.5%28.6%
栃木県7.1%25.9%

映画館での映画鑑賞も、群馬は27.9%で関東では栃木に次いで低い。

鑑賞は下位、つくる側には上位がある

群馬県の芸術・文化の行動者率の順位。洋舞・社交ダンス6位、写真の撮影9位、創作10位、クラシック音楽鑑賞と陶芸・工芸12位、美術鑑賞36位
群馬県の芸術・文化の行動者率の順位(2021年)

芸術や文化に当たる20種類の順位を並べると、群馬が上位に入るのは、自分でつくったり習ったりする活動が多い。

洋舞・社交ダンスは6位、写真の撮影・プリントは9位、詩・和歌・俳句・小説などの創作は10位、陶芸・工芸は12位である。クラシック音楽の鑑賞も12位で、全国(3.9%)をわずかに上回る4.0%だった。

一方、美術鑑賞は36位、邦楽と編み物・手芸は35位、演芸・演劇・舞踊の鑑賞は33位。書道・華道・茶道も29〜31位と下位にある。

20種類のうち、群馬が全国を上回るのはクラシック音楽鑑賞・洋舞・陶芸の3つだけで、どれも0.1ポイントの差である。

会場に行く鑑賞は5年で半分前後に

芸術鑑賞の行動者率の2016年と2021年の比較。群馬の美術鑑賞は16.2%から8.7%、演芸・演劇は12.8%から4.2%、映画館は36.2%から27.9%
芸術鑑賞の行動者率(2016年と2021年)

2016年と比べると、会場に行く鑑賞はどれも大きく減った。群馬の美術鑑賞は16.2%から8.7%へ、演芸・演劇・舞踊の鑑賞は12.8%から4.2%へ下がった。

全国も同じように減っている。美術鑑賞は19.4%から11.4%へ、映画館での映画鑑賞は39.6%から29.8%へ下がった。

減り幅は群馬と全国でほぼ同じで、群馬だけが落ち込んだわけではない。

22種類すべての値

芸術・文化に当たる22種類について、群馬と全国の行動者率、群馬の順位を並べる。太字は12位以内である。

種類群馬全国群馬の順位
美術鑑賞8.7%11.4%36位
演芸・演劇・舞踊鑑賞4.2%6.7%33位
映画館での映画鑑賞27.9%29.8%18位
映画館以外での映画鑑賞51.0%52.7%13位
クラシック音楽鑑賞(コンサートなど)4.0%3.9%12位
ポピュラー音楽鑑賞(コンサートなど)4.5%5.9%22位
音楽鑑賞(CD・スマートフォンなど)52.0%53.5%12位
楽器の演奏8.7%10.2%23位
邦楽2.4%3.0%35位
コーラス・声楽1.5%1.7%22位
邦舞・おどり0.9%1.0%23位
洋舞・社交ダンス1.2%1.1%6位
書道3.2%3.4%31位
華道1.2%1.3%30位
茶道0.7%0.8%29位
和裁・洋裁5.0%5.5%28位
編み物・手芸7.9%8.8%35位
絵画・彫刻の制作3.2%3.4%16位
陶芸・工芸1.7%1.6%12位
写真の撮影・プリント21.7%21.9%9位
詩・和歌・俳句・小説などの創作2.1%2.2%10位
趣味としての読書(マンガを除く)27.5%31.6%21位

順位は47都道府県の中で行動者率の高い順。同じ値の県は同じ順位にした。

5年で下がったのは19種類中17種類

2016年と2021年で比べられる19種類のうち、行動者率が下がったのは17種類だった。

最も下がったのは演芸・演劇・舞踊鑑賞(テレビ・スマートフォン・パソコンなどは除く)で、12.8%から4.2%へ-8.6ポイントである。

上がったのは2種類で、最も上がったのはCD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞の+6.8ポイントだった。

群馬県の行動者率を、2016年と2021年で比べられるものすべて並べる。

種類2016年2021年差
演芸・演劇・舞踊鑑賞(テレビ・スマートフォン・パソコンなどは除く)12.8%4.2%-8.6
映画館での映画鑑賞36.2%27.9%-8.3
美術鑑賞(テレビ・スマートフォン・パソコンなどは除く)16.2%8.7%-7.5
編み物・手芸10.3%7.9%-2.4
写真の撮影・プリント23.5%21.7%-1.8
和裁・洋裁6.7%5%-1.7
楽器の演奏10.1%8.7%-1.4
書道4.5%3.2%-1.3
コーラス・声楽2.5%1.5%-1.0
華道1.9%1.2%-0.7
茶道1.4%0.7%-0.7
邦舞・おどり1.5%0.9%-0.6
陶芸・工芸2.2%1.7%-0.5
邦楽(民謡、日本古来の音楽を含む)2.8%2.4%-0.4
詩・和歌・俳句・小説などの創作2.5%2.1%-0.4
洋舞・社交ダンス1.3%1.2%-0.1
絵画・彫刻の制作3.2%3.2%+0.0
映画館以外での映画鑑賞(テレビ・DVD・パソコンなど)49.1%51%+1.9
CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞45.2%52%+6.8

単位は%。差は2021年から2016年を引いた値で、当サイトが算出した。出典は総務省「社会生活基本調査」平成28年・令和3年。

この数字をどう読むか

ここから先は解釈である。事実は上に書いたとおりで、以下はこの数字を前橋の他のデータと重ねたときに何が言えるかという話になる。

足を運ぶ場所の近さ

美術鑑賞の上位には、東京都のほか、京都府や北陸3県が並ぶ。鑑賞の割合は、身近に行ける施設や催しがあるかどうかに左右される可能性がある。ただし、この調査から理由は分からない。

文化施設の記事では、前橋の文化施設6施設の入館者が2024年度に2018年度の73.1%にとどまっていた。県全体の鑑賞の低さと、施設の入館者の戻りの遅さは、同じ向きを示している。

つくる・習う側は厚い

芸術の担い手の記事で、前橋の習い事の教室が人口当たりで県内5市の1位であることを示した。

写真や創作、陶芸で群馬が上位に入ることとあわせると、見に行くより自分で手を動かす文化が一定の厚みをもっていると読める。ただし、この調査は県全体の値で、前橋との関係は直接は分からない。

このデータの限界

  • 順位・差・変化は当サイトが算出した。同じ値の県は同じ順位にしている。
  • この調査は都道府県別までで、前橋市の値はない。
  • 2021年の調査は新型コロナウイルス感染症の流行中で、会場に行く活動は例年より少ないとみられる。
  • 音楽鑑賞の2種類は、2016年の名称が「音楽会などによる」、2021年が「コンサートなどによる」で、名称が変わっている。
  • 読書は2021年から「マンガを除く」になり、2016年とは単純に比べられない。
  • 行動者率は1年に1回でもした人の割合で、回数や時間は表さない。
  • 調査は標本調査で、県ごとの値には誤差がある。0.1ポイントの差は、誤差の範囲の可能性がある。
  • 図2は22種類のうち、テレビ・DVDなどでの映画鑑賞とCD・スマートフォンなどでの音楽鑑賞を除いた20種類を示した。

よくある誤解

「群馬の人は芸術に関心がない」

美術鑑賞などの行動者率は全国を下回りますが、写真の撮影や創作、陶芸・工芸では上位に入っています。関心がないのではなく、活動の形が違うと読めます。

「群馬だけ鑑賞が大きく減った」

2016年から2021年にかけての減り方は、全国とほぼ同じです。2021年はコロナ禍の最中で、会場に行く活動は全国で減っています。

Q&A

前橋市の値は分かりますか

分かりません。社会生活基本調査は都道府県別までの公表です。

次の調査はいつですか

社会生活基本調査は5年ごとで、次は2026年の調査です。結果が公表されたら更新します。調査の内容や結果は、総務省統計局の令和3年社会生活基本調査のページで確認できます。

群馬県の人はどれくらい美術館に行きますか

2021年に過去1年間で美術鑑賞をした人は8.7%でした。全国の11.4%を2.7ポイント下回り、47都道府県で36位です。ただし北関東では最も高く、茨城県8.5%(41位)と栃木県7.1%(46位)を上回ります。

群馬が全国で上位の文化活動は何ですか

写真の撮影が9位、洋舞・社交ダンスが6位、陶芸・工芸が12位です。見に行く鑑賞は下位でも、自分でつくる活動には上位があります。

出典

  • 総務省「社会生活基本調査」令和3年 第93-2表 男女,趣味・娯楽の種類別行動者率(10歳以上)
  • 総務省「社会生活基本調査」平成28年 第86-2表(同名の表)

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92都道府県別の芸術・文化の行動者率(22種類)
2016年・2021年
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更新履歴

  • 2026年9月23日 「5年で下がったのは19種類中17種類」の節を追加
  • 2026年9月23日 Q&Aと内部リンクを追加
  • 2026年9月22日 公開